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SLE

全身性エリテマトーデス(SLE)(指定難病49) – 難病情報センター

 

疾患

・全身性エリテマトーデスはDNA-抗DNA抗体などの免疫複合体の組織沈着により起こる全身性炎症性病変を特徴とする自己免疫疾患である。

・症状は治療により軽快するものの、寛解と増悪を繰り返して慢性の経過を取ることが多い。・SLEは若い女性に多く発症し、男女比は1対9前後とされる。

・発症年齢は20~40歳が最も多く、特に20歳代が全体の40%を占めまる。

・10歳代と30歳代がこれに次いで多く、25%前後とされる。

原因

・一卵性双生児での全身性エリテマトーデスの一致率は25%程度であることから、何らかの遺伝的素因を背景として、感染、性ホルモン、紫外線、薬物(ヒドララジン(アプレゾリン®血管拡張)、プロカインアミド(アミサリン®)、イソニアジド、ミノサイクリン)などの環境因子が加わって発症するものと推測されている。
・その結果、自己抗体、特に抗DNA抗体が過剰に産生され、抗原であるDNAと結合して免疫複合体を形成される結果、組織に沈着して補体系の活性化などを介して炎症が惹起されると考えられる。

 症状

・全身症状:全身倦怠感、易疲労感、発熱などが先行することが多い。
・皮膚・粘膜症状

蝶形紅斑とディスコイド疹が特徴的である。

日光暴露で増悪する。

ディスコイド疹は顔面、耳介、頭部、関節背面などによくみられ、当初は紅斑であるが、やがて硬結、角化、瘢痕、萎縮をきたす。

その他、凍瘡様皮疹、頭髪の脱毛、日光過敏も本症に特徴的である。

・筋・関節症状

筋肉痛、関節痛は急性期によくみられる。関節炎もみられるが、骨破壊を伴うことはないのが特徴

<Jaccoud関節症>

・SLEの他、Sjögren症候群、成人発症Still病にも伴うことが知られており,「骨破壊を伴わない整復可能な関節亜脱臼」と表現される。

・滑膜炎ではなく関節包、靭帯、腱など関節周囲組織の炎症性弛緩が原因と考えられている。

・MP関節の屈曲変形と尺側偏位が最も多くみられ、スワンネック変形、PIP関節や母指IP関節の過伸展もよくみられる。MP関節の屈曲変形が生じると、同関節の自動的屈曲運動は保たれるが、自動的伸展運動は失われる

・腎症状

糸球体腎炎(ループス腎炎)は約半数の症例で出現し、放置すると重篤となる。

・神経症状

中枢神経症状を呈する場合は重症である(CNSループス)。

うつ状態、失見当識、妄想などの精神症状と痙攣、脳血管障害がよくみられる。

・心血管症状
心外膜炎はよくみられ、タンポナーデとなることもある。
心筋炎を起こすと、頻脈、不整脈が出現する。
・肺症状

胸膜炎は急性期によくみられる。このほか、間質性肺炎、細胞出血、肺高血圧症は予後不良の病態として注意が必要である。

消化器症状

腹痛がみられる場合には、腸間膜血管炎やループス腹膜炎に注意する。

血液症状

溶血性貧血、白血球減少や血小板減少も認められ、末梢での破壊によると考えられている。

その他:リンパ節腫脹は急性期によくみられる。

 

 

アメリカリウマチ学会による診断基準(1997年改訂)

①  顔面(頬部)紅斑:
・両頬部に見られる紅斑で鼻背を侵す
・一般に鼻唇溝は侵さない(↔皮膚筋炎では鼻唇溝を侵しうる)
・内眼角に接した紅斑は皮膚筋炎に特徴的
・頬部を中心に分布する蝶形紅斑とそれ以外の分布を示す紅斑に分けられる
②  円板状皮疹(ディスコイド疹)
③  光線過敏症
④  口腔潰瘍
・無痛性で口腔あるいは鼻咽腔に出現

⑤  関節炎

・2関節以上の末梢関節で非破壊性

⑥  漿膜炎

・胸膜炎あるいは心膜炎

⑦  腎病変

・0.5g/日以上の持続的蛋白尿か細胞性円柱の出現

⑧  神経学的病変

・痙攣発作あるいは精神障害

⑨  血液学的異常:以下のいずれか

a)溶血性貧血

b)白血球減少(<4000/μLが2回以上)

c)リンパ球減少(<1500/μLが2回以上)

d)血小板減少(<100000/μL)

⑩  免疫学的異常:以下のいずれか

a)抗2本鎖 DNA 抗体陽性

b)抗 Sm 抗体陽性

c)抗リン脂質抗体陽性(抗カルジオリピン抗体、ループスアンチコアグラント、梅毒反応偽陽性)

⑪  抗核抗体陽性
[診断のカテゴリー]
上記項目のうち4項目以上を満たす場合、 全身性エリテマトーデスと診断する。

治療法

(1)非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)
発熱、関節炎などの軽減に用いられる。
(2)ステロイド
・全身性エリテマトーデスの免疫異常を是正するためには副腎皮質ステロイド剤の投与が必要不可欠である。
・一般には経口投与を行ない、疾患の重症度により初回量を決定する。
・ステロイド抵抗性の症例では、ステロイド・パルス療法が用いられる。
・ステロイド抵抗性の症例やステロイド剤に対する重篤副作用が出現する症例においては、免疫抑制剤の投与が考慮される。
(3)その他
・高血圧を伴う場合には、腎機能障害の進行を防ぐためにも積極的な降圧療法が必要となる。
・腎機能が急速に悪化する場合には、早期より血液透析への導入を考慮する。
5.予後
・本症は寛解と増悪を繰り返し、慢性の経過を取ることが多い。
・本症の早期診断、早期治療が可能となった現在、本症の予後は著しく改善し、5年生存率は95%以上となった。
・予後を左右する病態としては、ループス腎炎、中枢神経ループス、抗リン脂質抗体症候群、間質性肺炎、肺胞出血、肺高血圧症などが挙げられる。
・死因としては、従来は腎不全であったが、近年では日和見感染症による感染死が死因の第一位を占めている。
膠原病
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