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職場における健康診断

  1. 健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針
  2. 職場における健康診断の種類
  3. 健診機関の選定基準
        1. 全国労働衛生団体連合会(全衛連)
        2. 日本総合健診医学会
        3. 日本医師会 臨床検査制度管理調査
  4. 一般定期健康診断
        1. 事業者にとっての目的
        2. 労働者にとっての目的
    1. 一般健康診断の種類
        1. ① 雇入れ時健康診断
        2. ② 定期健康診断
        3. ③ 「特定業務従事者」の健康診断
        4. ④ 海外派遣労働者の健康診断
        5. ⑤ 給食従事者の検便
        6. ⑥ 二次健康診断
  5. 特殊健康診断
        1. 特殊健康診断の対象となる有害業務
  6. 特殊健康診断の健康管理区分
  7. 一般健康診断の判定
        1. 診断区分(医療区分):日本人間ドック学会による
  8. 産業医による健康診断の総合判定
    1. ① 就業区分
        1. 就業区分
    2. ②保健指導区分
        1. ① 無所見
        2. ② 有所見観察不要
        3. ③ 要観察
        4. ④ 要管理
        5. ⑤ 要治療
        6. ⑥ 治療中
    3. 情報通信機器を用いた産業医の職務の一部実施に関する留意事項等について
  9. 健康診断結果判定
    1. ① 「A、B、C、Dの4段階評価」
    2. ② 「A、B、BF、D、G」判定
  10. 一般定期健康診断を行った後に事業者が行う事後措置指針
        1. 就業上の措置の決定及び実施
        2. その他
  11. 保健指導
  12. 健康診断結果(個人票)の保存期間
        1. 健康診断の結果(個人票)を保存すべき期間
        2. 一般定期健康診断と特殊健康診断の結果の記録の保存期間の違い
  13. 派造労働者の健康診断
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健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針

「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」

(平成8年10月1日 健康診断結果措置指針公示第1号)

 

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職場における健康診断の種類

・労働者の健康診断は、「健康管理」の一部として行われる

・労働者に対して事業者が実施すべき健康診断は、大きく

「一般健康診断」

「特殊健康診断」

に分けられる(労働安全衛生法第66条)

・事業者は、健康診断を実施している医療機関に健康診断の実施を委託する必要がある

 

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健診機関の選定基準

全国労働衛生団体連合会(全衛連)

総合精度管理事業

・健診施設が実施する健康診断が精度の高いものとなるよう、総合精度管理事業実施要綱に基づき、「総合精度管理事業」を実施しています。総合精度管理事業では、「臨床検査」、「労働衛生検査」、「胸部X線検査」、「胃X線検査」、「腹部超音波検査」について各々の検査が適切に行われているかどうか評価

・企業・事業所が健康診断実施機関を選定する際の基準となる

 

日本総合健診医学会

優良認定施設一覧

 

日本医師会 臨床検査制度管理調査

令和3年度臨床検査精度管理調査結果報告書抜粋版 参加施設一覧 

 

一般定期健康診断

・主に労働者の一般的な健康障害を調べるために行う健康診断のこと

・事業者は対象となる労働者に一般健康診断を実施しなければならない

事業者にとっての目的

労働安全衛生法に基づく一般の定期健康診断の目的は、常時使用する労働者について、その健康状態を把握し、労働時間の短縮、作業転換等の事後措置を行い、脳・心臓疾患の発症の防止、生活習慣病等の増悪防止を図ることである。

 

労働者にとっての目的

労働安全衛生法に基づく一般の定期健康診断の労働者に取っての目的は、自らの健康問題を把握して生活習慣の改善等を図り、脳・心臓疾患の発症の防止、生活習慣病等の増悪防止を図ることである。

 

一般健康診断の種類

① 雇入れ時健康診断

・雇い入れ時(雇入れ時3か月以内の健診結果で代用可)

 

② 定期健康診断

・1年以内毎に1回

 

