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副甲状腺機能亢進症

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高カルシウム血症の鑑別診断

・原発性副甲状腺機能亢進症

・悪性腫瘍(肺癌、頭頸部癌、腎細胞癌、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、成人T細胞白血病(南西地方))

・サルコイドーシス、結核

(肉芽腫のマクロファージ系細胞からのビタミンD過剰産生による)

・薬剤性

ビタミンD

リチウム(副甲状腺機能亢進を誘発)

ビタミンA(骨吸収促進)

サイアザイド(遠位尿細管でのカルシウム再吸収促進)

 

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副甲状腺ホルモン

・腎臓と骨を主な標的臓器とし,PTH1型受容体(PTH type 1 receptor:PTH1R)を介し,その生理作用を発揮する。

・腎臓においては近位尿細管の 2a 型ナトリウムーリン共輸送体によるリン再吸収を抑制するとともに、transient receptor potential vanilloid 5(TRPV5)を介して遠位尿細管でのカルシウム再吸収を促進する。

・さらに 1α水酸化酵素を活性化することにより活性型ビタミン D〔1,25‒dihydroxyvitamin D:1,25(OH)2D〕の産生を促進し、腸管での Ca と P の吸収を促す

・骨においては,骨芽細胞の破骨細胞分化因子(receptor activator of nuclear factor kappa-B ligand:RANKL)の発現を増加させることにより、破骨細胞による骨吸収を促進し,血中への Ca 遊離を促す

・慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者では,腎機能低下とともに P 蓄積や 1,25(OH)2D 低下,低カルシウム血症などを生じるため,これらを代償する作用のある PTHが分泌され,二次性副甲状腺機能亢進症に至る。

 

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副甲状腺機能亢進症の分類

原発性:

・副甲状腺疾患によるPTHの過剰分泌

・腺腫(80~85%)、過形成(10~15%)、癌腫

・約3000人に一人と比較的頻度が高い

・男女比:1:3と女性に多い(特に中高年女性に好発)

 

二次性(続発性):

・副甲状腺以外の疾患による低カルシウム血症が,慢性のPTH過剰分泌を引き起こしている

三次性:

・長期にわたる二次性副甲状腺機能亢進症の患者における,血清カルシウム濃度とは無関係なPTHの自律的分泌

 

疑う所見

高Ca(高カルシウム)血症

・健診、ドックで指摘されて診断に至ることがある

・常に異常高値を示すとは限らない。正常~軽度高値の場合もある

・高カルシウム血症では神経細胞のナトリウムチャンネルが阻害され、信号を伝える脱分極が起こりにくくなります。 胃腸を動かす神経の活動が低下するため、胃腸の収縮が低下し便秘となる

骨密度低下

骨吸収促進

特に皮質骨が障害されるため、皮質骨の多い橈骨の骨幹部での骨密度測定が至適の測定部位である

 

検査項目

・Ca
・P(VitDで上昇、PTHで低下)

・PTH

・PTH-rP

・活性型ビタミンD

・ALP(骨転移→多発性骨髄腫、乳癌、前立腺癌)

・24時間蓄尿カルシウム→FECaの計算(副甲状腺機能亢進では>1%)

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