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鉛(鉛中毒予防規則中毒)

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原因

・経気道(粉塵、フューム)が主(蓄電池製造、クリスタルガラス製造、七宝焼き、塩化ビニル加工)

・鉛入りの塗料を飲み込むこと、不適切な鉛の釉薬(ゆうやく)をかけた輸入陶磁器での飲食

 

 

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病態

・吸収された鉛の99%が赤血球に結合し、長期間留まる(半減期35日程度)

・赤血球のδ‐アミノレブリン酸脱水素酵素の阻害によるヘム合成抑制

・プロトポルフィリンからヘムへの代謝も阻害するため、赤血球中のプロトポルフィリンの増加と尿中コプロポルフィリン(プロトポルフィリンの代謝産物)が増加する

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鉛中毒の生物学的モニタリング法

・血液中の鉛濃度測定

・赤血球中のδ-アミノレブリン酸脱水酵素阻害による酵素活性の低下

・その器質である血中、尿中δ‐アミノレブリン酸上昇

・またプロトポルフィリンからヘムへ合成するヘム合成酵素も阻害するため、赤血球中のプロトポルフィリンの増加と尿中コプロポルフィリン(プロトポルフィリンの代謝産物)が増加する

 

鉛の作用点

・鉛はデルタアミノレブリン酸(δ‐アミノレブリン酸)をコプロポルフィリノーゲンに変換するδ-アミノレブリン酸脱水酵素を阻害する。

・そのため、血中、尿中δ-アミノレブリン酸濃度が上昇する

・またプロトポルフィリンからヘムへ合成するヘム合成酵素も阻害するため、赤血球中のプロトポルフィリンの増加と尿中コプロポルフィリン(プロトポルフィリンの代謝産物)が増加する

 

参照(このサイトより引用):https://kusuri-new.link/category18/entry483.html

 

 

症状

・3徴:貧血、腹部疝痛(鉛疝痛)、神経症状

・低色素性小球性貧血(δ-アミノレブリン酸脱水酵素による)

中枢神経障害

・認知障害、腹部痙攣,便秘,振戦,気分変化

・伸筋麻痺(橈骨神経麻痺による垂れ手、下垂足)

腎臓障害

・鉛縁(Bruton’s line):歯肉の青み掛かった、または灰色の色素沈着。鉛が口腔内細菌の代謝物と反応することで生じる。

診断

血算

・小球性貧血

・特に網状赤血球数増多

・赤血球に好塩基性斑点が出現

 

 

 

 

治療

鉛源の除去(例,鉛が消化管にある場合全腸管洗浄)
中毒症状がありPbBが70μg/dLを超える成人ではキレート化
脳症が認められるか,またはPbBが45μg/dL(2.15mmol/L)を超える小児ではキレート化
全ての患者において,鉛源を除去する。鉛の小片が腹部X線上でみられる場合は,繰り返しの腹部X線で鉛がみられなくなるまで,ポリエチレングリコール電解質溶液を用いて成人で1~2L/時,小児で25~40mL/kg/時で全腸管洗浄を行う。そのような大量の投与には経鼻胃管による投与が必要になることがあり,気道を保持するように注意する必要がある;挿管が必要になる場合がある。弾丸が原因の場合は,外科的除去を考慮すべきである。PbBが70μg/dL(3.40μmol/L)を超える小児,および神経症状を呈する全ての患者は,入院させるべきである。急性脳症患者はICUに収容する。

キレート剤(例,サクシマー[succimer][メソ-2,3-ジメルカプトコハク酸],CaNa2EDTA,ジメルカプロール[British Anti-Lewisite,BAL])を投与し,鉛に結合させて排泄可能な形にする場合もある。キレート療法は,経験豊富な毒物学者が監視すべきである。キレート療法は,中毒症状があることに加えてPbBが70μg/dLを超える成人,および脳症を認めるかまたはPbBが45μg/dL(2.15μmol/L)を超える小児に対して,適応となる。肝疾患および腎疾患は,キレート剤に対して相対的禁忌である。キレート化により鉛の消化管吸収が増加する可能性があるため,鉛曝露が継続している患者に対してはキレート剤を投与してはならない。キレート化で除去されるのは,比較的少量の金属のみである。鉛の身体への総負荷が非常に大きい場合は,多年にわたる複数回のキレート化が必要になることがある。

 

鉛則の特殊健康診断

・事業者は、鉛業務に常時従事する労働者に対し、雇入れの際、当該業務への配置替えの際及びその後6月以内ごとに1回、定期に、次の項目について、医師による健康診断を行わなければならない。

一 業務の経歴の調査

二 作業条件の簡易な調査

三 鉛による自覚症状及び他覚症状の既往歴の有無の検査並びに第五号及び第六号に掲げる項目についての既往の検査結果の調査

四 鉛による自覚症状又は他覚症状と通常認められる症状の有無の検査

五 血液中の鉛の量の検査

六 尿中のデルタアミノレブリン酸の量の検査

・健康診断(6月以内ごとに一回、定期に行うものに限る)は、前回の健康診断において血液中の鉛の量の検査及び尿中のデルタアミノレブリン酸の量の検査に掲げる項目について健康診断を受けた者について、医師が必要でないと認めるときに、その項目について省略できる

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