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好酸球性食道炎

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ガイドライン

幼児・成人好酸球性消化管疾患診療ガイドライン(2020 年)
編集:厚生労働省好酸球性消化管疾患研究班

 

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疾患

・好酸球性食道炎は,食道に好酸球優位の炎症を引き起こす慢性の免疫性食道疾患である。

気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の症例で認められることが多い。

・乳児期から若年成人期までいずれの時期でも発生する可能性があり,ときに高齢者にみられる。

やや男性に多い

好酸球性食道炎の原因は,遺伝的感受性を有する患者の食物抗原に対する免疫応答である可能性が高く,環境アレルゲンが関わっている可能性もある。

食道の慢性炎症を無治療で放置すると,最終的に食道の狭小化および 狭窄へと至る可能性がある。

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好酸球性食道炎の症状

・乳児および小児では,拒食,嘔吐,体重減少,腹痛,および/または胸痛が主訴となる。

・成人では,嚥下障害や食物のつかえ感が最初の症状となり,ほとんどの患者が嚥下困難を起こす。

・胸やけなどの 胃食道逆流症(GERD)の症状が生じることもある。

しばしば,他のアトピー性疾患(例,喘息,湿疹,アレルギー性鼻炎)の臨床像を呈する。

好酸球性食道炎の典型的な患者には,固形物の嚥下困難とアトピーの病歴がある。好酸球性食道炎の診断は,逆流症状が胃酸分泌抑制薬による治療に反応しない場合にも考慮される。食道での食物のつかえで受診した成人と非心臓性胸痛がある成人でも,本症を考慮すべきである。

 

診断

・診断は内視鏡検査と生検による。

・内視鏡検査では視認可能な異常(縦走溝気管様狭窄、積み重なった円状の輪,血管影の消失,白色の滲出物(白斑))

・ただし外観は正常となる場合もあり、診断に生検は不可欠である。

・内視鏡検査による生検で食道粘膜上皮に好酸球浸潤(強拡大像で好酸球が15個以上)を認めることが必要である。

・GERDでも好酸球浸潤が生じることがあるため,逆流症状が主体の患者では生検を施行すべきである

・食道造影では,積み重なった円状の輪,縦走溝,narrow-caliber esophagus,または狭窄を認めることがある。

 

治療

PPI(プロトンポンプ阻害薬)は一定の有効性を示す

・PPIが無効な場合はグルココルチコイドが奏功することが多い

・食習慣の変更などのほか,ときに食道拡張術も用いられる

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