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産業医資格について

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産業医資格について

 

・産業医は長時間労働や自殺問題などを受けてその役割の重要性が高まっている一方で、産業医の人数の不足も問題となっています。

・今後需要がますます高まっていく資格なので、自分のライフプラン、キャリアプランに合うタイミングを考えて産業医の資格取得、転職検討してみることをおすすめします。

 

 

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産業医に認定されるための要件

参照:認定産業医の手引(平成23年 4 月 日本医師会) 

・まず、産業医となるための要件として、医師である必要があることに加え、厚生労働省令で定める要件があります。具体的には、以下のとおり規定されています(労働安全衛生規則第14条第2項)。

1.労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識についての研修(※)であって厚生労働大臣が指定する者(法人に限る)が行うものを修了した者
(※)現在、「日本医師会の産業医学基礎研修」、「産業医科大学の産業医学基本講座」がこれに該当します。

2.産業医の養成等を行うことを目的とする医学の正規の課程を設置している産業医科大学その他の大学であってその大学が定める実習を履修したもの

3.労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験の区分が保健衛生であるもの

4.学校教育法による大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授又は講師の職にあり、又はあった者

5.その他厚生労働大臣が定める者(現在、定められている者はありません)

 

 

方法1:産業医科大学の産業医学基本講座を受講

・産業医科大学以外の卒業生でも受講することができ、全授業科目の履修認定を受けることで「産業医学基本講座修了認定書(産業医科大学産業医学ディプロマ)」が授与されます。

・一度資格を取得すれば、更新の必要なく産業医としての資格を保持できる

 

産業医学基礎研修会集中講座

・6日間の集中講座により、労働安全衛生法上の産業医資格が得られる研修会。

・毎年7月から8月にかけて、月曜日から土曜日までの連続する6日間、計50時間にわたり開催される(令和4年度の会場は、北九州国際会議場)

参照記事:

404 NOT FOUND | 総合診療・救急医療施策要綱(Dr.GawasoのBlog)
新潟で活動する総合診療医、家庭医療専門医、リハビリテーション科専門医、産業医であるDr.Gawasoが、日々の診療に役立つ医療・医学・健康情報を分かり易くまとめたサイトです。

 

研修内容の特徴

(1)6日間50時間の研修であり、修了者は日本医師会への申請により「日本医師会認定産業医」の資格が得られる

(2)産業医学の各分野にわたる産業医大専任教員による充実した内容の研修会である。

(3)企業や労働者を取り巻く環境の変化によって生じる新たな課題に対応した最新の内容を盛り込んでいる。

 

 

方法2:日本医師会の研修を受けて産業医になる

・日本医師会は、産業医の資質向上と地域保健活動の一環である産業医活動の推進を図るために、所定のカリキュラムに基づく「産業医学基礎研修50単位以上を修了した医師、または、それと同等以上の研修を修了したと認められる医師」「日本医師会認定産業医」の称号を付与しています。

・有効期間5年間のうちに、産業医学生涯研修20単位以上を修了した医師のみ資格更新ができます。

産業医基礎研修(産業医活動を行うために必要な基本的知識・技術を修得する研修修了による資格取得

・前期研修(14単位以上)…総論、健康管理、メンタルヘルス対策など

・実地研修(10単位以上)…職場巡視などの実地研修、作業環境測定実習など

・後期研修(26単位)…地域の特性を考慮した実務的、やや専門的、総括的な研修

 

「産業医科大学産業医学基本講座」修了による日医認定産業医の取得

・「産業医科大学産業医学基本講座」修了者は日本医師会への申請により「日本医師会認定産業医」の資格が得られる。

注)「産業医科大学産業医学基本講座」修了者は医師会認定産業医を申請しなくても、産業医の資格はあり、産業医としての業務は可能

 

申請方法:

1.修了認定の日から5年以内に1回限り申請ができます。

2.手続き

・次の書類に審査・登録料10,000円を添えて所属の都道府県医師会(医師会員でない医師は勤務地の都道府県医師会)に提出して下さい。

①認定産業医新規申請書:書類は都道府県医師会に用意してあります。

②医師免許証の写(医師会員は不要)

③「産業医学研修手帳(Ⅰ)」:基礎研修50単位以上のカリキュラムを修了したことが証明されていること)

または「産業医科大学産業医学基本講座修了認定書」、「産業医科大学産業医学基礎研修会集中講座修了認定書」など

 

「日本医師会認定産業医」の更新に必要な研修:

有効期間5年間のうちに、産業医学生涯研修20単位(時間)以上を修了した医師のみ資格更新ができます。

5年間で下記研修、計20単位(時間)以上必要

・更新研修(1単位以上)…労働衛生関連法規と関連通達の改正点などの研修

・実地研修(1単位以上)…職場巡視などの実地研修、作業環境測定実習などの実務的研修

・専門研修(1単位以上)…地域特性を考慮した実務的・専門的・総合的な研修

 

