CPの愛称「人生会議」に決定、11月30日は「人生会議の日」
静岡の現役看護師が応募、「食卓の場で話せるくらい身近に」
「厚労省の「人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」は今年3月、ACPの普及・啓発の必要性などを盛り込んだ取りまとめを作成。同省はリーフレットなどでACPの普及を進めてきたが、「経済財政運営と改革の基本方針2018」でACPの「国民になじみやすい名称の一般公募・選定」を求めるなど、知名度が低い課題があった(『ACPの愛称公募に1070件、11月に決定』を参照)。
「人生会議」は聖隷浜松病院(静岡県浜松市)の現役看護師、須藤麻友氏が応募。須藤氏は、「日々の仕事の中で、患者さん自身が『どう最期を迎えたい』と考えているのかを、意思表示ができるうちに医療従事者に話してほしいと思うようになった」と述べ、「食卓の場など身近な場面でも話せるくらいACPが浸透してほしい」と「人生会議」に込めた思いを説明。「縁起でもないことと避けるのではなく、人は皆いつか亡くなることを受け止め、元気なうちからもしもの時のことについて考えることが根付き、望む最期を迎えるようになってほしい」と訴えた。
座長の元NHKアナウンサーで国立成育医療研究センターもみじの家ハウスマネージャー、内多勝康氏は、「実際の看取りの現場では、周りの人と話し合って来た人の方が人生の選択がスムーズ」という委員の発言を受け、「皆が一緒に考えていいという空気づくりが大切」、「家族で『○○しようと』と言える愛称にしたい」などの意見を集約し、「人生会議」に決定したと説明。「『うちもそろそろ人生会議をやろうよ』というのが日常会話になるのを期待する」と述べた。
オレンジホームケアクリニック(福井市)代表の紅谷浩之氏は、「病気になると、人は『自分らしさ』を失って弱気になってしまうことがある」と現場での経験を話し、「大切なのは、結論を急ぐのではなく、過程をたくさん話すこと。これを重ねてきた人は、何かが起きた時も、『(元気な時なら)きっとこれを選ぶ』と自分を取り戻せる」と強調。「病気になる前から、事前指示の形ではなく、人生会議をしてほしい」と周囲の人との会話の重要性を訴えた。
映画「おくりびと」の脚本を務めた小山氏は、「映画の中に(葬式に関して)『人間、人生最後の買い物は他人が決めるのよ』というセリフがあったが、ACPが普及したら変なセリフになるんだろうなと思った」と述べ、「人生会議、テレビ番組のトークショーにもなるのではないか。おくりびとの次の作品をという話もあるので『おくられびと』で、サブタイトルを人生会議にしても良いのではと考えてしまった」と意欲を見せた」
だって・・・
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