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転移と逆転移(医療者-患者関係)

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「転移」と「逆転移」とは

・「転移」とは、患者が生活史で得た様々な無意識的な反応を治療の場に持ち込むことであり、「逆転移」とは、患者の転移に対する治療者の無意識的な反応である。

 

転移

治療者に向けられる転移の性質は、陽性転移と呼ばれるものと陰性転移の2つに分けられます。

陽性転移とは、治療者に対し肯定的・ポジティブな感情を示すことです。

転移感情の代表的なものとしては次のようなものがあります。

【代表的な陽性転移】

依存
信頼
愛情
あこがれ

これに対し、治療者に対しネガティブな感情を示すことは陰性転移と呼ばれます。

陰性転移の代表例としては次のようなものが挙げられます。

【代表的な陰性転移】

不信
敵意
嫌悪
恐怖
非難
軽蔑

 

逆転移

・逆転移とは治療者のクライエントに対する感情反応のことを指す。

・健康に過ごしている治療者も、母親や兄弟など家族に特別な思いを抱いているものであり、クライエントにその家族の姿を重ねてしまうことがありうる。

・例えば、中年の女性のクライエントに母親に重ねてしまい、母親が苦しみを吐露し、弱っていく姿を見たくないという思いから核心に迫ることが出来ず、治療が進展しないなどが考えられる。

・治療者の逆転移は、気づかれず、制御されない場合などは治療の障害となりうる。そのため治療者は自分を振り返り、治療場面で生じた感情が、自らの情緒的反応なのか、それとも逆転移なのかを精査する必要がある。

 

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