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労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)、リスクアセスメント、GHS

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「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」

「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」

 

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OSHMS(Occupational Safety and Health Management System)

・事業者が労働者の協力の下に「計画(Plan)-実施(Do)-評価(Check)-改善(Act)」(「PDCAサイクル」)という一連の過程を定めて、継続的な安全衛生管理を自主的に進めることにより、労働災害の防止と労働者の健康増進、さらに進んで快適な職場環境を形成し、事業場の安全衛生水準の向上を図ることを目的とした安全衛生管理の仕組み。

・安全衛生計画には、労働安全衛生関係法令、事業場安全衛生規程等に基づき実施すべき事項等の他に、健康の保持増進のための活動の実施に関する事項、健康教育の内容及び実施時期に関する事項を含める。

・安全衛生目標は一定期間における達成すべき到達点を明らかにするものであり、達成の度合いを客観的に評価できるよう、できるだけ数値で設定する。

・安全衛生計画の実施状況等の日常的な点検とは、安全衛生計画が着実に実施されているかどうか、安全衛生目標は着実に達成されつつあるかどうかなどについて、安全衛生計画の実施事項の担当部門等が、点検を行うことである。

・システム監査の結果を踏まえ、定期的に、労働安全衛生マネジメントシステムの妥当性及び有効性を確保するため、労働安全衛生マネジメントシステムの全般的な見直しを行う。

 

システム監査

・システム監査とは、企業などが業務で使用している情報処理システムについて、「障害が起こるリスクはないか」「災害や不正アクセスから十分保護されているか」「企業経営に活用されているか」といった信頼性・安全性・効率性などの点について第三者の視点から客観的に点検・評価することを指します。また、その中で課題の抽出と改善の提案を行います。

・システム監査は、企業の情報システム管理状況を客観的な目線で評価することにより、経営上のリスクを明らかにして解決策を助言することで、将来企業が大きな損失を被るのを防ぐ働きがある。

・システム監査は事業者による監査対象部署に対する監査であるから、実施者として監査対象部署の労働者を参加させるべきではない

 

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ハザードとリスク

ハザード(危険性、有害性)

・ハザードとは「危険性、有害性そのもの」のことをいう。

・被害をもたらすかは分からないが、その危険性があるものをいう。

・職場で労働者に危害(怪我や病気)を与えうる物や状況のこと

(爆発物、引火物、有害物質、はさまれ・巻き込まれが起こり得る機械や設備)

例)

ライオンはハザード(危険性、有害性がある)である。

ウサギと比べると、ライオンのハザードは大きい。

 

リスク

・リスクとは、ハザード(危険性・有害性)によって生ずるおそれのあるけがや疾病の重篤度と発生する可能性の度合いをいう。

・[リスク]=[該当ハザードにより発生する好ましくないことの重大性]X[発生する可能性]

 

例)

ライオンがいるところに人がいて、初めてリスクが発生する

 

リスクアセスメント

・リスクアセスメントとは、労働安全衛生法では、化学物質などによる危険性・有害性を特定し、その特定された危険性・有害性に基づくリスクを見積もることに加え、リスクの見積もり結果に基づいてリスク低減措置(リスクを減らす対策)の内容を検討する一連の流れをリスクアセスメントと定義しています。

リスクアセスメントを行わなければならない時

・建設物を設置、移転、変更、解体する時

・設備、原材料を新たに採用し、または変更する時

・作業方法や手順を新規に採用し変更する時

・リスクに変化が生じた時、もしくは生じる可能性がある時

 

 

リスクアセスメントの手順

①  職場に潜在するあらゆる危険性又は有害性を特定する。

②  これらの危険性又は有害性ごとに、既存の予防措置による災害防止効果を考慮のうえリスクの大きさを見積もる。
③  見積もりに基づきリスクを低減するための優先度を設定し、リスク低減対策の内容を検討する。

④  優先度に対応したリスク低減措置を実施する。

⑤  リスクアセスメントの結果及び実施したリスク低減措置を記録して、災害防止のノウハウを蓄積し、次回のリスクアセスメントに利用する。

 

 

化学物質のリスクアセスメント

職場のあんぜんサイト:化学物質:化学物質のリスクアセスメント実施支援

 

化学品の分類および表示に関する世界調和システム (Globally Harmonized System of Classification and Labeling of Chemicals:GHS)

・危険有害性に関する情報を伝達し、使用者がより安全な製剤の取扱いを求めて自ら必要な措置を実施できるよう国連において開発されたシステム。

・GHSは、化学品の危険有害性に関する情報を、それを扱う全ての人々に正確に伝えることによって、人の安全・健康及び環境の保護を行うことを目的としている。

・GHSでは、国際的に統一された方法で化学品の危険有害性を分類する。

・分類基準に従って分類した結果を調和された方法で情報伝達するための手段として、ラベルや安全データシート(SDS)がある。

・区分1~4 数字が小さい方が危険・有害性が高い;

