トルエンとキシレン
・トルエンとキシレンは、どちらもベンゼンを基にした有機化合物で、構造や用途が異なる
・トルエンはベンゼンの1つの水素をメチル基に置換した物質で、キシレンは2つの水素をメチル基に置換した物質です。
・トルエンの融点(-95℃)はキシレンの融点(-48~+13℃)より低い
トルエン
・常温で液体
・イソシアネート(ポリウレタンの原料)、フェノール(染料や農薬などの原料)、クレゾールなどが合成されたり、化学原料としての需要が多いベンゼンやキシレンに変換してから化学原料として用いられる場合もあります。
・ガソリンにはもともと微量のトルエンが混じっていますが、性能を高めるプレミアムガソリンは、トルエンをさらに添加してつくります。このガソリンへの添加が二番目に多い用途です。
・また、トルエンは水に溶けにくく、油などを溶かす性質をもつため、油性塗料や印刷インキ、油性接着剤などの溶剤として幅広く使用されています。同じような性質をもつベンゼンに比べて毒性が低く、安価なことから、接着剤や塗料のうすめ液などに使用されるシンナーの主成分として広く用いられています。
・身のまわりにも、油性のペンキ、ニス・ラッカー、マニキュアなど、トルエンを含む製品があります
・トルエンは化学物質の合成基礎原料として、キシレンは化学原料や溶剤として使用されます。
ガスクロマトグラフ
・活性炭管
・二硫化炭素で脱着
キシレン
・キシレンは無色透明の液体で、o-キシレン (オルトキシレン)、m-キシレン (メタキシレン)、p-キシレン (パラキシレン)という3つの異性体があります。
・キシレンの大半は化学原料として使用されます。また、混合物キシレンと呼ばれる製品の形で、油性塗料や接着剤、印刷インキ、シンナー、農薬などの溶剤に使用されます。
・このほか、ガソリンや灯油にも各異性体のキシレンが含まれています。
・o-キシレンは主にビニル樹脂の可塑剤の合成原料や、染料・香料などの製造に使われる無水フタル酸の原料として使われます。
・m-キシレンからは、可塑剤やポリエステル樹脂の原料であるイソフタル酸が得られますが、大半は、o-キシレンやp-キシレンに変化させて利用されます。
・p-キシレンは、テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルの原料に使用されます。これらはともに、ポリエステル繊維やポリエステル樹脂の原料に用いられます。
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