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腹部超音波検査の「カテゴリーおよび判定区分」

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参考:『カテゴリー分類』とは

・「がん発見」のための診断基準であるが,超音波検査で認められる所見の集約でもある。

・「各臓器の最高位のカテゴリー」をその臓器のカテゴリーとして記載する

 

カテゴリー分類

カテゴリー0:描出不良)

装置の不良,被検者・検者の要因などにより判断不能の場合。

 

カテゴリー1 :異常なし

異常所見はない。

 

カテゴリー2 :良性

明らかな良性病変を認める。正常のバリエーションを含む。

 

カテゴリー3 :良悪性の判定困難(→腫瘤))

良悪性の判定困難な病変、あるいは悪性病変の存在を疑う間接所見を認める。高危険群を含む。

 

カテゴリー4 :悪性疑い(→腫瘍)

悪性の可能性の高い病変を認める。

 

カテゴリー5 :悪性(→腫瘍)

明らかな悪性病変を認める。

 

注)

・超音波画像上,判定区分がD2 以上に相当する所見を認めるが,精査の結果良性と判断されている病変については,当該カテゴリーにダッシュを付けて表示し [例:0′,2′,3′,4′など] 、判定区分はCとする。

 

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② 『超音波所見(結果通知表記載)』とは

・超音波画像所見の内容を受診者に知らせるための簡略化した表示名

・結果通知表には超音波所見を記載する。

カテゴリー4, 5の場合には『腫瘍』 、カテゴリー3の限局性病変は『腫瘤』と記載し,疑いを含む。

 

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③ 『判定区分』とは

・判定区分は原則として,超音波画像上の異常所見に応じてマニュアルに従って判定医が最終決定する。

・但し,超音波検査以外の検査結果や,前回所見との比較により,判定医による必要に応じた判定区分の変更は可能とする。

 

判定区分

A :異常なし
B :軽度異常
C :要再検査(3・6・12 か月)・生活改善
D:(要医療)
D1 :要治療
 D1P :要治療(緊急を要する場合)
D2 :要精検
 D2P :要精検(緊急を要する場合)
E :治療中

※破裂の可能性の高い腹部大動脈瘤や大動脈解離などのように緊急を要すると判定された場合は,

『D1P』『D2P』(P:パニック所見)と判定する。

 

(注)
・P:パニック所見,カテゴリー5 の病変については,速やかに判定医に報告する。
・胆管結石など緊急を要すべき所見を伴う場合には,速やかに判定医に報告する。
・判定区分Cは,これまで要経過観察という用語も使用していたが,経過観察の期間が不明であり,各施設での用語を統一する目的で,今回から『要再検査』と統一し,その際は具体的な期間を記入することとした。
・再検査の期間は 3・6・12 か月としたが,判定医の指示により変更も可能とする。
・再検査は,必要に応じ医療施設で行うが,再検査 12 か月は,翌年の検診受診を強く推奨するものとする。
・カテゴリー2′, 3′, 4′で判定区分Cとなっている場合には,12 か月後の逐年受診時の超音波検査の再検査
としてもよい。
・要再検査とした場合には,検査施行施設を具体的に指導することが望ましい。
・要精検とした場合には,精検施行施設や検査手法などを具体的に指導することが望ましい。
・脂肪肝で食事療法中や自施設・他施設を問わず(3・6・12 か月ごとに)再検査をしている場合(主膵管拡張・膵嚢胞など)は,判定区分をEではなくCとする。
・ほかの医療機関で精査後,その医療機関で経過観察を続けている場合は,判定区分をCまたはEとしてもよい。但し,がんの高危険群に対しては医療機関での検査内容を聞き取り,判定区分をD2 としてもよい。
・カテゴリー3 (良悪性の判定困難→腫瘤)の病変については,少なくとも過去 2 回以上の結果で経時変化がなければ,判定区分をCとしてもよい。
・限局性病変や管腔の径が,前回と比較して明らかに増大している場合は,必要に応じて判定区分をD2 としてもよい。
・臓器に萎縮がある場合は,既往歴や現病歴,治療歴を参照し判定を行う。

・全切除や部分切除,治療痕を認めた場合も,既往歴や現病歴を参照し判定を行う。

・適宜カラードプラを使用し,判定の補助に活用する。

・肝限局性病変については,HBV,HCV 感染や血小板減少(15 万/μL 未満)など,臨床生化学データで慢性肝疾患が疑われる場合は必要に応じて判定をD2 としてもよい。

・肝外胆管描出不良例で,胆道系酵素の異常を認める場合は,判定区分をD2 としてもよい。

 

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