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嚥下のプロセスモデル

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「嚥下のプロセスモデル」とは

・古典的な摂食嚥下の概念では,嚥下が始まるまで口腔と咽頭は口峡部で遮断されていると考えられていた.しかし,実際には,咀嚼しているときには口峡は開いており,嚥下まで口腔と咽頭はひと続きの空間をなしていることが明らかになってきた.

・そこで,固形物を咀嚼し嚥下するまでのプロセスについて説明するために, Palmer
らによってプロセスモデル(Process Model)が提唱された

・プロセスモデルは,咀嚼嚥下のプロセスを 4 つのステージに分けて説明している.

 

 

①食物の捕食後に,その食物を臼歯部まで運び(stage I transport)

②その後,食物を咀嚼し,唾液と混和させる(processing)

③咀嚼した食物を順次咽頭へと送る(stage II transport)

③咽頭へと送り込まれた食物は,嚥下までそこで蓄積し,最終的に口腔内で咀嚼された食物と一緒になって嚥下される(swallowing)

・プロセスモデルでは,古典的な 4 期連続モデルと異なり,Processingと口腔からの送り込み(StageII transport)のステージがオーバーラップしているのが特徴である

・実際の咀嚼嚥下では、咀嚼している最中に既に喉頭蓋谷や、さらには梨状陥凹等の「中咽頭」まで、咀嚼のすんだ食べ物が落ち込んでいる。食物は、口腔内から喉頭蓋谷、場合によっては梨状陥凹まで、広い部分に同時に存在する。

・つまり、咀嚼期、口腔期、咽頭期はが独立しておらず、これらが重複してみられる、という現象いう。

・「咀嚼と送り込みは重複する」「嚥下開始前に食物が喉頭蓋谷にある状態は異常ではない」というのが、プロセスモデルの要点です。

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