プッシュプル型換気装置

・プッシュプル型換気装置は、有害物資の発散源を挟んで、吹出し用と吸込み用の2つのフードを向き合って設置する方式の換気装置です。吹出しフードを「プッシュフード」、吸込み用フードを「プルフード」と呼ぶことから、プッシュプル型換気装置と言います。

・吸込み用フードだけの排気の場合、有害物質がフードに捕捉される前に横流れする危険がありますが、プッシュプル型換気装置では吹出しフードから緩やかな気流を捕捉気流と同じ方向に出すことで有害物質を吸い込み、フードの近くまで運ぶことができます。

・吸引するだけの局所排気装置と比べて広範囲の発散源を捕捉することができ、さらに局所排気装置より少ない風量で換気ができます。

・また、対象となる作業場の空間を仕切り等によって囲うことなく換気できるので、作業スペースを有効に使え、かつ作業者に対しても開放感があり、作業性を損ないません。

プッシュプル型換気装置の性能

プッシュプル型換気装置を設置しても、有機溶剤の蒸気がしっかりと吸引されなければ
意味がありません。性能については以下の２項目に合致している必要があります。

●捕捉面（吸込み側フードから最も離れた位置の有機溶剤の蒸気の発散源を通り、かつ、気流の方向に垂直な平面）における気流が、各四辺形の中心点の平均値が 0.2ｍ/ｓ以上かつ、各中心点の風速が平均値の 0.5 倍以上、1.5 倍以下の値となること。

●換気区域と換気区域以外の区域との境界におけるすべての気流が、吸込み側フードの開口部に向かうこと。