疾患
・ピロリン酸カルシウム(calcium pyrophosphate:CPP)による関節炎
・高齢者に多い(↔痛風は30~50代の青壮年に多い)
誘因
・外傷
・手術
・利尿薬
好発部位
・膝関節(最多)
・手関節三角線維軟骨(2番目)
・恥骨結合
・肩関節
・足関節
・軸椎歯突起周囲(crowned dens syndrome)
↓
スクリーニングとして
「両膝関節前後」「両手関節前後」「骨盤正面」の5枚のX線撮影は有用
検査
確定診断
・関節液の偏光顕微鏡検査によるピロリン酸カルシウム検出
関節エコー
・関節軟骨表面に平行な細かい線状高エコー
・関節半月や腱に多くみられる、複数の高エコー領域で構成される点状高エコー
・関節包や関節裂隙に局在し、結節あるいは楕円形の移動性のある高エコー
Crowned dens syndrome
・Crowned dens症候群は、環軸関節に生じる偽痛風である。
・高齢者で急性発症の頚部痛や頚部の著しい可動域制限が生じた場合には本症を疑う。
・頚椎CTにおける軸椎歯突起周囲の石灰化を特徴とする。
Crowned dens syndromeと髄膜炎の鑑別点
・CDSは高齢者に多い
・炎症反応高値の割には全身状態が良好
・頚部の前屈のみならず、回旋制限もある
高齢者、原因不明の炎症反応上昇、発熱の場合
偽痛風関節炎(急性CPP結晶性関節炎)の検索
全身CT(単純)の骨条件で
・環軸椎関節
・上腕骨頭周囲の棘上筋腱、棘下筋腱付着部の石灰化
・胸鎖関節の結晶沈着や関節液貯留
・恥骨結合の石灰化
・坐骨結節部の石灰化
・大腿骨頭周囲の石灰化
McArtyのCPPDのperfect screening
・手関節、恥骨結合、膝の3か所に石灰がX線、CTでなければCPPDはほぼ否定できるとされる
治療
・急性期:NDSAIDs(第1選択)
・関節注:ケナコルト+キシロカイン
・急性期以降、NSAIDsからの切り替え(または急性期に併用):
コルヒチン 0.5=1錠(0.25~0.5mg)基本継続
・中等量ステロイド(1週間で漸減終了):除痛にはステロイドが最速
プレドニゾロン30㎎2日間、その後漸減し1週間で修了
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