総論
・3㎎/mⅬ製剤(カタボンHi、カコージンD0.3%、ドブポン0.3%)であれば、
体重50㎏の人で1ml/時=1γ
・敗血症性ショック、心原性ショックの第一選択は「ノルアドレナリン」(α1、β1)
・アナフィラキシーショックではβ2気管支拡張作用のある「アドレナリン」(ボスミン®)が第1選択
交感神経作用
α作用:末梢血管収縮作用
β1作用:心収縮力増大作用
β2作用:末梢血管拡張作用
薬剤各論
ドパミン(DOA):イノバン®、カコージン®、カタボン®、プレドパ®
・α(末梢血管収縮)作用が優位で、β1(心収縮力増大)作用もある程度持つ。
・用量により作用が異なる
・用量により作用が異なる
3γ以下:DA1受容体作用による腎動脈拡張作用→利尿作用
3~10γ:β1刺激作用による心収縮増大+α刺激作用による末梢血管抵抗増大(昇圧目的)
10γ以上:α刺激作用がメインとなり昇圧作用を示すが、腎血管も収縮
※ 催不整脈作用もあり、10γ以上では使用しないこと(ノルアドレナリン併用へ)
処方例
イノバン0.3%シリンジポンプ専用®(150mg/50mⅬ)
体重50kg換算:1γ=1mⅬ/時より開始。最大10mⅬ/時まで
ドブタミン(DOB):ドブポン®、ドブトレックス®
・β1(心収縮力増大)作用が優位なカテコールアミン製剤。
・心筋の酸素消費量を増大させず、心収縮力増大作用のみ発揮するため、心不全に効果的。
・注意点:
末梢血管拡張作用があるため、心拍出量は増加しても、血圧は不変またはやや低下し、効果的な血圧上昇は認めない。
処方例:
・ドブポン0.3%シリンジ®(150㎎/50mL)
体重50kg換算:1γ=1mⅬ/時より開始。0.5~1ml/時ずつ増減。最大10mⅬ/時まで。
・ドブトレックス(100㎎/5ml)3A+生食85ml(300㎎/100mL)
体重50kg換算:1γ=1mⅬ/時より開始。0.5~1ml/時ずつ増減。最大10mⅬ/時まで。
ノルアドレナリン(NAD):ノルアドレナリン
・敗血症性ショック、心原性ショックの第一選択は「ノルアドレナリン」(α1、β1)
・強力なα受容体刺激による血管収縮作用、β1刺激による心筋収縮力増大作用あり、血圧上昇に著明な効果があるカテコールアミン。
・β2刺激作用(血管拡張作用)がないため、血圧上昇作用は強力。
・末梢血管収縮作用が強いため、末梢循環不全を起こす可能性あり。
処方例:
1)
ノルアドレナリン注(1㎎/mⅬ)+生食19mⅬ=1㎎/20mⅬ
体重50kg換算:0.05γ=3.0mⅬ/時より開始、血圧を見ながら0.05γ(=3mⅬ時)ずつ増量、最大0.3γ(18ml/時)
2)
ノルアドレナリン5A+生食45m=1㎎/10mL
体重50kg換算:0.05γ=1mⅬ/時より開始、血圧を見ながら0.05γ(=1mⅬ時)ずつ増量、最大0.3γ(6ml/時)
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