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乳房痛の鑑別診断

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Step1:感染(炎症)かどうか?

・乳房の疼痛、皮膚発赤、腫脹、熱感または全身性発熱を伴う場合は「乳腺炎」「乳腺膿瘍」を想定する

・悪性の鑑別疾患:「炎症性乳癌」

皮膚リンパ管侵襲による閉塞により、乳房皮膚に炎症所見を呈する。

しこりを呈さないことが多く、悪性度が高い

マンモグラフィーや乳房超音波検査で異常を認めないことが多く、皮膚生検にて病理診断を行う

 

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Step2:乳癌を疑う随伴症状はないか?

・乳癌の自覚症状として疼痛はまれだが、腫瘤が増大した場合や周囲組織(間質や胸壁の筋肉群)を牽引しひきつれを生じた場合、または皮膚に腫瘍が露出することで疼痛を伴う場合がある

・「触知可能な腫瘤」「乳房皮膚所見」「血性乳頭異常分泌」が随伴するかが重要

・乳癌が疑われた場合は「マンモグラフィー」や「乳房超音波検査」などの」画像検査を行い、強く疑われる場合は「針生検」を実施する

 

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Step3:本当に乳房内か?乳房外か?

・乳癌が疑わしくない場合は、疼痛が真に乳房に起因するか、胸壁などの乳房外に起因するのかを判断する

・乳房外の場合は筋骨格系の疼痛である可能性が高い

 

Step4:限局性or片側性、びまん性or両側性、周期性or非周期性

限局性または片側性の場合

・改めて乳癌を鑑別の一つと想定する

→画像検査を行う(マンモグラフィー、乳房超音波検査)

・乳腺嚢胞、線維腺腫、良性葉状腫瘍など

 

びまん性かつ両側性の場合

・乳腺症(線維嚢胞性変化)

・(周期的)乳房痛

月経周期のホルモン変動に関連

通常月経開始直前に認める

多くが両側性の疼痛で、特に「乳房の上外側部」で症状が顕著である

・薬剤性(経口避妊薬、ホルモン補充療法)

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