③ 「特定業務従事者」の健康診断

・心身への負担が大きいと考えられる所定の業務(特定業務)に従事している者に対しては、同じ内容の健康診断を年2回実施する規定となっている

・「暑熱な場所における業務」「有害放射線にさらされる業務」「異常気圧下における業務」「身体に著しい振動を与える業務」「深夜業を含む業務」等の、法令で定める有害業務に従事する労働者がが対象となる

・「特定業務」従事者に対して、配置換えの際及び6か月以内毎に1回(年2回)

・診断項目は「定期健康診断」と同じ

特定業務一覧:
① 多量の高熱物体を取扱う業務および著しく暑熱な場所における業務
② 多量の低温物体を取扱う業務および著しく寒冷な場所における業務
③ ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務
④ 土石、獣毛等のじんあいまたは粉末を著しく飛散する場所における業務
⑤ 異常気圧下における業務
⑥ さく岩機、鋲打機などの使用によって、身体に著しい振動を与える業務
⑦ 重量物の取扱いなど重激な業務
⑧ ボイラー製造など強烈な騒音を発する場所における業務
⑨ 坑内における業務
⑩ 深夜業を含む業務
⑪水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取扱う業務
⑫鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気または粉じんを発散する場所における業務
⑬ 病原体によって汚染のおそれが著しい業務
⑭ その他厚生労働大臣が定める業務

 

④ 海外派遣労働者の健康診断

・本邦外の地域に6か月以上派遣される労働者が対象

・6か月以上の海外勤務に派遣する前、及び6か月以上の海外勤務後に日本で業務につかせる時

 

⑤ 給食従事者の検便

・雇入れ時、または該当業務への配置換えの際

・項目については法令上特に規定はない

・一般に赤痢菌、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌、ノロウイスルなどの検便を行う

 

⑥ 二次健康診断

・一次健康診断(労働安全衛生法に基づく定期健康診断)の結果において、脳・心臓疾患に関連する4項目(血圧、血中脂質、血糖、腹囲・BMI)の4項目全てについて異常の所見があると診断された場合、労災病院または都道府県労働局長が指定する病院・診療所(健診給付病院等)において、無料で必要な精密検査や特定保健指導を受けることができる制度

(※ただし、全てに異常所見がなくても産業医等の指示に基づき対象となる場合がある)

・二次健康診断の受診は労働者本人の任意の希望による(事業者の義務ではない)

二次健康診断結果の保存には、当該労働者の同意を得ることが必要である。

 

特殊健康診断

・法令で定められた、特定の有害な業務に従事する労働者に、業務に起因する健康障害がないか調べるために行う健康診断

・「特殊健康診断」の対象者は、一般健康診断の対象にも該当する場合、その両方の健康診断を受ける必要がある。

 

特殊健康診断の対象となる有害業務

・屋内作業場等における有機溶剤業務に常時従事する労働者 (有機則第29条)
・鉛業務に常時従事する労働者 (鉛則第53条)
・四アルキル鉛等業務に常時従事する労働者 (四アルキル鉛則第22条)
・特定化学物質を製造し、又は取り扱う業務に常時従事する労働者及び過去に従事した在籍労働者(一部の物質に係る業務に限
る) (特化則第39条)
・高圧室内業務又は潜水業務に常時従事する労働者 (高圧則第38条)
・放射線業務に常時従事する労働者で管理区域に立ち入る者 (電離則第56条)
・除染等業務に常時従事する除染等業務従事者 (除染則第20条)
・石綿等の取扱い等に伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務に常時従事する労働者及び過去に従事したことのある在籍
労働者 (石綿則第40条)

 

四 国 なまりの ゆう こ 先生

(四アルキル鉛、鉛、有機溶剤、高気圧、潜水)

40歳の 医師と

(40年 石綿)

7 分で 30本の トク ホ

(7年 粉じん 30年 特定化学物質 放射線)

 

 

