化学物質(有機溶剤、炭化水素)
アクリルアミド
CH2=CHCONH2

・アクリルアミドは、工業用途において紙力増強剤や水処理剤、土壌凝固剤、漏水防止剤、化粧品(シェービングジェルや整髪剤)などに用いられるポリアクリルアミドの原料として造されている化学物質
・健康障害では皮膚の剥離、末梢神経炎などが見られる
アセトン
CH₃–CO–CH₃

用途
・塗料やインク、接着剤の原料や希釈剤
性質
・脂溶性および水溶性を共に有している。
・アセトンには極性の高い C=O 部分(親水性)、と非極性の CH₃ 部分(親油性)があるため、アセトンは水溶性と脂溶性の両方を示す。
・電気陰性度の大きい酸素原子があるため、極性が大きい(極性:5.1)
・極性分子が水に溶けやすい
・極性の高い C=O 部分が水と仲良くし(親水性)、非極性の CH₃ 部分が油と仲良くする(親油性)、という二面性のおかげで、アセトンは水溶性と脂溶性の両方を示
エチレンオキシド
・C2H4O

・合成原料 (エチレングリコール,エタノールアミン,グリコールエーテル,ポリエチレングリコール)、燻蒸消毒・滅菌剤
・健康障害:白血病
3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(MOCA)
4,4′-Methylene-bis(2-chloroaniline)(MOCA)

・防水材、床材や全天候型舗装材などに利用されるウレタン樹脂の「硬化剤」で、
従来から「特定化学物質障害予防規則」(特化則)の「特定第2類物質」及び
「特別管理物質」とされている
・膀胱がんを引き起こす
事例
3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(MOCA)は、ウレタン樹脂を固める硬化剤に使われる化合物。
2016年(平成28年)にモカを扱う静岡県の工場で、労働者ら5人が膀胱がんを発症していたことが発覚。厚労省が他の事業所でも同様の事例がないか、調査していた。
この結果、全国6カ所の事業所で、8人の膀胱がん発症者が出ていたことが判明。すでに発症者が確認されている静岡県の工場でも新たに4人の発症が確認された。
発症が確認された計17人のうち12人はすでに事業所を退職しているという。厚労省は事業所の従業員らに対し、労災制度の手続き方法などの案内に乗り出す方向で検討している。
N,N-ジメチルホルムアミド
(CH3)2NCHO
「N,N」は、ホルムアミドの構造中にある窒素原子(N)に、2つのメチル基が結合していることを意味する。

・合成皮革、合成繊維をつくる際の溶剤、分析化学用の試薬の溶剤、染料や農薬、医薬品など他の化学物質をつくる際の溶剤、特殊インキの溶剤などとして使用。
・健康障害として、頭痛、めまい、肝機能障害がみられる
頭めチルホルムアミド→頭痛、めまい
ダイオキシン類
ダイオキシン類:
・ダイオキシン類とは、工業活動や燃焼の過程で意図せず発生する化学物質の総称をいう。
・身近なところでは、プラスチックや紙を燃やすとき、金属を精錬するとき、農薬を作る過程などで発生し、大気や水、土壌を通して広く広がる。
・ダイオキシンの主な健康影響
発がん性:特に肝臓がんや皮膚がんのリスク増加が動物実験・疫学調査で示唆。
生殖・発達障害: 胎児成長阻害、精子形成減少、不妊リスク、催奇形性(口蓋裂など)が報告。
免疫機能低下::免疫抑制により感染症感受性向上、特に小児・高齢者で影響大。
・ダイオキシンには数百種類もの化合物があり、それぞれ毒の強さが大きく違う。毒性の強さは、塩素原子の数や位置によって決まり、同じダイオキシンでも構造が少し違うだけで毒性が大きく変わる。
・ダイオキシン類の中で最も毒性が強いのは「2,3,7,8-四塩化ジベンゾジオキシン(TCDD:2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin)」という物質で、これを基準に他のダイオキシンの毒性が評価されます。

