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便秘(下剤の種類と使い分け)

慢性便秘症診療ガイドライン2017 
日本消化器病学会関連研究会慢性便秘の診断治療研究会 (編集)

 

 

 

 

 

 

※ まずは薬剤性便秘の除外

便秘を惹起しうる薬剤

・鎮痛薬:NSAIDs、麻薬

・抗コリン薬:鎮痙薬、抗うつ薬、抗精神病薬、抗パーキンソン病

・降圧薬:カルシウム拮抗薬、メチルドパ

・抗てんかん薬

・抗ヒスタミン薬

・利尿薬

・金属イオン(制酸薬、スクラルファート)

 

患者指導

「週3回以上排便があれば病的ではない」と伝える

(「機能性便秘」の定義は「週3回未満」の排便頻度)

・水分、食物繊維の十分な摂取

・適度な運動と骨盤底筋群強化

・朝は大腸の動きが活発になる時間帯であるため、朝食後は15~20分間トイレに座り、いきまずに排便するように指導する(胃結腸反射)。

 

薬剤の選択

・糖類下剤の「ラクツロース(ラグノス®︎)」や塩素イオン分泌刺激薬の「ルビプロストン(アミティーザ®︎)」「リナクロチド(リンゼス®︎)」、浸透圧下剤のPEG(ポリエチレングリコール)(モビコール®︎)などが基本。

・刺激性下剤は長期使用によって耐性が生じやすい。また消化管粘膜に色素が沈着し、偽性メラノーシスがみられることがる。

→刺激性下剤の使用は「短期入院時」や「大腸内視鏡検査前処置」など限られた場面で、短期間の使用に留める必要がある。

 

・毎日服用し便の硬さを調節した上で、刺激性下剤は3日から5日に1回ほどの頓服使用にとどめ、副作用を起こさない方向で進める。

 

第1選択:浸透圧性下剤

・酸化マグネシウム、ポリエチレングリコール(モビコール®)、ラクツロース(ラグノスゼリー®)

高齢者で慢性便秘の場合、酸化マグネシウムでは高マグネシウム血症をきたす危険性があるため、他の浸透圧性下剤に切り替える(ポリエチレングリコール製剤、ラクツロースなど)

 

① 塩類下剤

・作用発現には胃酸が必要であり、胃酸抑制薬を併用している患者ではより高用量が必要になる

 

酸化マグネシウム:効果発現8~10時間

・1日1~2g 分2~3または、就寝前1回

 

② マクロゴール:モビコール®(ポリエチレングリコール)

成人(12歳以上):高齢者や腎機能障害では第1選択

高齢者、心機能障害、腎機能障害例でも使いやすい

・約60mLの水に溶解する必要性があり、また塩味がある

・初回1日1回、LD2包(またはHD1包)。以降症状に応じて1日1~3回、

最大1日LD6包(HD3包)まで

・通常LD1回2包 1日2回

・増量は2日以上間隔をあけて、増量幅は1日LD2包(HD1包)まで

小児(2~12歳未満):小児では第1選択

・1日1~3回、最大1日LD4包(HD2包)

 

③ 糖類下剤結晶ラクツロースゼリー製剤(ラグノス®NF経口ゼリー)

・効果発現24~48時間

・1回2包(24g) 1日2回から開始、最大1日6包(72g)まで

 

第2選択:上皮機能変容薬(アミティーザ®、リンゼス®)

ルビプロストン(アミティーザ®)

・効果発現24時間以内

・上皮機能変容薬

・服用開始後に嘔気がみられることが多いため、1日1回夕食後12~24µgから開始

・妊婦には禁忌、肝機能障害、腎機能障害例には慎重投与

・1週間~10日間程で通常量(1回24µg 1日2回)に増量すると副作用が軽減される。

 

リナクロチド(リンゼズ®)

IBS治療薬

・腸管内への水分分泌促進、大腸痛覚過敏改善作用

(腹痛を特徴とする「便秘型過敏性腸症候群」に適応あり)

・1日1回、2錠 食前(症状により1錠に減量)

寝る前や頓用(例えば下痢・便秘を繰り返す人の便秘のとき)で服用OKだが、

※効果発現には個人差があるので、まずは朝食前で開始し、その後の何時間後に排便状況をみて調整する

※ 食後内服の方が排便回数が増えて軟便となって下剤としての効果が高いことが知られている)

 

 

オピオイド誘発性便秘症(OIC)

・オピオイドの副作用による便秘症

・経口強オピオイド鎮痛薬を服用した患者の約40%に便秘症が発症する

・OICは耐性が生じないため、永久的に対策を講じる必要がある

対策

1)便秘が生じにくい種類のオピオイド(フェンタニル、タペンタドール)にオピオイドスイッチする

2)あらかじめ酸化マグネシウムやセンノサイドなどを頓用で処方する

・これが頻回になるようなら、3)を処方

3)OIC治療薬であるナルデメジン(スインプロイク®)を処方する

・ナルデメジンは消化管のオピオイド受容体(末梢性μオピオイド受容体)に結合し拮抗することによりOICを改善する

・中枢性のμ受容体は拮抗しないため、鎮痛作用を減弱することはない

・1回0.2㎎を朝食後に定期内服

 

 

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