2質問法(うつ病のスクリーニング)
・うつ病の主要な2つの症状である「抑うつ気分」と「興味または喜びの消失」の有無を“Whooley questions”(二質問法)(Whooley MA et al,1997)で確認する。
質問:
1.「この1ヶ月間、気分が沈んだり、憂うつな気持ちになったりすることがよくありましたか」
2.「この1ヶ月間、どうしても物事に対して興味がわかない、あるいは心から楽しめない感じがよくありましたか」
上記2質問のうち、どちらかひとつまたは両方に当てはまる場合にうつ病を疑う(両方当てはまる場合感度98%、特異度59%)
DSM-5 診断基準
A. 以下の症状のうち5つ以上が 2 週間存在して機能変化を起こしていること。(症状には 1または 2 が含まれることが必要)
⑴抑うつ気分
⑵興味・喜びの喪失
⑶体重減少/ 増加、食欲減退 / 増加
⑷不眠 / 過眠
⑸精神運動焦燥 / 制止
⑹疲労感、気力減退
⑺無価値観、罪責感
⑻思考力や集中力の減退、決断困難
⑼自殺念慮、自殺企図
B. 症状により臨床的、社会的に障害を引き起こしている。
C. 物質の影響、他の医学的疾患によるものでない。
D. 精神病性障害(統合失調症および類縁疾患)ではうまく説明できない。
E. 躁病 / 軽躁病エピソードが存在したことがない。
重症度
① 簡易抑うつ症状尺度(Quick Inventory of Depressive Symptomatology:QIDS-J)
・16項目の自己記入式の評価尺度で、うつ病の重症度を評価できるほか、アメリカ精神医学会の診断基準DSM-IVの大うつ病性障害(中核的なうつ病)の診断基準に対応している
・世界的精神科医John Rush氏によって開発され、世界10カ国以上で使用されている
採点方式
・「睡眠に関する項目(第1~4項目)」、「食欲/体重に関する項目(第6~9項目)」、「精神運動状態に関する2項目(第15、16項目)」は、それぞれの項目で最も点数が高いものを1つだけ選んで点数化する。
・それ以外の項目(第5(悲しい気持ち)、10(集中力/決断)、11(自分についての見方)、12(死や自殺についての考え)、13(一般的な興味)、14(エネルギーのレベル)項目)は、それぞれの点数を書き出す。
・うつ病の重症度は、睡眠、食欲/体重、精神運動、その他6項目を会わせて9項目の合計点数(0点から27点)で評価。
・0点 ~ 5点 正常
・6点 ~ 10点 軽度
・11点 ~ 15点 中等度
・16点 ~ 20点 重度
・21点 ~ 27点 きわめて重度
コメント