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急性胆管炎・胆嚢炎(診断基準、重症度判定基準、治療)

参考ガイドライン

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急性胆管炎、急性胆嚢炎の診療で共通する原則

初期評価、対応
① 血培2セット採取
② エコーで胆嚢腫大や胆管拡張の有無の確認
③ 造影CTの検討
④ 輸液、抗菌薬、鎮痛薬投与
⑤ 呼吸、循環モニタリングと臓器サポート
抗菌薬の選択
GradeⅠ:
・アンピシリン・スルバクタム(スルバシリン®)1回3g 1日4回6時間毎
GradeⅡ:
・ピペラシリン・タゾバクタム(タゾピペ®)1回4.5g 1日4回6時間毎
GradeⅢ:
・緑膿菌、腸球菌も考慮
・セフェピム(マキシピーム®)1回1~2g 1日3回8時間毎+メトロニダゾール(アネメトロ®)1回500㎎ 1日3回8時間毎
・メロペネム(メロペン®) 1回1g 1日3回8時間毎

① 急性胆管炎

※胆管結石、急性胆管炎合併例は、まずは「消化器内科」にコンサルトする

 

急性胆管炎の診断基準(TG2018)

A.全身の炎症所見

A-1. 発熱(悪寒戦慄を伴うこともある)

A-2. 血液検査:炎症反応所見

B.胆汁うっ滞

B-1.黄疸

B-2.血液検査:肝機能検査異常

C.胆管病変の画像所見

C-1.胆管拡張

C-2.胆管炎の成因:胆管狭窄、胆管結石、ステント、など

 

確診:Aのいずれか+Bのいずれか+Cのいずれかを認めるもの
疑診:Aのいずれか+BもしくはCのいずれかを認めるもの

 

急性胆管炎重症度判定基準

重症急性胆管炎(GradeⅢ)

急性胆管炎のうち,以下のいずれかを伴う場合は「重症」である。

・循環障害(ドーパミン≧ 5 μg/kg/min,もしくはノルアドレナリンの使用)
・中枢神経障害(意識障害)
・呼吸機能障害( PaO2 / FiO2 比< 300)
・腎機能障害(乏尿,もしくは Cr > 2.0 mg/dL)
・肝機能障害(PT─ INR > 1.5)
・血液凝固異常(血小板< 10 万 /mm 3)

中等症急性胆管炎(GradeⅡ)

初診時に,以下の 5 項目のうち 2 つ該当するものがある場合には「中等症」とする。
・WBC > 12,000,or < 4,000 /mm 3
・発熱(体温≧ 39 ℃)
・年齢(75 歳以上)
・黄疸(総ビリルビン≧ 5 mg/dL)
・アルブミン(<健常値下限× 0.73 g/dL)
上記の項目に該当しないが,初期治療に反応しなかった急性胆管炎も「中等症」とする。

軽症急性胆管炎(GradeⅠ)

急性胆管炎のうち,「中等症」,「重症」の基準を満たさないものを「軽症」とする。

② 急性胆嚢炎

・急性胆嚢炎の90~95%は胆石が原因。

・直接ビリルビン優位の高ビリルビン血症(閉塞性黄疸パターン)を認める場合は急性胆管炎を合併している可能性があるため、エコー、MRCP、超音波内視鏡などによる検査が必要。

 

急性胆嚢炎診断基準(TG2018)

A.局所の臨床症状

A-1. Murphy’s sign
A-2. 右上腹部の腫瘤触知・自発痛・圧痛

B.全身の炎症所見

B-1. 発熱
B-2. CRP値の上昇
B-3. 白血球数の上昇

C.急性胆嚢炎の特徴的画像検査所見

胆嚢腫大(長径8㎝以上、短径4㎝以上)、胆嚢壁肥厚(4mm以上)、胆嚢結石、胆嚢周囲液体貯留、胆嚢周囲膿瘍、胆嚢内sludge(胆泥)・debris(胆砂)像、sonographic Murphy’s sign

確診:Aのいずれか+Bのいずれか+Cのいずれかを認めるもの
疑診:Aのいずれか+Bのいずれかを認めるもの

 

急性胆囊炎の重症度判定基準

重症急性胆嚢炎(Grade Ⅲ)

以下のいずれかを伴う場合は 「重症」 である

循環障害(DOA≧5γ または NADの使用)
中枢神経障害(意識障害)
呼吸機能障害(PaO₂/FiO₂ 比 < 300)
腎機能障害(乏尿 または Cr > 2.0mg/dl)
肝機能障害(PT-INR > 1.5)
血液凝固障害(血小板 < 10万/mm²)

中等症急性胆嚢炎(Grade Ⅱ)

以下のいずれかを伴う場合は 「中等症」 である

白血球上昇 (>18,000/mm³)
右季肋部の有痛性腫瘤触知
症状出現後72時間以上の症状の持続
顕著な炎症所見 (壊死性胆嚢炎、 胆嚢周囲膿瘍、 肝膿瘍、 胆汁性腹膜炎、 気腫性胆嚢炎など)

胆嚢は腫大し、胆嚢周囲および肝に進展した膿瘍を認める

軽症急性胆嚢炎(Grade Ⅰ)

「中等症」 「重症」 の基準を満たさないもの

 

注1)肝硬変、慢性腎不全、抗凝固療法中は別途参照

注2)急性胆嚢炎と診断後、 直ちに重症度判定基準を用いた重症度判定を行う。非手術的治療を選択した場合重症度判定基準を用いて24時間以内に2回目の重症度を判定し、以後は適宜、判定を繰り返す

 

検査、治療(まずは「外科」にコンサルトして指示を仰ぐ)

・耐術可能で、特に胆嚢結石による急性胆嚢炎の場合は、治療の基本は早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術であり、速やかに外科にコンサルトすべきである。
・手術のタイミングは、急性胆嚢炎合併例は早期(可能であれば72時間以内、おそくても1週間以内)の腹腔鏡下胆嚢摘出術が推奨される
・しかし、高齢、抗血栓薬内服、凝固異常、他の併存疾患などにより手術がためらわれる場合は、各種胆嚢ドレナージを中心とした内科的治療が選択肢となるため、消化器内科へのコンサルトを考慮する。
外科か内科で迷ったら、まずは外科へコンサルトし手術に必要な情報を提供する
<内科紹介例>
・高齢、全身状態不良等の手術困難例
・胆管結石、急性胆管炎合併例
・DIC、抗血栓薬多剤内服などの凝固異常例
・無石性胆嚢炎例(胆嚢管癌や胆嚢頚部癌などの悪性腫瘍の否定が必要な場合)
<抗菌薬の選択>

※ 血培採取、迅速なドレナージ、抗菌薬投与が基本
・原因微生物と治療薬
市中発症:
腸内細菌(大腸菌、クレブシエラ)、嫌気性菌(バクテロイデス)等
→セフメタゾール(第2世代)、セフトリアキソン+メロトニダゾール、アンピシリン・スルバクタム

重症の場合や免疫不全、医療関連感染症の場合:
SPACEの菌、腸球菌(特にE.faecum)
→抗緑膿菌作用薬+バンコマイシン

 

無症候性胆嚢結石の治療方針

・健診などで偶発的に発見された無症候性の胆嚢結石には治療適応はない

胆石発作による有症状例は手術適応である

・また充満結石などで胆嚢壁の評価が困難な場合や、癌の疑いがある胆嚢壁肥厚を認める場合も、無症候であっても手術を考慮すべきである

 

抗菌薬ドリル 実践編〜臨床現場で必要な力が試される 感染症の「リアル」問題集
 

 

 

 

 

 

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