特殊健康診断の健康管理区分

管理A:
健診の結果、異常が認められない場合

管理B:
健診結果、管理Cには該当しないが当該因子によるか、または当該因子による疑いのある異常が認められる場合

管理C:
健診結果、当該因子による疾病にかかっている場合

管理R:
健康診断の結果、当該因子による疾病又は異常を認めないが、当該因子に就業することにより憎悪するおそれのある疾病にかかっている場合又は異常が認められる場合
管理T
健康診断の結果、当該因子以外の原因による疾病にかかっている場合又は異常が認められる場合(管理Rに属するものを除く)

 

一般健康診断の判定

・健康診断を実施すると、一般的には健康診断の結果が事業場へ送られる。事業場は、この健康診断の結果を受診者全員に文書で通知する義務がある。

健康診断を委託した医療機関、健診機関の医師によって、医療的な介入の要否である「診断区分」(もしくは「医療区分」)の判定がなされている。

 

診断区分(医療区分):日本人間ドック学会による

基本検査項目/判定区分(人間ドック学会)

A:異常なし
B:軽度異常
C:要再検査・生活改善
D:要精密検査・治療要医療
E:治療中

・2022年4月より日本人間ドック学会の判定区分に関する表記が改定された。「 D1:要治療」「 D2:要精検」を併合し「 D:要精密検査・治療」に変更された。

・また「値の高低・所見によって要精密検査,要治療を使い分けしてもよい」とされた。

・「 C :要経過観察」の表現が「 C:要再検査・生活改善」に変更となった

・この結果の中で、異常の所見があると診断された従業員に対して、健康診断実施日から3ヶ月以内に、以下の3つの就業区分に従って医師等(産業医(50人以上の事業場)または地域産業保健センターの登録産業医など(50人未満の事業場))から意見聴取し、その内容を健康診断個人票へ記載することになっています。

・総合判定には、就業上の措置を行うための「就業区分」と、医療上の措置や保健指導に活かすための「保健指導区分」がある

 

産業医による健康診断の総合判定

・産業医は「就業区分」と「保健指導区分」の判定を行う

 

① 就業区分

・就業上の措置を行うための判定

・会社は、この医師等の意見を勘案し、必要があると認めるときは、該当する従業員の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講じたり、医師等の意見を衛生委員会等へ報告したりするなどの対応が求められます。

・事業者は医師等の意見に基づいて、就業区分に応じた就業上の措置を決定する場合には、あらかじめ該労働者の意見を聴き、十分な話合いを通じてその労働者の了解が得られるよう努めることが適当」とされている。

(就業上の措置は、当人にとって仕事上のやりがいや地位の低下、さらには収入の減少等の不利益を伴うことがあり、本人の納得が得られることが重要であるとしたものである)

 

就業区分

① 「通常勤務可能」(通常の勤務でよいもの)
・就業上の措置を講じる必要なし

② 「要就業制限」(勤務に制限を加える必要のあるもの)

・勤務による負荷を軽減するため、労働時間の短縮、出張回数の制限、時間外労働の制限、労働負荷の制限、作業の転換、就業場所の変更、深夜業の回数の減少、昼間勤務への転換等、必要に応じて適切な措置を講ずる

③ 「要休業」(勤務を休ませる必要があるもの)

・療養のため、休暇、休職等により一定期間勤務させないといった措置を講ずる

 

参照:就業制限を検討する検討する項目とその数値
・収縮期血圧 180mmHg

・拡張期血圧 110mmHg
・血清クレアチニン 2.0㎎/dL
・ALT 200IU/L
・空腹時血糖 200㎎/dⅬ
・随時血糖 300㎎/dL
・HbA1c 10%
・ヘモグロビン 8.0g/dL

 

②保健指導区分

・区分に明確な指針はない

例)

① 無所見

・明らかな所見が認められないもの

 

② 有所見観察不要

・基準値を外れる項目または画像診断等での所見が認められるが、病的な意味はないもの

 

③ 要観察

・現時点では治療の必要はないが、生活習慣の改善や定期的な検査の必要があるのも

・今後の健康維持には生活習慣の改善や経過観察が必要である

・具体的な保健指導を実施し、その後の改善経過を確認する

 

