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NPPV (Noninvasive Positive Pressure Ventilation: 非侵襲的陽圧換気 )

NPPV (Noninvasive Positive Pressure Ventilation:非侵襲的陽圧換気 ) は、侵襲的気道確保(気管挿管)なしに行う人工呼吸法。

【良い適応】
・COPD急性増悪
・心原生肺水腫
これらで、100%酸素でも酸素化が上昇しない場合はNPPVの準備を!

※「バイパップ」≠「NPPV」≠「鼻マスク」
換気モードである「BIPAP(Bilevel Positive Airway Pressure)」はNPPVのみならずIPPV(Invasive Positive Pressure Ventilation:侵襲的陽圧換気療法)にも対応している。
NPPVには「鼻マスク」以外のマスクや接続方法もある。
また、NPPVにはBIPAPのように気道内圧を設定する“従圧式”だけでなく、換気量で設定する“重量式”の選択もある。
そのため、「バイパップ」、「NPPV」、「鼻マスク」の3つの言葉は同じではない。
しかし、商品名のBiPAP®はNPPV用の呼吸器で、NPPVは鼻マスクを用いることが多いので、「バイパップ」「NPPV」「鼻マスク」はほぼ同義語として用いられている。

【特徴】

人工気道(気管チューブ、気管切開チューブ)を留置せず(非侵襲的に)、マスク、ヘルメットを用いて鼻のみ、あるいは口、鼻、あるいは頭部を覆い、上気道から陽圧換気を行う。
ただし侵襲的換気法と違い気道が確保されないため、適応と禁忌を理解し、安全に使用する必要がある。
【適応 】

  意識が清明でマスク装着に協力的
  循環動態が安定している
【禁忌】

  自発呼吸がない  
  不穏で協力が得られない
  嘔吐、誤嚥のリスクが高い
  気道が確保できない、呼吸停止
  循環動態が不安定
  気道分泌物が多く排出できない

【マスクの選択】
・リークを少なくするために、最もよく患者にフィットする最小のサイズで、患者が好むマスクを選択する(大きすぎるとマスク周囲からリークが増える、小さすぎると圧迫感や皮膚障害の原因になる)
・マスクは死腔になるため、可能な範囲で小さいサイズを選択する
・マスクの上端は鼻根部とし、下端は下唇を覆う程度にする
・十分な説明を行い、マスク装着に協力してもらう
・マスクを装着する時はすぐにストラップで固定しないで手でマスクを保持し、マスクの装着感を感じてもらう(→ 陽圧換気に慣れてもらう)
・あわてずにゆっくり呼吸すれば、器械が空気を吸うのを助けてくれることを説明し、患者が器械の呼吸に自分の呼吸を合わせることができるよう声かけを行う
【リークによる不快感の軽減】
・リーク量は10〜30 L/minを目安に調整するが、設定圧を維持していれば許容できることも多い
・上部ストラップが緩すぎる、下部ストラップの締めすぎによる上方向への多量のリークは、角膜の乾燥や炎症を引き起こし、開眼を困難にする
→ マスク周囲に手を近づけて、眼の方向にリークがないか確認、マスクの下方向へリークするよう調整する

【装着中の注意点】
• マスクが曇っているかどうか確認する
• 痰を排出できるかどうか、痰の貯留を医療者に伝えることができるかを確認する
• 口腔内が乾燥しやすいので、適宜観察する
• 本人の呼吸と人工呼吸器が同調しているかどうかを確認する
→ 胸郭の動きを注意深く観察

• 気管挿管のタイミングを遅らせない
NPPVを行っても呼吸状態が悪化する場合(頻呼吸、呼吸補助筋の使用、低酸素血症、高二酸化炭素血症、頻脈、不穏などが改善しない)、開始から2〜4時間後の血液ガス所見で改善がみられないときは、通常、気管挿管が必要。

【初期設定】
1)心原生肺水腫
・CPAPモードにする。
・初期設定:CPAP 4cmH2Oから開始。
・低酸素血症がある場合は5~10㎝H2Oまで上げる。

2)COPD急性増悪(PaCO2上昇時)
・Bi-level PAP(Bi-level positive airway pressure:2相性気道陽圧)モードにする。
・吸気時にIPAP (inspiratory positive airway presure)をかけ, 呼気時にEPAP(expiratory positive airway presure)をかける。
・IPAPをかけると,1回換気量が増えPaCO2が低下する。 EPAPをかけると,酸素化が改善しPaO2が上昇する。
・侵襲的人工呼吸器でいえば, IPAP‐EPAP は Pressure Supportに 相当し,EPAPはPEEPに相当する
・初期導入設定圧は,IPAP 8 cmH2O,EPAP 4cmH2Oを基本(PS =4㎝H2O)。
・最終的には、IPAP =EPAP+5 ~10cmH2O、最大でIPAPは20㎝H2Oまで。

救急呼吸器
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新潟の総合診療医、家庭医療専門医・Dr.がわそのBlog

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