概念
・「妊娠中に初めて発見、または発症した糖尿病に至っていない糖代謝異常」で、妊娠中の明らかな糖尿病および糖尿病合併妊娠は含めない。
・胎盤から産生される種々のインスリン拮抗ホルモンにより、インスリン抵抗状態になることが原因。
・産後、インスリン抵抗性状態は解除されるため血糖値は正常化することが多いが、妊娠糖尿病と診断された女性のうち約40%が、20年後には糖尿病を発症していることが報告されている。
・スクリーニングは妊娠時と中期以降に行う
・診断基準は非妊娠時と異なる
・各種の母体ならびに胎児・新生児合併症を生じること、たとえ分娩後にいったん正常化しても将来糖尿病に進展する可能性が高いことから、その早期発見に努め、適切な治療・管理を行う必要がある。
診断
・妊娠糖尿病の診断のためには「75gOGTT(ブドウ糖負荷試験)」を行う。
妊娠糖尿病の診断基準
・空腹時血糖92mg/dL以上
・1時間値180mg/dL以上
・2時間値153mg/dL以上
のいずれか1点以上を満たした場合に診断
・1時間値180mg/dL以上
・2時間値153mg/dL以上
のいずれか1点以上を満たした場合に診断
産後の耐糖能評価
・産後1~3か月後
・75gOGTTで評価
・糖尿病型を示した症例は糖尿病内科に紹介。境界型を示した症例は6か月後に再度75gOGTT、HbA!c測定を行い、境界型、糖尿病型を示した場合は糖尿病発症のハイリスク症例と判断し、糖尿病内科に紹介する。
産後の患者教育
体重管理
・毎日体重測定を勧める
・妊娠中に増加した体重は、産後6か月以内に妊娠前の体重へ復することを目標とする
食事
・産後に必要なエネルギーは、推定必要エネルギー量+350Kcalとする
運動
・少なくとも運動しない日が2日以上続かないようにする
・1回30分程度の運動を目標とする
コメント