1(危険)⇔4(比較的安全)

・分類基準に従って分類した結果を調和された方法で情報伝達するための手段としてラベルや安全データシート(SDS)がある。

・「危険有害性」には「物理化学的危険性」「健康に対する有害性」「環境に対する有害性」の3つがある。

・GHSには9種類の絵表示が決められており、危険有害性の区分に応じて表示することになっている

 

GHSラベルとは

・GHSとは世界に統一されたルールに沿って、化学品を危険有害性の種類と程度により分類し、労働者や取扱者が一目でわかるように、「ラベル表示」や「SDS(安全データシート)」を提供したりするシステムです。

・要は「安全に化学品を扱えるようにラベルを統一しましょう!」ということです。

GHSラベルの表示事項

・化学物質又は製品の名称

・注意喚起語

・貯蔵又は取り扱い上の注意

・標章(絵表示)

 

 

 

GHS「危険有害性」の種類

物理化学的危険性 17項目

爆発物
可燃性ガス
エアゾール
酸化性ガス
高圧ガス
引火性液体
可燃性固体
自己反応性化学品
自然発火性液体
自然発火性固体
自己発熱性化学品
水反応性可燃性化学品
酸化性液体
酸化性固体
有機過酸化物
金属腐食性化学品
鈍性化爆発物

健康に対する有害性 10項目

1.急性毒性

2.皮膚腐食性/刺激性

皮膚腐食性:

試験物質の4時間以内の皮膚接触で、皮膚に不可逆的な損傷を生じさせる性質。
不可逆的な損傷:皮膚組織の破壊(表皮から真皮に至る視認可能な壊死)として認識される。

皮膚刺激性:

試験物質の4時間以内の皮膚接触で、皮膚に可逆的な損傷を生じさせる性質。

3.眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性

眼刺激性:

眼の表面に化学品をばく露した後に生じた眼の変化で、ばく露から21日以内に完全に治癒するものを生じさせる性質

4.呼吸器感作性または皮膚感作性

呼吸器感作性:
化学物質の吸入によって気道過敏症を引き起こす性質。

(皮膚感作性)
化学物質の皮膚接触によってアレルギー反応を引き起こす性質。
皮膚感作性は、接触感作性ともいう。

5.生殖細胞変異原性

次世代に受け継がれる可能性のある突然変異を誘発する性質。
in vitro での変異原性/遺伝毒性試験、およびin vivoでの哺乳類体細胞を用いた試験も、この有害性クラスの中で分類する際に考慮される。

6.発がん性

がんを誘発し、またはその発生頻度を増大させる性質を。

7.生殖毒性

雌雄の成体の生殖機能及び受精能力に対し悪影響を及ぼす性質および子の発生に対し悪影響を及ぼす性質。

8.特定標的臓器毒性(単回ばく露)

9.特定標的臓器毒性(反復ばく露)

10.誤えん有害性

誤嚥の後、化学肺炎若しくは種々の程度の肺損傷を引き起こす性質、又は死亡のような重篤な急性の作用を引き起こす性質。

 

環境に対する有害性 3項目

水生環境有害性(急性/短期)
水生環境有害性(慢性/長期)
オゾン層への有害性

 

 

 

 

GHS区分による有害レベル

・化学物質等について、SDS のデータを用いてGHS 等を参考に有害性のレベルを付す。

・レベル分けは、有害性をAからEの5段階に分けた例に基づき行う

 

曝露レベルの推定

 

安全データシート(Safety Data Sheet;SDS)

・SDSとは、化学品の安全な取り扱いを確保するために、化学品の危険有害性等に関する情報を記
載した文書のことです。
・事業者間で化学品を取引する時までに提供し、化学品の危険有害性や適切な取り扱い方法に関す
る情報等を、供給者側から受け取り側の事業者に伝達するためのものです。
・SDSは、これらの化学品を使用して作業をする労働者等にとって、取り扱い時等において、非常
に有益な情報伝達ツールとなります。

・SDSには,化学品について、次の16の項目及びその情報を記載する。これらの項目の番号、項目名及び順序を変更してはならない

各項目は,空白にしてはならない(情報が入手できない場合は、その旨を記載する必要がある)

ただし,項目16“その他の情報”は,空白でもよい

・SDSでは,必ずしも情報源を示す必要はないが,情報源を示して,情報の信頼性を高めることが望ましい

・日本国内では、JIS Z 7253「GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法-ラベル、作業場内
の表示及び安全データシート(SDS)」に、SDSの記載項目等が規定されています。

 

SDSに記載される16項目

1.化学品及び会社情報
2.危険有害性の要約
3.組成及び成分情報
4.応急措置
5.火災時の措置
6.漏出時の措置
7.取扱い及び保管上の注意
8.ばく露防止及び保護措置
9.物理的及び化学的性質
10.安定性及び反応性
11.有害性情報
12.環境影響情報
13.廃棄上の注意
14.輸送上の注意
15.適用法令
16.その他の情報

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