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低脂血症:D2判定

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低脂血症の定義

・TC<120mg/dL

・LDL-C<70mg/dL

・TG<30mg/dL

・HDL-C<40mg/d

 

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疾患

・低脂血症は、他の疾患の続発性(二次性)低脂血症を示す場合と原発性低脂血症に分類される。

・原発性低脂血症は、遺伝子の変化が原因となって発症する遺伝疾患である

 

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① 低LDLコレステロール血症(低LDL-C血症)

発見時の対応

・健康診断でLDL-C低値が指摘された場合は、まずは続発性低LDL-C血症の原因となる疾病の可能性がないか調べる

・腹部超音波で脂肪肝の有無、血液検査で肝機能障害がないかを確認する

・該当がなければ原発性低LDL-C血症を疑って近縁の血縁の方にLDL-C低値の方がいないかを確認する

 

1)原発性低LDL-C血症

・体調不良や症状がなく、極端なダイエット・偏食もなくLDL-Cが低値の場合は原発性低LDL-C血症が疑われれる

原発性低LDL-C血症を示す疾患

・無βリポ蛋白血症

・家族性低βリポ蛋白血症

・カイロミクロン停滞病

・Smith-Lemli-Opitz症候群

※ 家族性低βリポ蛋白血症以外は本邦では非常に稀で、発育障害や奇形の合併などを伴い、乳幼児期に発症する。成人で症状がなく、健康診断でたまたまLDL-C低値が指摘される場合は、ほとんど家族性低βリポ蛋白血症である

 

2)続発性低LDL-C血症

疾患

・原疾患がある程度進行した状態であり、それに伴う症状や検査異常がある場合がほとんどである

 

原因疾患

・肝硬変など重症肝疾患

・バセドウ病など甲状腺機能亢進症

・アジソン病など副腎不全

・吸収不良

・栄養不良

・悪性腫瘍

・慢性感染症

・慢性炎症性疾患

・Gaucher病

・薬剤(ニコチン酸誘導体)

 

 

 

② 低TG血症

疾患

・TGは食事の影響を最も受けやすい脂質で、低TG血症はまず栄養障害や吸収不良を考える。

続発性のことが多く、甲状腺機能亢進症、肝硬変ではコレステロールと共にTGの低下が起こる。

 

対応

・低TG血症に対しては、原疾患の治療を行い、TGを上げるための治療は不要。

・低糖質ダイエットを行なっている人でTG低値になることがある。糖質制限により体のエネルギーが足りなくなるとTGをエネルギー源として消費するため低TGとなる。過度なダイエットに注意する。

 

③ 低HDLコレステロール血症(低HDL-C血症)<40mg/dL

疾患

・HDLは小腸や肝臓で作られ、全身の余剰なコレステロールの回収を行う。HDLが回収したコレステロールは肝臓で回収、再利用される。

・したがってHDLが低下すると全身で余ったコレステロールが回収できなくなり、動脈硬化の原因となる。

・HDL-Cの低下は狭心症・心筋梗塞などの冠動脈疾患、脳梗塞の発症のリスクを高めることが判明している

原因

・低HDL-C血症には、遺伝性のものとしてTanigier病、LCAT欠損症、魚眼病、アポ蛋白A-Ⅰ欠損症、アポ蛋白A-Ⅰ/C-Ⅲ欠損症、アポ蛋白A-Ⅰ/C-Ⅲ/A-Ⅳ欠損症、家族性低HDL-C血症があるが、非常に稀。続発性低HDL-C血症がほとんど。

・続発性低HDL-C血症の原因は、喫煙、肥満、食事、運動不足などの生活習慣によるものが主である

・その他、2型糖尿病、慢性腎不全、Gaucher病、薬剤(蛋白同化ステロイド、β遮断薬、利尿剤、プロブコール)がある。

 

対応

・高LDL-C血症や高TG血症に対しての内服薬が低HDL-C血症もわずかに改善させる効果もあるが、低HDL-C血症の改善が主目的の内服薬はない。

・低HDL-C血症の改善には、「適正体重への是正」「有酸素運動」「食物繊維の摂取」「禁煙」「高TG血症の是正」が有効と言われている。

 

食事

・食事ではトランス脂肪酸の摂取を控える

・トランス脂肪酸の代表はマーガリン。植物油の高温長時間調理やマイクロ波加熱(電子レンジ加熱)でもトランス脂肪酸が増加

・マーガリンやショートニング(精製した動物油脂、植物油脂などが主原料で、これに窒素ガスや炭酸ガスなどを吹き込みながら練り合わせてつくった無味無臭の食用油脂)、スナック菓子、菓子パン、業務用の揚げ油など

 

運動

有酸素運動がHDL-Cを増加させる

・中等度(通常の速さのウォーキング相当)を一日合計30分以上、週3回以上が目標

筋肉量が低下している高齢者の方では、レジスタンス運動の併用も勧められてる

 

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