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川崎病診断基準(改訂第6版:2019年5月改訂)

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川崎病診断基準(改訂第6版:2019年5月改訂)

川崎病診断の手引き 改訂第 6 版

 

本症は、主として 4 歳以下の乳幼児に好発する原因不明の疾患で、その症候は以下の主要症状と参考条項とに分けられる。

【主要症状】

1. 発熱(発熱の日数は問わない)
2. 両側眼球結膜の充血
3. 口唇、口腔所見:口唇の紅潮、いちご舌、口腔咽頭粘膜のびまん性発赤
4. 発疹(BCG 接種痕の発赤を含む)
5. 四肢末端の変化:

(急性期)手足の硬性浮腫、手掌足底または指趾先端の紅斑

(回復期)指先からの膜様落屑

6. 急性期における非化膿性頸部リンパ節腫脹

 

参照(このサイトより引用):https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/kawasaki_disease/

川崎病

 

【診断】

a. 6つの主要症状のうち、経過中に5症状以上を呈する場合は、川崎病と診断する。

b. 4主要症状しか認められなくても、他の疾患が否定され、経過中に断層心エコー法で冠動脈病変(内径の Z スコア+2.5 以上、または実測値で 5 歳未満 3.0mm 以上、5 歳以上 4.0mm 以上)を呈する場合は、川崎病と診断する。

c. 3主要症状しか認められなくても、他の疾患が否定され、冠動脈病変を呈する場合は、不全型川崎病と診断する。

d. 主要症状が3または4症状で冠動脈病変を呈さないが、他の疾患が否定され、参考条項から川崎病がもっとも考えられる場合は、不全型川崎病と診断する。

e. 2主要症状以下の場合には、特に十分な鑑別診断を行ったうえで、不全型川崎病の可能性を検討する。

【参考条項】

以下の症候および所見は、本症の臨床上、留意すべきものである。

1. 主要症状が4つ以下でも、以下の所見があるときは川崎病が疑われる。

1) 病初期のトランスアミナーゼ値の上昇

2) 乳児の尿中白血球増加

3) 回復期の血小板増多

4) BNP または NT pro BNP の上昇

5) 心臓超音波検査での僧帽弁閉鎖不全・心膜液貯留

6) 胆嚢腫大

7) 低アルブミン血症・低ナトリウム血症

2. 以下の所見がある時は危急度が高い。

1) 心筋炎

2) 血圧低下(ショック)

3) 麻痺性イレウス

4) 意識障害

3. 下記の要因は免疫グロブリン抵抗性に強く関連するとされ、不応例予測スコアを参考にすることが望ましい。

1) 核の左方移動を伴う白血球増多

2) 血小板数低値

3) 低アルブミン血症

4) 低ナトリウム血症

5) 高ビリルビン血症 (黄疸)

6) CRP 高値

7) 乳児

4. その他、特異的ではないが川崎病で見られることがある所見 (川崎病を否定しない所見)

1) 不機嫌

2) 心血管: 心音の異常、心電図変化、腋窩などの末梢動脈瘤

3) 消化器: 腹痛、嘔吐、下痢

4) 血液:赤沈値の促進、軽度の貧血

5) 皮膚:小膿疱、爪の横溝

6) 呼吸器:咳嗽、鼻汁、咽後水腫、肺野の異常陰影

7) 関節:疼痛、腫脹

8) 神経:髄液の単核球増多、けいれん、顔面神経麻痺、四肢麻痺

 

【備考】

1. 急性期の致命率は 0.1%未満である。

2. 再発例は 3〜4%に、同胞例は 1〜2%にみられる。

3. 非化膿性頸部リンパ節腫脹(超音波検査で多房性を呈することが多い)の頻度は、年少児では約65%と他の主要症状に比べて低いが、3歳以上では約 90%に見られ、初発症状になることも多い。

 

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