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リウマチ熱

・リウマチ熱は、A群レンサ球菌(Group A streptococcus)の上気道感染の合併症として発生する急性の非化膿性炎症性疾患であり、関節炎、心炎、皮下結節、輪状紅斑、舞踏運動などを引き起こす。

・好発年齢は5歳~15歳の間が最も多い(この年齢はレンサ球菌咽頭炎の発症のピークである)

・ARFは3歳未満と21歳以降ではまれである。

・注目すべきは,GASによる咽頭感染症も身体のその他の部位(皮膚や軟部組織,骨や関節,肺,および血流)の感染症も溶連菌感染後糸球体腎炎を引き起こすことがあるにも関わらず,咽頭炎以外のGAS感染症からARFに至ることはない,ということである。同じ病原体による感染症から生じた合併症であるにも関わらず,このような明らかな違いがある理由はよくわかっていない。

・A群レンサ球菌(GAS)咽頭炎が急性リウマチ熱の先行する病因であるが,宿主側の因子および環境因子も重要である。GASのMタンパクは滑膜,心筋,心臓弁にみられるタンパクと共通のエピトープ(抗体に認識される抗原決定基となる部分)を有し,このことはリウマチ原性(rheumatogenic)の高い株のGAS抗原による分子擬態(molecular mimicry)が関節炎,心炎,および弁損傷に寄与していることを示唆している。

・宿主の遺伝的危険因子には,D8/17 B細胞抗原と特定の組織適合性抗原クラスIIなどがある。低栄養,過密環境,社会経済的地位の低さが,レンサ球菌感染とその後のリウマチ熱発症の素因となる。

 

【症状】

・GASの先行感染から2~3週間後に関節炎(75%)を発症し、その後1週間以内に弁膜炎などの心炎(50~60%)、輪状紅斑(0~12%)、PR間隔の延長(20%)を発症する。

 

輪状紅斑:

参照(このサイトより引用):https://www.dermatologyadvisor.com/home/decision-support-in-medicine/dermatology/erythema-marginatum-erythema-marginatum-rheumaticum-erythema-annulare-rheumaticum/

 

・3分の1の患者は先行感染を覚えておらず、先行感染がなくてもリウマチ熱は否定できない。

・関節炎は膝関節や股関節などの大関節に多く、1~3日で自然軽快し、移動性であること、NSAIDが著効することが特徴。

 

【診断】

<主(Major)>

心炎†

舞踏病

輪状紅斑

多関節炎

皮下結節

<副(Minor)>

多発性関節痛‡

赤沈亢進(> 60mm/時)またはC反応性タンパク値の上昇(> 30mg/L)

発熱(≧38.5℃)

PR間隔延長(心電図上)§

 

※注

・急性リウマチ熱を診断するには『主項目2つ』または『主項目1つと副項目2つ、およびA群レンサ球菌感染の証拠(臨床像からレンサ球菌咽頭炎が示唆される小児において,抗レンサ球菌抗体価[例,抗ストレプトリジンO抗体,抗DNase-B抗体]の高値または上昇,咽頭培養陽性,または迅速抗原検査陽性)』が必要となる。

・†心炎は症候性の場合と非症候性の場合がある。非症候性の心炎は,厳密な心エコー上の基準によって定義される。

・‡多関節炎が主症状であれば,多発性関節痛は診断に用いられない。

・§PR間隔は年齢によって補正し,また心炎が主症状であれば診断に用いられない。

 

【治療】

・治療には,アスピリンまたはその他のNSAIDの投与,重症心炎発生時のコルチコステロイド投与,残存するレンサ球菌の根絶と再感染防止のための抗菌薬投与が含まれる。

 

 

総合診療 2019年 11月号 特集 臨床写真図鑑 レアな疾患編 見逃したくない疾患のコモンな所見

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