保護具(労働衛生保護具)とは
・「労働衛生保護具」とは、作業中の事故や危険から身体を守るために装着するものをいう。
・労働安全衛生法では、一定の作業・環境のもとでは、事業者は作業者に保護具を使用させなければならないと規定している。
保護具の種類
① 吸入によるばく露防護ための保護具:
・呼吸用保護具(防毒マスク、防じんマスク)
② 経皮吸収曝露防護ための保護具:
・ 化学防護手袋(保護手袋)
・化学防護服(保護衣)
・保護メガネ
・履物
保護具着用管理責任者の選任の義務化
1 概要
「保護具着用管理責任者」は以下の場面で選任又は指名することが求められています。
[2]作業環境測定の評価結果が第三管理区分に区分された場合、作業環境管理専門家が改善困難と判断した場合、又は作業環境管理専門家が改善可能とし、必要な改善措置を講じ、その効果を確認するための濃度測定を行った結果、評価が第三管理区分から改善されなかった場合に呼吸用保護具を使用することとなったとき(作業主任者と保護具着用管理責任者の兼務は不可。)
[1]は労働安全衛生規則に基づき選任が求められているものであり、[2]は特定化学物質障害予防規則、有機溶剤中毒予防規則、鉛中毒予防規則、粉じん障害防止規則にに基づき選任することが求められているものです。
なお、これらの場合以外にも今後リスクアセスメント対象物となることが見込まれる化学物質(皮膚等障害化学物質等)を取り扱う場合に保護具を使用する場合には、保護具着用管理責任者を選任することが望ましいものです。
2 保護具着用管理責任者の選任について
(1)選任の時期
選任すべき事由が発生した日から14日以内に行う必要があります。
(2)職務
以下のとおりです。
① 保護具の適正な選択に関すること。
② 労働者の保護具の適正な使用に関すること。
③ 保護具の保守管理に関すること。
(3)資格要件
保護具に関する知識及び経験を有すると認められる者のうちから選任しなければならないとされており、具体的には以下の者が含まれます。
なお、次に掲げる者に該当する場合であっても、別途示す保護具の管理に関する教育を受講することが望まれます。また、次に掲げる者に該当する者を選任することができない場合は、上記の保護具の管理に関する教育を受講した者を選任することとされています。
① 化学物質管理専門家の要件に該当する者
② 作業環境管理専門家の要件に該当する者
③ 労働衛生コンサルタント試験に合格した者
④ 第1種衛生管理者免許又は衛生工学衛生管理者免許を受けた者
⑤ 有機溶剤作業主任者技能講習、鉛作業主任者技能講習又は特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習の修了者
⑥ 安全衛生推進者に係る講習の修了者
(4)その他留意事項
事業者は、保護具着用管理責任者を選任したときは、当該保護具着用管理責任者に対し、必要な権限を与える必要があります。
選任に当たっては、事業場ごとに選任することが求められますが、大規模な事業場の場合、保護具着用管理責任者の職務が適切に実施できるよう、複数人を選任しても差し支えありません。
当該保護具着用管理責任者の氏名を事業場の見やすい箇所に掲示すること等により関係労働者
「保護具着用管理責任者」が管理しなければならない労働衛生保護具
(公益社団法人日本保安用品協会:保護具着用管理責任者教育テキスト)
• 呼吸用保護具
• 保護めがね
• 保護手袋(防護手袋)
• 防護服(保護衣)
防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について
防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について
・防毒マスクのしめひもについては、耳にかけることなく、後頭部において固定させること
・使用済みのろ過材、吸収缶及び使い捨て式防じんマスクは、付着した粉じんや有毒ガス等が再飛散しないように容器又は袋に詰めた状態で廃棄すること。
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