肺エコーの原則
・肺エコーは肺を見るのではなく、「胸膜」を見る。
適応疾患
・気胸(感度78~91%)
※一方胸部X線の感度は39~47%
・心不全
・肺炎
・COPD急性増悪
プローブ、設定
・リニアプローブ使用
・「depth:4~6cm]
で設定
体位
・仰臥位
画面設定
・画面左が被検者の右側、頭側(腹部エコーと同じ)
最低限プローベを当てるべき部位
① 仰臥位になった時一番高い位置になる前胸部
・気胸時に空気が最も貯まると考えらえる部位
②側胸部
・胸水やconsolidation(硬化像)を認めやすい部位
上記①、②のそれぞれ左右の計4か所には当てる。
所見
① lung slidingが正常でみられる(Bモード)
・臓側胸膜の呼吸性変動
・気胸では消失(分かりにくい時は左右差を見るとよい)
・胸膜癒着や無気肺でも消失するため注意
② Bライン
・胸膜から画像深部まで減衰しないで伸びる彗星の尾のようなアーチファクト
・lung slidingと同調して動く
・気胸では消失する
・1肋間に3本以上見えるときは異常。肺水腫(前腋窩線第3肋間)、肺炎、ARDSなど
③ lung pulse sign
・心拍動が肺を介して伝わり、胸膜が拍動性に動く所見。
・気胸では消失する
④ seashore signがみられる(Mモード)
・lung sliding陽性の場合、呼吸によって動かない表皮から胸膜までは、Mモードで横縞模様の画像となる。
・そして胸膜より深部は呼吸により不規則に変化するため、Mモードではテレビの砂嵐のように見える。
・表皮から胸膜までの横縞模様を「打ち寄せる波」、胸膜より深部を「砂浜」に見立ててseashore signと呼ぶ。
⑤ barcorde(stratosphere) sign(Mモード)
・lung sliding陰性の場合、表皮から胸膜、胸膜より深部のいずれも呼吸による動きが消失するため、全層性に横縞模様が得られる。
A. Normal lung pattern on M-mode: the seashore sign.
B. the barcorde(stratosphere) sign.
C. M-mode evaluation of the lung point: a sudden change from the seashore to the stratosphere sign is clearly visible (arrow). (Modified from Lichtenstein et al, 2000 48).
参考文献:
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