高カルシウム血症の鑑別診断
・原発性副甲状腺機能亢進症
・悪性腫瘍(肺癌、頭頸部癌、腎細胞癌、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、成人T細胞白血病(南西地方))
・薬剤性
ビタミンD
リチウム(副甲状腺機能亢進を誘発)
ビタミンA(骨吸収促進)
サイアザイド(遠位尿細管でのカルシウム再吸収促進)
副甲状腺機能亢進症
副甲状腺ホルモン
・腎臓と骨を主な標的臓器とし,PTH 1 型受容体(PTH type 1 receptor:PTH1R)を介し,その生理作用を発揮する。
・腎臓においては近位尿細管の 2a 型ナトリウム‒リン共輸送体によるリン再吸収を抑制するとともに、transient receptor potential vanilloid 5(TRPV5)を介して遠位尿細管でのカルシウム再吸収を促進する。
・さらに 1α水酸化酵素を活性化することにより活性型ビタミン D〔1,25‒dihydroxyvitamin D:1,25(OH)2D〕の産生を促進し、腸管での Ca と P の吸収を促す。
・骨においては,骨芽細胞の破骨細胞分化因子(receptor activator of nuclear factor kappa-B ligand:RANKL)の発現を増加させることにより、破骨細胞による骨吸収を促進し,血中への Ca 遊離を促す。
・慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者では,腎機能低下とともに P 蓄積や 1,25(OH)2D 低下,低カルシウム血症などを生じるため,これらを代償する作用のある PTHが分泌され,二次性副甲状腺機能亢進症に至る。
疑う所見
・高カルシウム血症
しかし常に異常高値を示すとは限らない。正常~軽度高値の場合もある
・骨密度低下
検査項目
・Ca
・P(VitDで上昇、PTHで低下)
・PTH
・PTH-rP
・活性型ビタミンD
・ALP(骨転移→多発性骨髄腫、乳癌、前立腺癌)
・24時間蓄尿カルシウム→FECaの計算(副甲状腺機能亢進では>1%)
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