トリクロロエチレン
トリクロロエチレン:
CHCl=CCl2

・特定化学物質第2類物質(特別有機溶剤等)、特定化学物質特別管理物質
・生殖毒性、肝機能障害、ヒトに対する発がん性がある
(鳥の黒い肝臓)
・ばく露指標:尿中トリクロロ酢酸又は総三塩化物(管理暫定値)
(鳥の黒酢あえ)
β-ナフチルアミン

・健康障害:膀胱がん
ベンジジン
膀胱がん、尿路系腫瘍
(原始人暴行)
取り扱う作業者が着用すべき保護具
・経気道ばく露のみならず経皮ばく露が問題になっている化学物質である
・防毒マスク、不浸透性の保護衣及び化学防護手袋の装着が必要
膀胱がんの早期発見の方法
一次健康診断:尿中の潜血検査、尿沈渣検鏡の検査、尿沈渣のパパニコラ法による細胞診の検査)
二次健康診断:膀胱鏡検査等がある。
二硫化炭素
・化学式は CS2

用途:
・ビスコース人絹、セロハン、四塩化炭素などの製造
・殺虫剤、医薬品などの製造
・油脂やゴムなどの溶剤として
・ゴム用加硫促進剤として
・浮遊選鉱剤(ザンセート)として
性質:
・無色又は淡黄色の液体で特異臭がある。
・蒸気は空気より重い。
・二硫化炭素ガス比重2.64(空気を1とする)、引火点-30℃、爆発範囲1.3~44%、沸点46.2℃
・比重1.26(水よりも大きいので下層に沈殿する)
・水に溶けにくい(22℃で水100mlに0.22g溶ける)
二硫化炭素の健康障害:
化学式は CS2

・低濃度の長期間曝露では、動脈硬化を進行させ微細動脈瘤を伴う脳卒中や虚血性疾患の発生リスクが高くなる。
・網膜細動脈瘤
・高濃度の急性ばく露では、精神障害を生じる。
・腎障害
精神障害、網膜細動脈瘤、腎障害、動脈硬化
(二流の奴は精神障害)
硫化水素
・呼吸麻痺、意識消失
(竜が 屁こき 意識消失)
ノルマルヘキサン(n-ヘキサン)
※ 「ヘキサ(Hexa)」はギリシャ語の「6」を意味する
物性
・無色透明の液体
・特有の臭気がある
・水に溶けにくい揮発性物質
・蒸気圧はそれほど高いわけではないが、常温でも気化するおそれはあり、経気道、経皮ばく露のリスクがある。
・沸点は 68.7℃と比較的沸点が低いため、高温で用いる場合は、蒸気が作業空間中に放出されるおそれがある。
・引火性の高い液体及び蒸気
・蒸気密度は空気より重いため、ピットなどに滞留しやすく、ピットなどで作業する場合にばく露のリスクは高まる。地面に沿って移動する
用途
・本物質の主な用途は、食用油脂抽出溶剤及び接着剤溶剤、塗料、インキなどの各種溶剤で
ある
ノルマルヘキサンによる健康障害:
・末梢神経障害、多発性神経炎、頭痛、めまい
(ノル末ヘキサン→末梢)
・短期の吸入ばく露により、めまい、傾眠などの麻酔作用が見られる。
・また、長期ばく露の結果として、多発性神経障害、末梢性神経障害、多発性神経炎の発症が起きるといわれている。
・その他、皮膚刺激、強い眼刺激、生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑い、呼吸器への刺激のおそれ、眠気やめまいのおそれ、長期にわたる、または、反復ばく露により神経系の障害、飲み込んで気道に侵入すると生命に危険のおそれがあるとされている。
・尿中代謝物は「尿中2,5-へキサンジオン」
ニコニコへキさん
テトラクロロエチレン
テトラクロロエチレン(C2Cl2):

・IARC発がん性分類2A(Probably carcinogenic to humans:ヒトに対して恐らく発がん性がある)
・特別有機溶剤等
・主にドライクリーニングや金属の洗浄剤などに利用
・生物学的モニタリングの指標として、尿中総三塩化物(三塩化酢酸と三塩化エタノール)濃度または尿中トリクロロ酢酸濃度
ジクロロメタン(二塩化メチレン)
ジクロロメタン:

