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メトヘモグロビン血症

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疾患

・メトヘモグロビンとは赤血球内のヘモグロビン中の核をなす2価の鉄イオンが酸化されて3価の鉄イオンになったものであり,酸素結合・運搬能力が失われた状態である。

・血液中のメトヘモグロビンが1‐2%以上に増加した状態をいう。

・先天性と誘発性(後天性)に区別され,遺伝性はNADHシトクロム還元酵素欠損により生じ,常染色体劣性遺伝である。

・中毒性はアミン類,ニトロ化合物,亜硝酸エステル類,あるいはサルファ剤などが原因物質として挙げられる。

・15‐20%以上に増加するとチアノーゼを生じ,40%以上では頭痛,めまい,呼吸困難,意識障害などの症状が出現する。

・メトヘモグロビン濃度が10%を越えるとSpO2は正確な値を示さない(SaO2とSpO2の解離)

 

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原因

後天性

・ラッシュ (薬物)

・ニトログリセリン、硝酸イソソルビド

・ジアフェニルスルホン

・メトクロプラミド(プリンペラン)

・ST合剤

・局所麻酔薬(ベンゾカイン、リドカイン、プリロカインなど)

・飲食物中の硝酸態窒素(特に井戸水に混入したもの)が腸内細菌により亜硝酸(ヘモグロビンを酸化しうる)になると、乳児においてメトヘモグロビン血症を引き起こすことがある。

 

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症状

・SaO2とSpO2の解離(SaO2は高いが、SpO2が低い)

・動脈血を採血したはずなのに、真っ黒(あるいはチョコレート色)な色

・チアノーゼ

・頭痛などの全身症状

・呼吸苦

・呼吸抑制、意識障害、さらには死に至ることもある。

 

治療

・急性期には、メチレンブルーの投与、交換輸血、酸素投与など。

・メチレンブルーは3価の鉄を2価の鉄に還元する。

・メチレンブルーの投与により臨床症状は一時間以内に改善する事が多い

・20%を超える中等度以上のメトヘモグロビン血症が起こっている時にメチレンブルー投与を検討

・メチレンブルーは、NADPH の存在下でグルタチオン系の還元酵素によりロイコメチレンブルーに還元され、ロイコメチレンブルーがメトヘモグロビンをヘモグロビンに還元し、ロイコメチレンブルーがメチレンブルーに酸化され、この反応の繰り返しにより触媒的な役割を果たす。

ただし、グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症のヒトの場合、メチレンブルーが作用するのに必要なNADPHを生体が充分に用意できないので、メチレンブルーを使えない。

・メトヘモグロビン血症の原因となったと思われる薬剤を中止し、今後の投与を避ける。

・先天性においては、硝酸をふくむような飲食物の摂取を避ける。

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