 

 

方法3:「労働衛生コンサルタント試験」に合格する

・こちらは主流のルートではなく、どちらかというと産業医になった後に「労働衛生コンサルタント」の資格を取得してキャリアの幅を広げるというケースの方が多いかもしれません。

・しかし、労働衛生コンサルタントの資格を取得した場合でも、産業医になるための用件を満たすことができます。

・厚生労働大臣が認めた労働衛生のスペシャリストとして、労働者の安全衛生水準の向上のため、事業場の診断・指導を行う国家資格(士業)です。

・厚生労働大臣が指定したコンサルタント試験機関である『(公財)安全衛生技術試験協会』が実施する「労働衛生コンサルタント試験」に合格し、厚生労働大臣が指定した登録機関である同協会に登録することで、労働衛生コンサルタントとして活動することができます。

・近年、労働衛生コンサルタント資格を有する産業医の企業の評価は高く、産業医としてのキャリアアップのための選択肢の一つといえます。

公益財団法人 安全衛生技術試験協会

 

・よりよい報酬や働き方のため、産業医取得後、労働衛生コンサルタントの資格を目指す医師も増えている傾向にあります。

・試験は一次試験が筆記試験、二次試験が口述試験となっています。合格率は例年およそ30%となっており、難易度は高いと言えるでしょう。

・筆記試験は通常、「労働衛生一般(択一式)」「労働衛生関係法令(択一式)」「健康管理(記述式)」の3科目です。医師である場合、科目免除の対象となっているため、「労働衛生関係法令」だけを受ければ良いです。

・また、日本医師会の「産業医学講習会」、産業医科大学の「産業医学基本講座」を修了した場合は、筆記試験の全科目の免除を受けることができます

 

一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会
一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会は、労働者の安全衛生水準の向上に寄与することを目的としています。

 

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産業医の職務内容

① 産業医が行うべき業務(法定)

・職場巡視

・衛生委員会に参加

・健康診断及びストレスチェックに関する労働基準監督署への報告書の確認

・職業性疾病を疑う事例の原因調査と再発防止に関与し、助言や指導を行う

 

② 産業医が行うことが適切な業務

・健康診断および面接指導の結果に基づき、就業上の措置に関する意見を述べる

・長時間労働に従事する労働者の面接指導を行う

・ストレスチェックの結果に基づき労働者の面接指導を行う

・健康診断及び長時間労働の面接指導、ストレスチェック等の健康管理に関する企画に関与し、助言や指導を行う

・診断書その他の健康情報を解釈、加工し、就業上の措置に関する意見を述べ、治療と就業の両立支援等の労務管理に活用する

 

産業医の意見・勧告に関する項目

安衛法第13条第5項
産業医は、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができる。
この場合において、事業者は、当該勧告を尊重しなければならない

 

参考:

日本医師会認定産業医制度「産業医契約書の手引き」

(職務内容)
第 2 条 乙は、本事業場において労働安全衛生規則第 14 条第 1 項及び第 15
条第 1 項が規定する職務並びにこれに付随する職務のうち以下のものを行
う。
① 職場巡視を行うこと
② 衛生委員会又は安全衛生委員会の委員として意見を述べること
③ 健康診断及び面接指導の結果に基づき就業上の措置に関する意見を述
べること
④ 健康診断及びストレスチェックに関する労働基準監督署への報告書を
確認し、署名・捺印をすること
⑤ 健康診断、長時間労働の面接指導、ストレスチェックその他の健康管理
に関する企画に関与し、助言や指導を行うこと
⑥ 診断書その他に記された労働者の心身の状態の情報を解釈し、加工し、
就業上の措置に関する意見を述べること
⑦ 職業性疾病を疑う事例の原因調査と再発防止に関与し、助言や指導を行
うこと
2 甲は、乙に対し労働安全衛生規則第 14 条第 1 項が規定する以下の面接指
導等を行うことを依頼することができる。
① 長時間労働に従事する労働者の面接指導
② ストレスチェックの結果に基づく労働者の面接指導
③ 職場復帰の支援等をはじめとする治療と仕事の両立支援
④ 労働者からの健康相談
3 甲は、乙に対し第 1 項及び第 2 項の各号に定めるもの以外の職務を行う
場合は、甲乙協議の上、別に定める。

 

 

参考)自身が所属する病院、あるいは医療法人の産業医就任について

・就任することは可能。

・ただし「労働安全衛生規則第13条第2項」に、「産業医は、事業場の運営について利害関係を有する、法人代表者、事業者、事業場の統括管理者以外の者のうちから選任する」と定められているため、理事長や病院長はその医療機関の産業医になることはできない。