・特定化学物質第2類物質、特別有機溶剤等
・金属部品の脱脂洗浄剤などとして使用され、慢性ばく露により、肝臓が障害される。
ベンゼン
・特定化学物質の「特定第2類物質」であり、「特別管理物質」でもある。
・製造禁止物質の一つ
・染料、合成ゴム、合成洗剤等の製造時に使用される
・無色の液体
・ベンゼンは肝臓の酸化酵素の作用によって、フェノールが生成される。
ベンゼンの健康障害:
・造血器障害(白血球減少、再生不良性貧血)
・悪性腫瘍(急性骨髄性白血病)
安衛法第57条第1項
ベンゼン等について、容器(主として一般消費者の生活の用に供するための容器を除く。)に入れて提供する場合、その容器に「名称」、「人体に及ぼす作用」及び「貯蔵又は取扱い上の注意」等を表示しなければならない。
ベンジジン
膀胱がん
(原始人暴行)
ベンゾトリクロリド

・健康障害:肺がん
トルエン(→尿中馬尿酸)

物質
・トルエン(toluene)は、芳香族炭化水素に属する有機化合物で、無色透明の液体。
・別名として、メチルベンゼン、トルオール、トロール、フェニルメタンなど。
・トルエンは、塗料や接着剤の溶剤、染料、有機顔料、可塑剤の原料として幅広く使用されています。また、住まいの中では合板や壁紙、ビニールクロスなどにも使われることがあります。
トルエンの特徴:
・揮発性が高く、引火点も低い
・水に溶けにくく、油やアルコール類を溶かす性質がある
・臭いが強く、シンナー臭の元となる
・トルエンは劇物に指定されており、厚生労働省の室内濃度指針値は0.07ppm以下です。
健康障害
・中枢神経系抑制
・多発性神経炎
(多ル炎→多発性神経炎)
・生殖毒性
トルエンの代謝と排泄:

・トルエンは肝臓のミクロソーム系によってベンジルアルコールになり、さらに安息香酸となってグリシン又はグルクロン酸と抱合し、馬尿酸又はグルクロン酸ベンゾイルとして尿中に排泄される。
また、少量ではあるが o -クレゾール及び p -クレゾー ルに代謝される。
・肺では、吸収されたトルエンの一部は変化せずに排泄される。吸収されたトルエンの 15~20%は肺から排泄され、腎臓からは馬尿酸として60~70%が排泄される。
トルエンによる健康障害:

・高濃度の蒸気を吸入すると、気道を刺激し咳、咽頭痛を引き起こす。また、中枢神経系に影響を与え、めまい、嗜眠、頭痛、吐き気、意識喪失を生じることがある。
・皮膚に付着すると脱脂を起こし、眼に入ると刺激がある。
・長期ばく露により、中枢神経系に影響を与える。
・一時的に高濃度のトルエンを吸入すると、急性毒性として筋脱力、錯乱、協調障害、散瞳などが起き、さらに重篤な場合には重度の疲労、著しい嘔気、精神錯乱や昏睡などが発生する。
・また、長期にわたったばく露では、疲労、記憶力障害、集中困難、情緒不安定、神経衰弱性症状が現れる。
・また、高濃度または長期吸引した妊婦に早産、児小頭、耳介低位、小鼻、小顎、眼瞼裂など胎児性アルコール症候群類似の顔貌、成長阻害や多動などの生殖毒性がある。
トルエンの生物学的モニタリングの注意点:
・トルエンは代謝の過程で安息香酸になり、そのあと馬尿酸となって尿中に排泄されます。そのためトルエンのばく露指標として、尿中馬尿酸が測定される。
・しかし、 イチゴ、スモモなどの果実や、コーヒー、清涼飲料水、食品中に含まれる防腐剤や添加物などに安息香酸を含んでいるものがあり、これらを採尿前に摂取すると、 トルエンにばく露されていなくても、尿中馬尿酸が高値になることがあります。
キシレン(→尿中メチル馬尿酸)
メタノール
視神経障害
酢酸メチル
視力低下、視野狭窄
酢酸目チル→視野
塩化ビニル

・健康障害:肝臓がん、肝血管肉腫、レイノー現象、指端骨溶解
(演歌は簡潔→肝血)
フッ化水素
フッ化水素の用途:
・フッ化水素の水溶液であるフッ酸は、金属の洗浄、半導体のエッチング等に用いられる。

