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モルヒネ注射の投与法

【静注か皮下注か?】

・持続皮下注、静注いずれでも良いが、維持輸液不要な持続皮下注の方がよい。

・ただし、突出痛が即時の場合(たとえば骨転移痛で、動いた瞬間から痛みのある場合など)は持続静注の早送りが必要となり、持続静注の方がよいかもしれない。

 

【呼吸苦、呼吸困難に対するモルヒネの効果】

・呼吸困難に対するモルヒネに上限があるかどうかは定説はないが、近年呼吸困難に効果のあるモルヒネは比較的低用量(10~20mg/日まで)であるといわれている。それ以上は、「明確に効果がある」と患者が評価するなら増量は可能である

・眠気が増えたり、患者が評価できない場合、それ以上の増量は呼吸困難の緩和というよりも鎮静の意味合いになってくるため、単純にモルヒネだけを増量することは推奨されていない。

・治療目標をどこにおくかを相談して、「眠気がでてもとにかく楽に」なら、鎮静薬を併用することを考慮する。

具体的処方

【基本メニュー】(医療センター病院のメニュー)
・1%モルヒネ注(10㎎/1ml)2A+生食8ml(2㎎/mⅬ)
小型シリンジポンプで0.2mⅬ/時で開始(=5mⅬ/日=注射10㎎/日=内服20㎎/日相当)
皮下の場合は2mⅬ/時まで可能(最大100㎎/日)
疼痛時は1時間量を早送り。効果がないとき2時間分にしても良い
(RR≧10回なら30分あけて反復可)

 

【モルヒネ2倍希釈液持続皮下注】※ これは皮下注用の指示です
・モルヒネ塩酸塩注5mL(50mg)+生食5mL /合計10mL(5mg/mL )
投与速度上限は0.4mL/時(モルヒネ48mg/日)
投与デバイス:小型シリンジポンプ10mL使用
■0.1mL/時(モルヒネ12mg/日)から開始
■高齢者や全身状態が不良な場合には0.05mL/時(モルヒネ6mg/日)から開始
■ベースアップ:意識清明・RR≧10回を確認して8時間毎に増量可
(0.05ml/時(6㎎)ずつ、最大1日0.15ml/時(18㎎)まで増量可)
■眠気が強い時1-2段階減量可
 -0.05mL/時(モルヒネ6mg/日)
 -0.1mL/時(モルヒネ12mg/日)
 -0.15mL/時(モルヒネ18mg/日)
 -0.2mL/時(モルヒネ24mg/日)
 -0.3mL/時(モルヒネ36mg/日)
 -0.4mL/時(モルヒネ48mg/日)
■疼痛時頓用:1時間分早送り。効果がないとき2時間分にしても良い
(RR≧10回なら30分あけて反復可)

 

【モルヒネ10倍希釈持続静注】※ これは静脈用の指示です
モルヒネ塩酸塩注5mL(50mg)+生食45mL /合計50mL(1mg/mL)
投与速度上限は5.0mL/時(モルヒネ120mg/日)
投与デバイス:シリンジポンプ
■0.5mL /時(モルヒネ12mg/日)から開始
■高齢者や全身状態が不良な場合には0.3mL /時(モルヒネ7.2mg/日)から開始
■ベースアップ:意識清明・RR≧10回を確認して8時間毎に増量可(5mgずつ、最大1日15㎎増量可)
■ベースアップ:5.0mL /時以降は2倍希釈液へ変更
■眠気が強い時1-2段階減量可
 -0.3mL/時(モルヒネ7.2mg/日)
 -0.5mL/時(モルヒネ12mg/日)
 -0.7mL/時(モルヒネ17mg/日)
 -1.0mL/時(モルヒネ24mg/日)
 -1.5mL/時(モルヒネ36mg/日)
 -2.0mL/時(モルヒネ48mg/日)
 -2.5mL/時(モルヒネ60mg/日)
 -3.0mL/時(モルヒネ72mg/日)
 -4.0mL/時(モルヒネ96mg/日)
 -5.0mL/時(モルヒネ120mg/日)
■疼痛時頓用:1時間分早送り。効果がないとき2時間分にしても良い
(RR≧10回なら30分あけて反復可)

 

【シリンジポンプが使用できない時】
・1%モルヒネ注(10㎎/1ml)1A+生食100ml(0.1㎎/mⅬ)
4mⅬ/時で開始(=96mⅬ/日=注射10㎎/日=内服20㎎/日)
疼痛時は1時間量を早送り、(RR≧10回なら30分あけて反復可)
・ただし高齢者や全身状態が不良な場合には半量(注射5㎎/日)から開始。
・疼痛時は1時間量を早送り、効果がないとき2時間分にしても良い
(RR≧10回なら30分あけて反復可)

 

Dr.大津の 誰でもわかる 医療用麻薬
大津 秀一
医学書院
2017-05-27

 

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新潟の総合診療医、家庭医療専門医・Dr.がわそのBlog

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