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筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)

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疾患

・筋痛性脳脊髄炎(Myalgic Encephalomyelitis: ME)/慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome:CFS)は、これまで健康に生活していた人がある日突然原因不明の激しい全身倦怠感に襲われ、それ以降強度の疲労感と共に、微熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、脱力感、思考力の障害、抑うつ症状などが長期にわたって続くため、健全な社会生活が送れなくなるという疾患

・発症のメカニズムは不明だが、感染症への罹患とその後の免疫機能の異常が、遺伝子要因や精神・社会的要因と絡み合い、病気の進展や継続に関係していると考えられている

・「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後の後遺症」としても注目されている

 

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筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の臨床症例定義(カナダ基準、2003)

① 身体的、精神的疲労感、24時間の休息で軽快しない疲れ

② 疼痛(頭痛、筋肉痛、関節痛など)

③ 睡眠障害(熟睡感がない、寝付けないなど)

以上に加え、

・神経または認知の異常(精神的混乱、記憶の低下、集中力の低下など)

・自律神経機能異常(起立性低血圧、吐き気、過敏性腸症など)

・神経内分泌機能異常(気候変動への適応異常、食欲低下など)

・免疫機能異常(発熱、咽頭炎、リンパ節の腫脹など)

などのカテゴリーから、2つ以上の症状を示すことが必須である。

 

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慢性疲労との違い

・ME/CFSは「強烈な全身倦怠感」が「回復せず」に「日常生活が著しく困難になる」疾患で、一般的な慢性疲労とは全く異なる状態である

・厚生労働省研究班の調査では、日本における人口の約0.1~0.3%(8~24万人)の患者がいるのではないかと言われている

 

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の問題点

ME/CFSは、症状に耐える苦しさだけでなく、周囲の人たちに「サボっている」と誤解されるつらさや、働けないことによる経済的な不安がストレスとなり、症状がさらに悪化している例も多くあります。
客観的な検査方法も確定しておらず、また診断を確定することが難しいため、何年も診断がつかずに悩み続ける方もいます。

こんな症状が6ヶ月以上続いていませんか?
強い倦怠感を伴う日常活動能力の低下
例)全身倦怠感のため、社会生活や労働が出来ず、自宅にて休息が必要である。
※仕事や育児など、疲労の原因がはっきりしている場合は「慢性疲労」であり、慢性疲労症候群には当てはまりません。
活動後の強い疲労・倦怠感
例)短時間であれば、日常生活における活動は可能であるが、その後に激しい疲労感に襲われ、1日以上横になって休息が必要である。
※活動とは、身体活動だけでなく精神的ストレスや脳疲労を含む
睡眠障害、熟睡感のない睡眠
認知機能の障害
例)思考力や記憶力とともに、注意力、集中力などの低下がある。
起立性低血圧や起立性頻脈(起立性調節障害)
例)立ちくらみや起立時の動悸、頻脈、血圧低下など。5分以上たっていることが難しいこともある。
これらの症状が6か月以上持続ないし再発を繰り返している場合は、ME/CFSが疑われます。

 

対症療法

・漢方

・神経障害性疼痛緩和薬

・鎮痛補助薬

・ビタミン薬

・和温療法

・経頭蓋磁気刺激療法

・上咽頭擦過療法

 

 

 

総合診療 2021年 3月号

特集 ライフステージでみる 女性診療 at a glance! よくあるプロブレムを網羅しピンポイントで答えます

 

 

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