弗化水素(フッ化水素:HF)の健康障害:
斑状歯、骨硬化症、フッ化水素、腎障害、肺炎、肺水腫
(班長の 骨 ふかふかで 心 配)


ビス(クロロメチル)エーテル
・(CH2Cl)2O

bis:「2つ」「2倍」「二重」を意味する接頭語。化学名において、同じ構造の基が2つ結合していることを示す。
・染料や陰イオン交換樹脂の製造などに使用
・健康障害:肺がん
(ハイ ビスカス)
四塩化炭素
・肝硬変、肝障害
1-ブロモプロパン
・CH3CH2CH2Br

・洗浄剤として使用していた労働者が小脳失調と末梢神経障害を示した例が報告されている
2-ブロモプロパン

・生殖機能障害
クロロホルム

物質
・クロロホルムは、トリハロメタンの一種で、トリクロロメタンとも呼ばれる
・無色の揮発性液体です。
・特徴的な臭気と灼けるような甘い味がる
用途
・溶剤(ゴム、メチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸など)
・有機合成溶媒
・合成原料(フッ素系溶媒、フッ素系樹脂など)
・医薬品(麻酔剤、消毒剤など)
吸入すると、咳、めまい、し眠、感覚鈍麻、頭痛、吐き気、嘔吐、意識喪失などの症状を引き起こします。
中枢神経系、心血管系、消化管、肝臓、腎臓に影響を与える可能性があります。
眼を刺激し、皮膚の脱脂を起こして乾燥やひび割れを引き起こす可能性があります。
人で発がん性を示す可能性があります。
クロロホルムの漏出が発生した場合は、関係者以外は近づけないようにし、漏洩物に触れた場合は直ちに流水で皮膚や眼を最低20分間洗浄します。また、回収が終わるまで十分な換気を行い、適切な保護具を着用しましょう。
動物に対し、眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性がある。
短期の吸入ばく露により、麻酔作用、咳、眩暈、嗜眠、感覚鈍麻、頭痛、吐き気、嘔吐、腹部痛、衰弱、意識喪失、昏睡、麻酔作用などが発生する。
長期ばく露では黄疸を生じることが知られており、肝炎の進展、黄疸、悪心、嘔吐などの症状がみられる。
また、発がん性(腎臓がん、肝臓がん)、生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑いがもたれている。
メチルセロソルブ(エチレングリコールモノメチルエーテル)

・メチルセロソルブは第2種有機溶剤である。
・血液、骨髄に影響を与え、貧血、血球障害を生じることがある
エチルベンゼン

・エチルベンゼンの生物学的モニタリング指標→尿中マンデル酸
スチレン
・特定化学物質第2類物質(特別有機溶剤等)

・ポリスチレン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、AS樹脂、合成ゴム、合成樹脂塗料に使用
・発がん性(IARC区分2B)
・白血病、リンパ腫発症の知見あり
・「尿中のマンデル酸」及び「尿中フェニルグリオキシル酸の総量」の測定(管理暫定値)
1,4‐ジオキサン

・特別有機溶剤
・洗浄剤,合成皮革溶剤,反応用の溶剤,塩素系溶剤安定剤,医薬原料/セルロースエステル類及びセルロースエーテル類の溶剤,有機合成反応・抽出溶剤,トランジスター用・合成皮革用溶剤,塗料・医薬原料,試薬用,塩素系有機溶剤の安定剤,洗浄剤の調整用溶剤,繊維処理・染色・印刷時の分散・潤滑剤,パルプ精製時の溶剤等
・水溶性および脂溶性を共に有している
・n-オクタノール/水分配係数の値は、log P=-0.27(測定値:SRC(access on Jun. 2009)となっており、脂溶性及び水溶性を有している
オルト‐トルイジン:膀胱がん

