スポンサーリンク

食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis:FDEIA)

スポンサーリンク

疾患

・運動前に特定の食物を摂取し、その後運動をすることで惹起されるアナフィラキシー症状

・誘因となる食物の摂取単独や運動単独ではアレルギーが誘発されず、アレルゲンの摂取に引き続き運動を行うという一連の流れにより発症するのが特徴。

・原因は不明(運動負荷により腸管の透過性が亢進し、通常であれば問題にならない程度のアレルゲンへの暴露であっても、腸管からの吸収が亢進し発症することが推測されている)。

・ジョギングで起こることが多いが、普通に歩いているだけでも起こりうる

・運動を止めればすぐに症状は消失する

 

スポンサーリンク

誘因

1)誘発となる食品

・小麦(粘膜接触でも起こる)60%

・甲殻類(30%)

・豆類

・貝類

・トマト

・ナッツ類

・肉

・薬(NSAIDs、サリチル酸、アルコールなど)

2)誘因となる運動

・ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動が誘因になることが多い

 

※ 小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA)

・小麦アレルギーの特殊型

・小麦摂取と運動負荷が重なることで発症し

・ω-5グリアジンはグルテン蛋白のコンポーネントで、WDEIAの重要なアレルゲンとなる

・小麦蛋白の摂取だけでなく、加水分解された小麦蛋白入りの石鹸での洗顔後、鼻や結膜が感作されて発症することもある

 

 

スポンサーリンク

治療

・アナフィラキシー症状が明らかな場合や経過から疑いが強い場合、まずは

アドレナリン(成人では0.3㎎、小児では0.01㎎/kg9を大腿外側に筋注

・抗ヒスタミン薬およびグルココルチコイドの全身投与

例)

ソル・メドロール(メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム)

125㎎

 

予防

運動の2時間ほど前(できれば4~6時間前)からアレルゲンの摂取を避ける

・運動後もある程度時間がたってから食事をするようにする

・一度発症した患者にはエピペン®の携帯を指導

 

 

総合診療 2022年4月号 えっ、これも!? 知っておきたい! 意外なアレルギー疾患

 

 

 

 

 

 

 

外来診療ドリル-診断&マネジメント力を鍛える200問

コメント

タイトルとURLをコピーしました