症状
・減圧症は急速な減圧により気泡が生じるため起こる障害であり、起こる部位によってさまざまな症状・病態を引き起こす。
・掻痒や軽度の疼痛から、神経障害や呼吸循環不全、死に至るまで重症度も様々である。
・減圧症の初期症状として、かゆみ、痛み、発疹などの皮膚障害が生じることがある。
・Divers Alert Netoworkの2,346例のアンケート調査からの報告によると、疼痛(68%)、しびれ知覚異常(63.4%)、頭痛・吐き・立ちくらみ・疲労感・倦怠感吐き気・嘔吐食欲不振など(40.8%)、めまい(19.4%)など頻度の多い症状から心血管系障害(0.4%)と多岐にわたる。
・肥満は、減圧症の危険因子である。
減圧症の分類
減圧症は障害される組織、重症度により、比較的軽症な「Ⅰ型減圧症」と重症な「Ⅱ型減圧症」の2つに分類される。
I型:軽症例
筋骨格、皮膚、倦怠感等 局所性
・皮膚発赤
・四肢の関節痛、運動機能障害はベンズと呼ばれる
II型:重症例
神経障害を伴う、全身性 心肺機能異常、ショック
・チョークス( chokes:呼吸循環器型減圧症):
チョークスとは、肺の血管に気泡塞栓が生じることにより肺に表れる症状で、前胸部痛や呼吸困難,ショックなどを呈する。
・中枢神経型(CNS):
知覚障害、運動障害、膀胱直腸障害、メニエール症侯群、失語症又は症侯性精神病等
・内耳前庭型:めまいや嘔気など
治療
・減圧症が疑われたとき、とりわけ意識障害や運動麻痺があるときは、直ちに高流量(1分当たり10~15リットル以上) 100 %酸素投与を開始する。
・これにより肺と体循環の間の窒素分圧較差が拡がり、塞栓した窒素気泡の再吸収が加速する。
肺酸素中毒
症状として、胸部の痛み、咳、呼吸困難を生じることがある。
予防
・一般には浮上後 18 時間、できれば 24 時間は飛行機に搭乗しないことが推奨されている
コメント