 

産業医のスキルアップ

1)日本医師会認定産業医の更新単位研修

・5年間で20単位取得で更新は可能

産業医のスキルアップ(研修会検索):日本医師会

 

2)産業医学振興財団が実施する産業医研修に参加する

財団が主催する講習会

 

 

産業医学専門医制度

Step1:産業衛生専攻医となる

・産業医資格を取られた先生方に産業医としてのサブスペシャリティである「産業衛生専門医」を目指されてはいかがでしょうか(産業医活動のために必須のものでありません)

・産業衛生専門医となるには、産業衛生専攻医試験に合格し、専攻医として、指導医の下で研修施設における9単位以上の産業医研修を修了した後、専門医試験を受験し合格することで取得できます。

・つまり専攻医試験は専門医試験を受験するための前段階であり、専攻医試験に合格された場合は、できるだけ速やかに研修施設において指導医の下で産業医としての修練を開始して頂く必要があります。

・今後、産業医業務をご専門にお考えの場合は受験されることをお勧めいたします。

 

受験資格

産業衛生専攻医資格試験を受験するためには、以下のすべてを満たしている必要があります。
1.初期臨床研修の修了若しくは相当する臨床医学の経験を有していること

2.産業医学に関する基礎研修を修了していること(以下が該当)
(ア) 日本医師会認定産業医制度基礎研修会の修了
(イ) 産業医科大学産業医学集中講座の修了
(ウ) 産業医科大学産業医学基本講座の修了
(エ) 産業医科大学医学部卒業および産業医学総合実習の修了

3・日本専門医機構の認定する専門医資格を有する者(平成29年4月以降に初期臨床研修を終了された方のみ)

 

注)「社会医学系専門医」を取得した者は、専攻医試験免除とし、かつ専攻医登録資格を有する。

 

Step2:産業医実務研修を受ける

・専門医試験の受験資格取得のためには、研修施設または研修協力施設において、 指導医の下で最低9単位(単位の詳細については別に定める)の実務研修を修了し、 受験時の産業医能力の要求水準に到達していることが必要である。

・「社会医学系専門医取得者」は専攻医試験免除で専攻医登録が可能で、 主分野が産業・環境であった者は申請時に6単位を付与し、 主分野が産業環境以外の者および経過措置社会医学系専門医及び指導医は、申請時に3単位を付与する。

・実務研修の単位認定有効期間は、産業衛生専攻医登録日以降の期間とする。

・専攻医が1年間で取得可能な単位上限は3単位まで

 

名簿 - 日本産業衛生学会 専門医制度委員会
日本産業衛生学会専門医制度委員会が開設している専門医制度に関する産業衛生学会の会員のみが閲覧可能な名簿です。

Step3:日本産業衛生学会専門医

以下の要件を全て満たす者は日本産業衛生学会専門医受験資格あり

日本産業衛生学会専門医受験資格

・専攻医試験に合格し、専攻医手帳を持っている(専攻医登録をしている)

・指導医の下で研修施設における9単位以上の産業医研修を修了している(→ Step 2)

・医歴5年以上

・学会発表、産衛雑誌発表、GPS発表 1例以上

・『基本領域専門医を持っている』 又は『「基本領域専門医を持っている」 かつ「 社会医学系基本プログラムを修了している」』

 

社会医学系基本プログラム

・社会医学系専門医が持つべき8つの能力を習得するために必要な「公衆衛生総論」「保健医療政策」「疫学・医療統計学」「行動科学」「組織経営・管理」「健康危機管理」「産業・環境保健」のそれぞれに関する基本的な知識を学ぶためのプログラムです。

・協会に参加する各学会総会・学術集会等の場で研修会が開催される(1日間7時間程度)

 

専門医研修

・実務研修の単位認定有効期間は、産業衛生専攻医登録日以降の期間とする。

・専攻医が1年間で取得可能な単位上限は3単位まで

・手帳の有効期間を5年とし、1回のみ更新を認める
(最大有効期間10年)

9単位以上 必要

産業医実務の単位
週1日x1年を1単位
(週3日x1年であれば3年で修了)

 

補助単位
①学会出席 0.2単位/回
②指定セミナー参加 0.2単位/回(産業医学基本講座は1単位)
③学会発表 0.3単位/回
④JOHなどの査読 0.2単位/回
但し、これらの補助単位は1年間で最大2単位まで取得可能とする

 

事業場との出会い方

・所属する医療機関や大学を通じて

・地域の医師会を通じて

・地域産業保健センターを通じて

・健診機関(労働衛生機関)を通して

・医師人材紹介会社を通して

・個人の人脈で(産業医事務所開業を含む)

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