・膀胱がん
・2015年12月に福井県の染料・顔料の中間体の製造する化学工場における「膀胱がん」事案の原因物質
・芳香族アミンの一つ
※アミン:アンモニアの水素原子を炭化水素基または芳香族原子団で置換した化合物の総称
・アゾ系及び硫化系染料の原料として用いられる。その他、顔料の中間体原料、エポキシ樹脂硬化剤原料としても用いられる。
※アゾ系:アゾ基 R−N=N−R’ で2つの有機基が連結されている有機化合物の総称である。アゾベンゼンなど、芳香族アゾ化合物には色素となるものが多くアゾ染料として有用で、その他にもアゾ顔料として有用なものがある。
・経皮吸収により健康障害を起こす
・常温で無色~黄色の液体
・常温で蒸発しないため、皮膚に付着すると、蒸発せずそのまま皮膚にとどまることになる。
・噴霧することにより許容濃度を超えても臭気を十分に感じないが、わずかな臭気がある。
・引火性がある
・o-トルイジンによる膀胱がんの発がんメカニズムには、多くの種類の酵素による代謝活性化が関与しているものと考えられている。
・慢性毒性として発がん性(膀胱がん)が確認されているほか、急性毒性として呼吸困難、意識喪失、神経障害、チアノーゼ、メトヘモグロビン血症などがみられる。
・ 健康障害を早期発見するための検査:
尿中の潜血検査、尿沈渣検鏡の検査、膀胱鏡検査等
2015年12月に福井県の化学工業の事業場において発生した膀胱がん事案
・o-トルイジンによる職業性疾病の事案は、この物質などを原料として染料・顔料の中間体を製造する化学工場で発生している。その事業場の様々な工程で発生しており特定の作業に限定されないが、直接取り扱う作業において発生している。
・災害が発覚した段階では、気中濃度は問題となるレベルではなかったが、過去の作業環境測定の結果から判断すると、過去に経気道ばく露した疑いは持たれる。
・また、この工場では再生有機溶剤で保護手袋を洗浄しており、この再生有機溶剤にo-トルイジンが含まれていたため、保護手袋に付着したo-トルイジンが経皮吸収された可能性がある。
・また、化学防護手袋の使用状況・管理状況に問題があり、そのために経皮吸収された可能性もある。
・作業者に膀胱がんが多発した。
福井の偉人暴行でがーん
1,2‐ジクロロプロパン:胆管がん

CH3-CHCl-CH2Cl
2012年3月に大阪府のオフセット印刷業の事業場で発生した胆管がん事案
・2012年3月に大阪府のオフセット印刷会社の従業員および元従業員に胆管がんが発生した事例
・地下室の換気の十分ではない作業場において、きわめて頻繁にジクロロメタンと1.2-ジクロロプロパンの混合溶剤を用いて、ローラーやブランケットを洗浄する作業が行われていた。
・作業場における気中濃度は、後に行われた再現実験では、ジクロロメタンが70~190ppm(許容濃度:50ppm、TLV-TWA:10ppm)、1,2-ジクロロプロパンが30~80ppm(許容濃度:1ppm(現在)TLV-TWA:10ppm)程度と推測された。
・適切な呼吸用保護具の着用が行われていなかったことから、経気道ばく露をしたものと考えられる。
・作業者に胆管がんが多発した。
地黒の大阪人のプロパンでタンを焼く
シンナー
・シンナーとは、塗料を薄めて粘度を下げるために用いられる有機溶剤である。語源は英語の「thin(薄める)」に由来する。
・希釈したい塗料の種類によってシンナーの種類も変わるため、「シンナー」と一言で言っても、沢山の種類がある。
・シンナーは有機溶剤を混合させて作られたものがほとんどである。含有される有機溶剤の種類によっては、「シンナー中毒」になる可能性もある為、取り扱い時は注意しなければならない。
シンナーの主成分
1 トルエン
2 酢酸メチル
3 メタノール
4 キシレン
5 酢酸イソブチル
6 アセトン
7 メチルエチルケトン
トルエンジイソシアネート

※イソシアネート:イソシアネート基(−N=C=O)を分子内に持つ化合物
・ポリウレタンの原料
・健康障害として、アレルギー性気管支喘息や皮膚炎を生じる
ナフタレン

