動眼神経(第Ⅲ脳神経)
・第Ⅲ脳神経(→「脳神経の覚え方」)
・眼球を動かす4つの外眼筋(上直筋、下直筋、内直筋、下斜筋)、眼瞼を開閉する上眼瞼挙筋、瞳孔を縮める瞳孔括約筋などを支配。
・中脳に動眼神経核がある。
動眼神経麻痺の症状
・複視が主症状で、眼球の内転、上転、外下転障害、眼瞼下垂、瞳孔散大など、障害部位によって異なる症状がみられる。
・外向き以外の3方向の眼球運動が障害される(複視)
・眼球は外転やや下方位をとる(外斜視)
・上眼瞼挙筋の運動が障害されると眼瞼下垂を来す
・瞳孔括約筋が障害されると散瞳する
・片側の散瞳では、同側の動眼神経障害を考える
中枢性と末梢性の鑑別
・他の脳幹神経症状を合併する場合は中枢性を考える
・動眼神経核は対側の上眼瞼挙筋も支配するため、中枢性では眼瞼下垂の多くは両側性となる。一側性の場合は末梢性を考える。
動眼神経麻痺の原因
① 内頚動脈-後交通動脈分岐部動脈瘤切迫破裂
・急性発症した動眼神経麻痺は、「内頸動脈-後交通動脈分枝部動脈瘤」や「脳底動脈-上小脳動脈分岐部動脈瘤」が原因であることが多い。
参照(このサイトより引用):http://igakukotohajime.com/2020/03/03/%E5%8B%95%E7%9C%BC%E7%A5%9E%E7%B5%8C-oculomotor-nerve-%E2%85%B2/
・動脈瘤が原因の場合には、頭痛を伴う片側性の全動眼神経麻痺が急速に発症する。
・突然発症の一側の眼痛、複視、眼瞼下垂、散瞳
② 頚動脈海綿静脈洞瘻
・外傷、内頚動脈瘤破裂、硬膜動静脈奇形などが原因
・片側性の眼痛、拍動性眼球突出、結膜充血・浮腫、複視、眼球運動障害(動眼、滑車、外転神経)
③ 糖尿病性単神経障害
・DM患者の約1%で認める(その他外転神経麻痺もある)
・突然発症であり、前頭部痛や眼窩部痛を認める
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