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呼吸困難に対する救急対応

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まずは年齢、病歴、既往から鑑別(肺、心臓、気道、脳)

若年者:気道遺物、喘息重積、気胸、過換気、貧血

中高年:心不全、COPD、肺血栓塞栓症、心筋梗塞、がん

 

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緊急!ショックを伴う場合

・「サルも聴診器」で対応

「さ(酸素)」「る(ルート確保)」「も(モニター)」「ちょう(超音波)」「しん(心電図)」「き(胸部X線ポータブル)」

・緊張性気胸の除外

・疑う病歴:胸部外傷、難治性気管支喘息、COPD患者の急変

・身体所見

患側呼吸音減弱(分かりにくい)

患側肺が胸部打診上鼓音

増大する皮下気腫(外傷で出やすい)

頸部気管の健側偏位(あまり目立たない)

頚静脈怒張(出血の場合でない)

・疑ったら直ぐに胸腔穿刺、胸腔ドレナージ

(胸部X線を撮っている暇はない!臨床診断で即、行動!)

第2肋間鎖骨中線に18G針を数本穿刺

その後直ちに28~32G胸腔チューブを乳頭線の高さ(第4~5肋間)中腋窩線やや前方で挿入

 

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最初に否定すべきは上気道閉塞!

※上気道閉塞は脳が4分でやられる

※上気道閉塞があれば気管挿管、または外科的気道確保が必要!

 

①身体所見でstridor➡上気道閉塞

②唾も飲み込めない咽頭痛、流涎あり、しかし咽頭所見ほぼなし➡急性喉頭蓋炎

③火事、口の中がすすだらけ➡気道熱傷

④乳児、stridorあり、激しい咳嗽➡クループ

⑤既往でアナフィラキシー、ピーナッツや飴を舐めていた➡窒息

 

肺か心臓か?

既往歴と胸部X線での鑑別(身体所見はあまりあてにならない)

既往歴:心不全、COPDは既往歴がもっとも有用な鑑別点

胸部X線:肺水腫➡心不全、過膨張肺➡急性増悪

・心不全では「労作性呼吸困難→発作性夜間呼吸困難→起坐呼吸」が典型的

・Ⅲ音の聴取(聞こえたら心不全を疑う:感度は30%)

・肺エコー

気胸の除外

B lineが肺全体なら心不全、肺水腫、間質性肺炎

B lineが一部なら肺炎、無気肺

consolidation(肺が実質臓器様に見える)なら肺炎、無気肺

 

Framinghamうっ血性心不全診断基準

大項目2つか、大項目1つおよび小項目2つ以上を「うっ血性心不全」と診断する。

[大項目]

・発作性夜間呼吸困難または起座呼吸
・頸静脈怒張
・肺ラ音
・心拡大
・急性肺水腫
・Ⅲ音(拡張早期性ギャロップ)
・静脈圧上昇(16cmH2O以上)
・循環時間延長(25秒以上)
・肝頸静脈逆流

[小項目]

・下腿浮腫
・夜間咳嗽
・労作性呼吸困難
・肝腫大
・胸水貯留
・肺活量減少(最大量の1/3以下)
・頻脈(120/分以上)

[大項目あるいは小項目]

・5日間の治療に反応して4.5kg以上の体重減少があった場合、それが心不全治療による効果ならば大項目1つ、それ以外の治療ならば小項目1つとみなす。

 

 

頭・精神による呼吸困難(除外診断)

・過換気症候群はあきまでも除外診断

・SpO2の低下している過換気症候群は原疾患を探せ!

・高齢者の過換気症候群では原因疾患(くも膜下出血、心筋梗塞、肺血栓塞栓症など)を探せ!

・パニック障害は既往を確認

・脳圧亢進、非痙攣性てんかん、中枢性低換気などでも呼吸困難が生じる

 

過換気症候群(その注意点)

過換気症候群の原則

・基本的に過呼吸状態になるのは比較的若い世代に多く、高齢者には起こりにくいとされている

・そのため高齢者が過呼吸状態になった際には他疾患の併存を考える必要がある。

・過呼吸時にはSpO2に必ず着目すること。過呼吸の状態に陥っている時には、呼吸数の増加とともに、酸素が投与されていない状況でもSpO2は99~100%を示していないといけない。SpO2が低値を示している場合には先行する内科的疾患があり、その結果過呼吸状態となっていることを認識する。

 

過換気を見た時の注意点

① 急病を過換気症候群と誤認しない

・ギラン・バレー症候群

・重症筋無力症

 

② 急病に過換気症候群が合併している可能性を認識する

・心筋梗塞

・クモ膜下出血

・脳梗塞

 

③ 過換気症候群が合併症をきたすことに注意する

・脳梗塞(←脳血管攣縮による)

・急性冠症候群(←冠動脈攣縮による)

・post-hyperventilation apnea(過換気後に突然無呼吸が出現することがある)

 

 

 

 

 

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