疾患
・「皮膚真菌症」の一つ
・皮膚の間擦部(腋窩、乳房下、陰股部、臀裂部)で、皮膚が局所的に高温多湿になったために生じたものを「カンジダ性間擦疹」という
・いわゆる「オムツ皮膚炎」(鼠径部、陰嚢、肛門周囲の皮膚が擦れやすい部位で点状、環状の紅斑や丘疹、小膿疱やびらんが集簇)
・境界明瞭な紅斑、膜様の浸軟した鱗屑(オブラート状の薄い鱗屑で、ピンセットで容易に剥ける)、時に紅斑周辺に小水疱や膿疱を認める。
・陰嚢にも認める
症状
・湿潤部位(鼠径部、陰嚢、肛門周囲)における点状、環状の紅斑、丘疹、小膿疱、鱗屑、びらん
・掻痒
診断
・KOH直接鏡検により真菌を確認する
・多数の球形の胞子と糸状の仮性菌糸を確認する
治療
外用
※ 抗真菌薬の中にはカンジダ症に効果がないものがあるので注意
・カンジダ症に対してはイミダゾール系(ルリコナゾール(ルリコン®)、ケトコナゾール(ニゾラール®))を処方
・非イミダゾール系(トルナフタート(ハイアラージン®)、リラナフタール(ゼフナート®))は無効と考える
有効な抗真菌薬
イミダゾール系外用薬が適する(白癬、カンジダ共に適応あり)
・ケトコナゾール(ニゾラール®)
・ルリコナゾール(ルリコン®)
・ビホナゾール(マイコスポール®)
・ラノコナゾール(アスタット®)
・フロリード
処置
・皮膚間擦部にガーゼを挿入し乾燥させる
・入浴、清拭は非常に有効
白癬症との鑑別
・白癬症では環状~円弧状の紅斑が遠心性に拡大する
・辺縁に紅色の小丘疹が堤防状に配列し、中央は褐色調を呈する
・白癬が陰嚢を侵すことは稀
コメント