④ 要管理

・健康診断の結果だけでは治療の要不要の判定はできないが、医師による管理が必要なもの

・生活習慣の改善により改善が認められない場合に治療が必要になる

・医師の管理のもと保健指導や栄養指導を実施し、その後の改善効果を確認し、必要に応じて治療を開始する

 

⑤ 要治療

・健康診断の結果から、明らかに治療が必要な異常が認められるもの

・速やかに治療が開始されるように指導を行い、また必要な場合には医療機関の紹介を行う。

・さらに確実な治療が実行されているか、確認する

 

⑥ 治療中

・健康診断と関連する異常について治療を受けているもの

 

情報通信機器を用いた産業医の職務の一部実施に関する留意事項等について

1 基本的な考え方

近年の急速なデジタル技術の進展に伴い、情報通信機器を用いて遠隔で産業医の職務の一部を実施することへのニーズが高まっている。

産業医は、健康診断の実施、長時間労働者に対する面接指導の実施及び心理的な負担の程度を把握するための検査等並びにそれぞれの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置、作業環境維持管理、作業管理、労働者の健康管理、労働者の健康の保持増進を図るための措置、衛生教育、労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置で、医学に関する専門的知識を必要とするものを行うことを職務とされている。

事業者は、情報通信機器を用いた場合においても、事業場における労働衛生水準を損なうことがないよう、2に掲げる事項に留意し、産業医が産業医学の専門的立場から労働者一人ひとりの健康確保のために効果的な活動を行いやすい環境を整備する必要がある。

なお、当該留意すべき事項に基づき産業医の職務を実施する場合においては、産業医として選任された事業場以外の場所から遠隔でその職務の一部を実施することとして差し支えないものである。

2 情報通信機器を用いて遠隔で産業医の職務を実施する場合における留意すべき事項

(1) 共通事項

ア 産業医の職務のうち、情報通信機器を用いて遠隔で実施することとする職務の範囲やその際の留意事項等について、衛生委員会等で調査審議を行った上で、労働者に周知していること。

イ 法第13条第4項の規定に基づき産業医に対して必要な情報を提供する際に、情報通信機器を用いて遠隔で職務を実施する産業医に、適時に、労働者の健康管理に必要な情報が円滑に提供される仕組みを構築していること。

ウ 産業医の職務のうち、情報通信機器を用いて遠隔で実施することとする職務についても、産業医が必要と認める場合には、事業場において産業医が実地で作業環境等を確認することができる仕組みを構築していること。

エ 産業医が情報通信機器を用いて遠隔で職務を実施する場合においても、事業場の周辺の医療機関との連携を図る等の必要な体制を構築していること。

(2) 使用する情報通信機器について

ア 情報通信機器を用いて通信等を行う産業医や労働者が容易に利用できるものであること。

イ 映像、音声等の送受信が常時安定しており、相互の意見交換等を円滑に実施することが可能なものであること。

ウ 取り扱う個人情報の外部への情報漏洩の防止や外部からの不正アクセスの防止の措置を講じること。特に労働者の心身の状態に関する情報については、個人データに対するアクセス管理、個人データに対するアクセス記録の保存、ソフトウェアに関する脆弱性対策等の技術的安全管理措置を適切に講じること。

(3) 個別の職務ごとに留意すべき事項

ア 医師による面接指導(労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)第14条第1項第2号及び第3号関係)

法第66条の8第1項、第66条の8の2第1項、第66条の8の4第1項及び第66条の10第3項の規定に基づく面接指導について情報通信機器を用いて遠隔で実施する際には、「情報通信機器を用いた労働安全衛生法第66条の8第1項、第66条の8の2第1項、第66条の8の4第1項及び第66条の10第3項の規定に基づく医師による面接指導の実施について」(平成27年9月15日付け基発0915第5号(令和2年11月19日最終改正))に基づき、当該通達で示す留意事項を遵守するとともに、面接指導を実施する医師が必要と認める場合には直接対面により実施すること。

