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過敏性肺炎、過敏性肺臓炎

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疾患

・過敏性肺炎とは、特定の抗原(鳥由来の蛋白や真菌など)を吸入して起こる免疫反応が原因のアレルギー性間質性肺炎である。

・細気管支から肺胞を主座とするびまん性間質性肺炎である

・生活環境に存在する抗原の反復吸入により感作され、III型およびIV型アレルギー反応を介して発症する。

・過敏性肺炎の原因となる抗原は100以上存在し、鳥関連過敏性肺炎、農夫肺、加湿器肺、夏型過敏性肺炎の順に頻度が高い。
(Lacasse Y. et al. Am J Respir Crit Care Med. 2003;168:952-958)

・臨床経過からは「急性」と「慢性」に分類されるが、ATS 2020 ガイドラインより、画像と病理から炎症と線維化の程度により「非線維性」と「線維性」に分類することが推奨された。

 

 

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原因抗原

鶏糞肥料使用 鳥排泄物
剥製 羽毛
羽毛布団使用 羽毛
間接暴露 近隣のハト、公園・神社・駅の野鳥
夏型過敏性肺炎 住宅 Trichosporon asahii
Trichosporon mucoides
住宅関連過敏性肺炎 住宅 Candida albicans, Aspergillus niger, Cephalosporium acremonium, Penicilliumなど
加湿器肺 加湿器使用 Aspergillus
flavus(?) Phoma herbarum(?)
農夫肺 酪農業 Saccharopolyspora rectivirgula
Thermoactinomyces vulgaris, Absidia corymbifera, Eurotium Amstelodami
トラクター運転 Rhizopus属
塗装工肺 自動車塗装 イソシアネート
小麦粉肺 菓子製造 小麦粉
キノコ栽培者肺 シイタケ栽培、エノキダケ栽培 シイタケ胞子

 

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分類

1 )急性過敏性肺炎

・原因抗原への濃厚な暴露による急性のエピソードを示す。

・急性型では抗原暴露から4-6時間で乾性咳嗽、発熱、呼吸困難が出現する。胸部聴診では両肺野にfine cracklesを聴取する。

 

2 )慢性過敏性肺炎

・少量の抗原を長期間にわたって吸入して発症する。急性のエピソードを欠き、潜行性に咳や、呼吸困難、体重減少などが進行する。抗原からの隔離でも症状の完全寛解は得られない。

・慢性型では、進行性に咳嗽や、呼吸困難、体重減少などが進行。進行例にはばち指が認められる。

 

検査所見

・血液検査:急性型では、白血球増多、CRP上昇、LDH上昇など。

・間質性肺炎マーカーであるKL-6、SP-Dが高値を示す。

・抗原に対する特異的IgG抗体が陽性となる。

・呼吸機能検査:拘束性換気障害と拡散障害を認める。

 

画像検査

・急性型では、胸部X線では中下肺野を主体とする均一で辺縁が不明瞭なびまん性粒状陰影を呈することが多いが、軽症例ではすりガラス陰影や、正常の場合もある。

・CTでは淡い肺野濃度の上昇や、淡い小葉中心性粒状影として認められる。慢性型では、特発性肺線維症と類似の進行性の線維化、蜂巣肺と肺容積の減少を認めるが、繊維化が上葉に強い。

 

気管支鏡検査

・急性型では、細胞数増加、リンパ球増加を認める。

・リンパ球比率は20%以上に上昇していることが多く、しばしば50%を超える

・CD4/CD8比は一般的に1.0以下となる。ただし農夫肺ではむしろ上昇する。

・慢性型ではリンパ球の増加は軽度で、CD4/CD8比は上昇する傾向にある。

・経気管支肺生検(TBLB)もしくはVATS(video-assisted thoracoscopic surgery)が確定診断には必須。

・TBLBでは、陰影のある場所から、5-7個の検体を採取する。壊死をともなわない類上皮肉芽腫、胞隔炎、マッソン体を認める。

 

診断

・特定の場所で症状が出現、繰り返す肺炎などの特徴的な病歴からまず過敏性肺炎を疑うことが重要。

・急性過敏性肺炎の本邦の診断基準

・診断においては症候が抗原回避により改善し、環境誘発により再燃することが重要である。

 

治療

・抗原回避:原因抗原の内容に関わらず、本症を疑った場合は、原則的に入院させる。

・抗原除去:予防の目的で重要。夏型過敏性肺炎では、日当たりや風通しの悪い場所を中心に畳替をふくむ大掃除を行う。

・加湿器肺では、フィルターの交換や器材を清潔にする。

・鳥関連過敏性肺炎では、羽毛布団の使用や、鳥の飼育などをやめさせる。

・農夫肺では防塵マスクを使用する。

・急性型の軽症例は入院のみで軽快する。

・中等症以上には短期的に副腎皮質ステロイド

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