・合成樹脂の原料や防虫剤、有機顔料などの用途に使用される。
・人に対する発がん性が疑われている(IARC は発がん性区分を「グループ 2B(ヒトに対して発がん性がある可能性がある)」に分類)
グループ1:
・ヒトに対して発がん性がある(Carcinogenic to humans)
グループ2A:
・ヒトに対しておそらく発がん性がある(Probably carcinogenic to humans)
グループ2B:
・ヒトに対して発がん性がある可能性がある(Possibly carcinogenic to humans)
グループ3:
・ヒトに対する発がん性について分類できない(Not classifiable as to its carcinogenicity to humans)
ここで「グループ3」は「分類できない」ということであって、「発がん性が弱い」ということではない。
グループ3は原則として、ヒトについて「発がん性の不十分な証拠」があり動物実験で「発がん性の不十分な証拠又は限定的な証拠」がある場合に分類される。
ホルムアルデヒド
ホルムアルデヒドとは:
CH2O (30.03)

・ホルムアルデヒドは接着剤や塗料の原料として用いられ、いわゆる「シックハウス症候群」の原因物質の一つ。
・健康障害として、粘膜刺激作用、咳、上気道炎、流涙、接触皮膚炎、鼻咽頭がんなどを生じる。
・
捕集
・試料を2,4-ジニトロフェニルヒドラジン含浸シリカゲルを充てんした捕集管に吸引し、
試料中のホルムアルデヒドをヒドラゾン誘導体として濃縮・捕集する。
・このヒドラゾン誘導体をアセトニトリルで抽出した後、HPLCを用いて測定する。
水銀
有機水銀
・有機水銀とは、炭素−水銀 (C−Hg) 結合を持つ有機金属化合物である。代表的なものに、水俣病の原因物質である「メチル水銀」や「ジメチル水銀」、消毒液である「マーキュロクロム液(赤チン)」がある。
メチル水銀
・メチル水銀 CH3HgX(X は Cl, OH など任意のアニオン)は、有機水銀の1種
・神経中枢を冒す強い毒性を有し、「水俣病」や「イラク農薬水銀中毒事件」などの原因物質となった化学物質である。
・求心性視野狭窄、聴覚障害、運動失調
(有酸素運動のイメージ)
無機水銀
・無機水銀とは、水銀が炭素原子以外の原子と結合した化合物で、硫化水銀(HgS)、酸化水銀(HgO)、塩化第1水銀(Hg2Cl2)、塩化第2水銀(HgCl2)などがある。
・このうち塩化第2水銀は強い毒性を有するが、無機水銀の毒性は一般に有機水銀より低い。
有機水銀と無機水銀の毒性の違い
吸収排泄
・無機水銀は消化管からの吸収率も低く、ヒトでは摂取量の7%程度である。
・これに対し有機水銀は脂溶性が高く、消化管から吸収されやすい。メチル水銀は、ほぼ100%近く吸収される。
・また、ヒトにおける生物学的半減期は、無機水銀で約40日だが、メチル水銀は約70日と長くなっている
・メチル水銀は脂溶性が高く、肝臓や腎臓の他、脳にも蓄積されて、それらの器官に影響を与える。また、妊婦の場合胎児にも移行する。
・無機水銀は、主にアルブミンと結合して全身に広がるが、その後、ほとんどが腎臓に蓄積され、腎臓に影響を与える。
・無機水銀の毒性は一般に有機水銀より低い。
・無機水銀は消化管からの吸収率も低く、ヒトでは摂取量の7%程度である。
・これに対し有機水銀は脂溶性が高く、消化管から吸収されやすい。メチル水銀は、ほぼ100%近く吸収される。
・また、ヒトにおける生物学的半減期は、無機水銀で約40日だが、メチル水銀は約70日と長くなっている。
・メチル水銀は脂溶性が高く、肝臓や腎臓の他、脳にも蓄積されて、それらの器官に影響を与える。また、妊婦の場合胎児にも移行する。
・無機水銀は、主にアルブミンと結合して全身に広がるが、その後、ほとんどが腎臓に蓄積され、腎臓に影響を与える(腎臓がムキになっている→腎臓、無機)
物性の違い
・メチル水銀は無機水銀に比較して脂溶性が高いため吸収されやすく、脳などに蓄積されやすい。
・近年、蛋白質がメチル水銀の細胞毒性を増強する作用を有するとも言われている。