イ 作業環境の維持管理及び作業の管理(安衛則第14条第1項第4号及び第5号関係)

作業環境の維持管理及び作業の管理については、安衛則第15条の規定に基づく産業医の定期巡視の実施の際は、実地で作業環境や作業内容等を確認する必要があること。また、事業場の作業環境や作業内容等を踏まえ、産業医が追加的に実地で確認する頻度について検討することが適当であること。なお、製造工程や使用する化学物質を変更する等、事業場の作業環境や作業内容等に大きな変更が生じる場合は、産業医が実地で確認することが適当であること。

ウ 衛生教育(安衛則第14条第1項第8号関係)

衛生教育については、情報通信機器を用いて遠隔で実施する際には、「インターネット等を介したeラーニング等により行われる労働安全衛生法に基づく安全衛生教育等の実施について」(令和3年1月25日付け基安安発0125第2号、基安労発0125第1号、基安化発0125第1号)に基づき実施すること。

エ 労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置(安衛則第14条第1項第9号関係)

労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置については、労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止対策の策定について、医学に関する専門的知識を踏まえた検討を行うことが求められているものであり、視覚や聴覚を用いた情報収集だけでなく、臭いや皮膚への刺激等嗅覚や触覚による情報を得る必要もあることが想定されることから、原則として、事業場において産業医が実地で作業環境等を確認すること。ただし、労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置について取りまとめられた報告書等を確認する等により、事業場において産業医が実地での作業環境等の確認は不要であると判断した場合には、この限りではない。

オ 定期巡視(安衛則第15条関係)

産業医の定期巡視については、少なくとも毎月1回(安衛則第15条で定める条件を満たす場合は少なくとも2月に1回)、産業医が実地で実施する必要があること。定期巡視においては、作業場等を巡視し、労働者にとって好ましくない作業環境や作業内容等を把握するとともに、健康診断や健康相談だけからでは得られない労働者の健康に関する情報を得て、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、その場で労働者の健康障害を防止するための必要な措置を講じる必要があること。

カ 安全衛生委員会等への出席(法第17条、第18条及び第19条関係)

情報通信機器を用いてオンラインで開催される安全衛生委員会等へ出席する際には、「情報通信機器を用いた労働安全衛生法第17条、第18条及び第19条の規定に基づく安全委員会等の開催について」(令和2年8月27日付け基発0827第1号)に基づく必要があること。

(4) 情報通信機器を用いて遠隔で行う産業医の職務に関する事業者の留意事項

産業医は、産業医学の専門的立場から、独立性及び中立性をもってその職務を行うことができるよう、健康管理等に必要な情報の提供を事業者に求めることができ、また、その職務を実施するために必要な権限が付与されている。産業医はこの趣旨を踏まえ、情報通信機器を用いて遠隔で実施することが適当でないと認める職務については、実地で現場を確認するとともに、情報通信機器を用いて遠隔で産業医の職務を実施する場合においても、労働者一人ひとりの健康を確保するために必要と認めるときは、事業者に対して、健康管理等に必要な情報を提供するよう求める等、必要な対応を行うことが重要であること。

事業者は、これらを踏まえ、産業医が効果的な活動が行えるよう、配慮すること。

 

健康診断結果判定

① 「A、B、C、Dの4段階評価」

A(異常なし):

健康診断の結果、検査をした事典では特に病的な所⾒が認められません。ただし、
将来への健康が保障されたわけではありませんので、⽇常の⽣活に留意してくださ
い。

B(経過観察):

薬を投与する治療は不要ですが、⽇常⽣活の改善が必要です。次回の健康診断の結
果で経過を⾒ます。

C(再検査、要精密検査):

再検査は検査結果が本当に異常であるか、再現性を確認するためにもう1度⾏いま
す。要精密検査はさらに詳しく検査を⾏い、病気の有無を確認します。

D(要治療):

