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帯状疱疹(所見、検査、治療と注意すべき副作用)

疾患

・日本人成人の 90%以上が帯状疱疹になる可能性があり、80 歳までに 3 人に 1 人が発症すると言われている(決してまれな疾患ではない:国立感染症研究所 感染症疫学センター IASR. 2013, 34, p. 298-300.)

 

 

検査

Tzanck試験
1.小水疱の底部および側面から擦過して検体を採取
2.清潔なガラスの上に乗せる
3.ライト染色またはギムザ染色で染色

4.油液浸レンズを使って顕微鏡検査。(多核巨細胞があれば陽性)

 

参照(このサイトより引用):https://www.jmedj.co.jp/premium/treatment/2017/d140402/

Tzanck試験

 

 

顔面の帯状疱疹

帯状疱疹の約17%は顔面に発症する。

Hutchinson徴候(三叉神経第一枝領域)

・三叉神経第1枝領域の帯状疱疹による鼻背、鼻尖部の発疹。

眼症状合併の頻度が高い徴候。

・三叉神経第1枝(眼神経)は、上側の滑車上神経と下側の鼻毛様体神経の2本の分枝からなる。

・鼻背部の滑車上神経は結膜にも分布しており、鼻尖部の鼻様体神経は角膜、強膜、虹彩、毛様体にも分布しているため、この部分に皮疹がみられた場合、眼症状を合併する頻度が高くなる。

・この所見をみとめたら、眼科医への紹介が必要

 

参照(このサイトより引用):http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000034.html

 

 

治療

1)バラシクロビル(バルトレックス®)500㎎錠、50%顆粒(500㎎/g)

・成人および体重40㎏以上の小児:1回1000㎎、1日3回 7日間まで

※バラシクロビルは腎排泄型であり、腎機能障害時は「クレアチニンクリアランス」によって調整する必要がある(eGFRではない)

バルトレックス 腎機能

 

※ クレアチニンクリアランス(mL / min)推算式(Cockcroft-Gaultの式)
(体表面積の補正なし)
「性別」「年齢」「体重」「クレアチニン値」が必要(身長は不要)
・ 男性:(140-年齢)× 体重 /(72 × 血清クレアチニン値)

・ 女性:0.85× (140-年齢)× 体重 /(72 × 血清クレアチニン値)

 

※ eGFR・CCrの計算

eGFR・CCrの計算 | 日本腎臓病薬物療法学会

 

2)アシクロビル(ゾビラックス®)400㎎錠

・1回800㎎、1日5回内服

・「本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがあるので、投与間隔又は投与量を調節し、患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。また、本剤の投与中は適切な水分補給を行うこと。」

・腎障害時の補正

クレアチニンクリアランス(mL/min/1.73m2)体表面積の補正あり

<10:1回800㎎ 1日2回

10~25:1回800㎎、1日3回

>25:1回800㎎ 1日5回

 

※ eGFR・CCrの計算

eGFR・CCrの計算 | 日本腎臓病薬物療法学会

 

アシクロビル脳症

・アシクロビル(ACV) およびそのプロドラッグであるバラシクロビル(VACV)により誘発される精神神経症状である。

・ACV 脳症は高齢者、腎不全患者、その他の神経毒性を有する薬剤の使用患者に多くみられ、ACV の用量依存性に生じるとされている。

・ACV および VACV は腎機能に応じて投与量を減量することが推奨されているが、規定の用法用量を遵守したにも関わらず、ACV 脳症を発症する症例が散見される。

・意識障害、不随意運動(振戦,ミオクローヌスなど)、幻覚といった多彩な症状が薬剤投与開始から 24~72 時間後に出現する。

 

予防接種

・帯状疱疹ワクチンには、「ビケン製の生ワクチン」と「シングリックス@」の2種類があります。

「ビケン」製の帯状疱疹ワクチン

・弱毒化された生きたウイルスが含まれる「生ワクチン」。

・小児に使用する水痘ワクチンだが、2016年から帯状疱疹予防として認可された。

・生ワクチンなので、1回接種のみ。

・他のワクチンとの接種間隔については不活化ワクチン(インフルエンザワクチン・肺炎球菌ワクチンなど)は接種間隔の制限なし。

 

※ 新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンは、同時に接種できない。

新型コロナワクチンとその他のワクチンは、お互い片方のワクチンを受けてから2週間後に接種でききる。

※ 他の生ワクチン(BCG、MR[麻疹・風疹ワクチンなど])は27日あけて接種可能

 

シングリックス

・帯状疱疹を予防するために独自に開発されたワクチンで、サブユニットワクチン。

・ウイルス表面タンパクの一部を抗原とした組換えワクチンで、生ワクチンではない。

・筋肉注射

・2か月後に2回目の接種が必要

 

「従来の帯状疱疹ワクチン」と「シングリックス」の違い

・ シングリックスのほうが独自に開発されたこともあり、高価(2回接種で合計40000円)
予防効果は「シングリックス」のほうが高い

・従来の帯状疱疹ワクチンの場合、同ワクチンにより帯状疱疹の発生率が51.3%減少、帯状疱疹後神経痛の発生率も66.5%減少。帯状疱疹の重症度も61.1%低下したと報告されている。

・その一方、帯状疱疹ワクチン(水痘ワクチン)の予防効果は接種後3~11年で予防効果が減弱すると報告している論文もある(Schmader KE, Levin MJ, et al : Clin Infect Dis 54:922-928,2012)

・シングリックスは従来のワクチン(水痘ワクチン)に比べ、帯状疱疹を予防する効果が高く、50歳以上で97.2%、70歳以上で89.8%の発症予防効果が認めらいる。
(Lal H. et al.: N Engl J Med. 372(22), 2087-2096, 2015)(Cunningham AL. et al.: N Engl J Med. 375(11), 1019-1032, 2016)

・また、発症予防効果が少なくとも9年間と長い(Schwarz TF. et al.: Hum Vaccin Immunother. 14(6), 1370-1377, 2018)

・つまり、「帯状疱疹を絶対に予防したい」と考えるなら、高価だが「シングリックス」を選択し、「少し心配だけどそこまでお金はかけたくない」と考えるなら「従来の帯状疱疹ワクチン」を選択する

 

感染皮膚科
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