有毒性の違い
・有害性としては、メチル水銀は、主に知覚異常、運動失調、言語障害、聴力障害、求心性視野狭窄などのハンターラッセル症候群と呼ばれる中枢神経症状を示す
・無機水銀はの標的臓器は腎臓で、腎障害を起こす
(腎臓がムキになっている→腎臓、無機)
特別有機溶剤(発がんのおそれのある有機溶剤)
エチルベンゼン
クロロホルム
四塩化炭素
一・四―ジオキサン
一・二―ジクロロエタン(別名二塩化エチレン)
一・二―ジクロロプロパン
ジクロロメタン(別名二塩化メチレン)
スチレン
一・一・二・二―テトラクロロエタン(別名四塩化アセチレン)
テトラクロロエチレン(別名パークロルエチレン)
トリクロロエチレン
メチルイソブチルケトン
特別有機溶剤を取り扱う作業に義務付けられている措置
作業環境管理に関する措置
作業環境測定評価と記録の30年間の保存
・作業環境測定とは、作業場の気中濃度を測定し、管理濃度を用いて評価を行い、評価結果に基づいて改善を行うものである。
作業管理に関する措置
作業記録の作成と30年間の保存
有害性等の掲示
堅固な容器・確実な包装の使用
・常時作業に従事する労働者について1カ月以内ごとに、「労働者の氏名」、「従事した作業の概要及び当該作業に従事した期間」並びに「当該物質によって著しく汚染される事態が生じたときは、その概要及び事業者が講じた応急の措置の概要」について記録する必要がある。
・有害性等の掲示については、作業に従事する労働者が見やすい箇所に、名称、人体に及ぼす作用、取扱上の注意事項及び使用保護具について掲示するものである。
・堅固な容器・確実な包装の使用については、その物質を運搬し、又は貯蔵するときは、漏れたり、こぼれたりするなどのおそれがないように、堅固な容器を使用し、又は確実な包装をする必要がある。
健康管理に関する措置
健康診断(生物学的モニタリングは作業管理に位置付けられる。)の実施とその結果の30年間の保存
・健康診断の実施とその結果の30年間の保存については、特定化学物質障害予防規則の規定に基づき健康診断を行い、個人票などについて記録の保存を行うものである。
作業環境測定とは、作業場の気中濃度を測定し、管理濃度を用いて評価を行い、評価結果に基づいて改善を行うものである。発がん性物質については記録は30年間保存する必要がある。
作業記録の作成と30年間の保存は、常時作業に従事する労働者について1カ月以内ごとに、「労働者の氏名」、「従事した作業の概要及び当該作業に従事した期間」並びに「当該物質によって著しく汚染される事態が生じたときは、その概要及び事業者が講じた応急の措置の概要」について記録する必要がある。
有害性等の掲示については、作業に従事する労働者が見やすい箇所に、名称、人体に及ぼす作用、取扱上の注意事項及び使用保護具について掲示するものである。
堅固な容器・確実な包装の使用については、その物質を運搬し、又は貯蔵するときは、漏れたり、こぼれたりするなどのおそれがないように、堅固な容器を使用し、又は確実な包装をする必要がある。
健康診断の実施とその結果の30年間の保存については、特定化学物質障害予防規則の規定に基づき健康診断を行い、個人票などについて記録の保存を行うものである。
「職業病リスト」とは?
・労災保険制度は、労働者の業務上の事由または通勤による傷病などに対して、必要な保険給付を行うものである。
・この制度の補償の対象となる疾病を定めたものを「職業病リスト」という。
・「職業病リスト」は「労働基準法施行規則別表第1の2」と、これに基づく厚生労働大臣告示で構成されている。
・厚生労働省では、「職業病リスト」を改正し、MOCAにさらされる業務による尿路系腫瘍 などを新たに追加しました。(令和5年1月18日施行)
職業病リスト
労働基準法施行規則(昭和二十二年厚生省令第二十三号) 別表第一の二
・ベンンジジン:尿路腫瘍
・ベリリウム:肺がん
・ベンゼン:白血病
・オルト‐トルイジン:膀胱がん
・1,2ージクロロプロパン:胆管がん
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