健康診断で異常が⾒つかり、明らかに病気と考えられるので治療、または指導が必
要です。病気により3〜6カ⽉の定期的な経過観察が必要な場合も含まれます。

 

② 「A、B、BF、D、G」判定

Aが異常なしまたは病的所⾒なし、Bが有所見健康(軽度の異常)、BFが要経過観察、Dが治療中、Gが要精密検査を意味します。

 

提出された内容が、法定の健康診断の実施項目をすべて含んでいることを確認し、足りなければ、別途、事業者の責任において実施する必要があること。
② 事業者が実施した健康診断と同様に、結果の記録、医師からの意見聴取、事後措置の実施、保健指導の実施(努力義務)、(50人以上の事業場では)所轄の監督署長への報告などが必要になる。
③ 個人情報の取扱いは慎重に行う必要があること。とりわけ、法定健診項目以外の内容については、安全配慮義務を遂行するための緊急の必要等がなければ、本人にあらかじめ示した目的外に使用してはならない。

 

 

一般定期健康診断を行った後に事業者が行う事後措置指針

就業上の措置の決定及び実施

〇 二次健康診断の受診勧奨等
〇 健康診断の結果についての医師等からの意見の聴取
〇 就業上の措置の決定等
〇 就業上の措置の実施

その他

〇 健康診断結果の本人への通知
〇 特に健康の保持に努める必要があると認める労働者に対する保健指導の実施
〇 再検査又は精密検査を行う必要のある労働者に対する再検査又は精密検査受診の勧奨。及び、意見を聴く医師等に検査の結果を提出することの働きかけ。
〇 健康診断結果の記録の保存。及び健康情報の保護

 

保健指導

・一般健康診断の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める労働者に対して、医師又は保健師による保健指導を受けさせるよう努めなければならない。

・この場合、保健指導として必要に応じ日常生活面での指導健康管理に関する情報の提供健康診断に基づく再検査又は精密検査、治療のための受診の勧奨を行う。

 

健康診断結果(個人票)の保存期間

健康診断の結果(個人票)を保存すべき期間

・法令では5年間保存するべきこととなっている。

・健康の記録は長期間にわたって保存することが望ましい。近年では電子データで保存することも可能であることから廃棄する必要性も低い。5年を過ぎても、本人が在職している期間は保存することが望ましいと考える。

 

一般定期健康診断と特殊健康診断の結果の記録の保存期間の違い

・法令では、特殊健康診断の記録の法定の保存期間

じん肺:7年

電離放射線:原則として30年

発がん性のある特定化学物質:30年

石綿:業務から離れた後40年

・これは、がんや石綿肺、じん肺は離職後に長期間が経過してから発症することがあるためである。しかしながら、法定の保存期間を経過した後に発症することもあることから、本人の死亡まで(死亡が確認できない場合は100年程度)保存するべきと考える。

 

派造労働者の健康診断

・派遣労働者については、労働安全衛生法第 66 条第1項の規定に基づく健康診断(以下「一般健康診断」)は派遣元事業者が実施し、同条第2項又は第3項に基づく健康診断(以下「特殊健康診断」)は派遣先事業者が実施しなければならない。

・派遣先事業者は、特殊健康診断の結果に基づく就業上の措置を講ずるに当たっては、派遣元事業者と連絡調整を行った上でこれを実施することとし、就業上の措置を実施したときは、派遣元事業者に対し、当該措置の内容に関する情報を提供することとする。

・特殊健康診断の結果の記録の保存は、派遣先事業者が行わなければならないが、派遣労働者については、派遣先が変更になった場合にも、当該派遣労働者の健康管理が継続的に行われるよう、労働者派遣法第 45 条第 10 項及び第 11 項の規定に基づき、派遣先事業者は、特殊健康診断の結果の記録の写しを派遣元事業者に送付しなければならず、派遣元事業者は、派遣先事業者から送付を受けた当該記録の写しを保存しなければならない

・派遺先事業者は、特殊健康診断の結果の記録の写しを派遣元事業者に送付し、派遣元事業者は、その写しを保存しなければならない

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