基本方針
・誤嚥したのもの種類によってコンサルトするかどうかの判断は難しいため、可能な環境であれば誤飲症例は小児科へコンサルトする
・異物誤飲が疑われる場合は、症状がなくても全例X線撮影を行った方がよい
・その際、咽頭まで含めた胸腹部正面の単純X線をとってから連絡するとよい
・複数の磁石、鉛含有物は緊急摘出の適応
・胃洗浄の適応は「命に係わる可能性がある量を摂取」かつ「誤飲から1時間以内」の場合のみ
1)X線で食道に異物がある場合
・ボタン電池や鋭い異物はなるべく早く摘出
・その他は24時間経過観察、または内視鏡やフォーリーカテーテルのバルーンを使って摘出(丸い硬化、ボタン、プラスチックなら慌てる必要はない)
2)X線で胃以下に異物がある場合
・症状があれば摘出
・症状がない+小さい(1歳以下で2~3㎝未満、1歳以上3~5㎝未満):
1週間毎にX線(ボタン電池では3~4日毎)
胃内異物は3~4週間しても出なければ摘出(ボタン電池は48時間)
十二指腸より遠位なら1週間以上同じ場所に留まる場合は摘出
・症状がない+鋭利な異物:
胃内なら内視鏡的除去
十二指腸より遠位なら毎日X線撮影し、3日で出なければ外科的摘出
・症状がない+大きい(1歳以下で2~3㎝、1歳以上3~5㎝)または鈍的異物:
胃内なら内視鏡的除去
十二指腸より遠位なら1週間毎にX線(ボタン電池なら3~4日毎)、同じ場所に1週間留まるなら摘出
3)X線透過性の異物の場合
・食道内の疑いなら内視鏡や造影検査
・食道にある可能性がなく、小さく鋭くないリスクが低い異物の場合、腹痛、嘔吐、熱熱などの穿孔や閉塞を疑わせる症状があれば再診
4)X線透過性でリスクが高い異物(大きい、または鋭い)
・症状と便をフォローして、2週間して排出がなければ消化管造影検査を考慮
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