原則
採取すべき状況
・入院を要するような感染症の場合、血液培養は必須。
・少なくとも静注抗菌薬開始前には採取すべき。
(ガイドライン)
採取法
・原則として2セット採取
・感染性心内膜炎を疑う場合など、できるだけ感度を上げたい場合は4セット採取する。
(まず2セット採取して、1時間以上あけてもう2セット採取する)
コンタミネーション
コンタミネーションである可能性が高い菌種
・Propionibacterium(プロピオニバクテリウム)属
・Corynebacterium(コリネバクテリウム)属
・Bacillus(バチルス)属
・CNS
※ 上記菌種が2セット中、1セットのみで検出された場合はコンタミネーションの可能性が高いが、
2セット中2セットで陽性であれば、真の原因微生物である可能性を考慮しなければならない。
※ ただしCNSの中でもStaphylococcus lugdunensisは病原性が高く、血液培養から発育した場合は黄色ブドウ球菌に準じて考える。
コンタミネーションである可能性は低い(真の菌血症の可能性が高い菌)
・黄色ブドウ球菌
・肺炎球菌
・A群連鎖球菌
・ほとんどのグラム陰性桿菌
・Bacteroides属
・Candida属
※ これらは1セットでも陽性になれば真の菌血症と判断する。
判定
・菌種と培養陽性までに要する時間から判断する。
・多くは72時間程度で情報の大枠が分かる(72時間培養が陰性なら98%は陰性)
・グラム陽性球菌の菌血症では、常に感染性心内膜炎を疑う
・「培養陰性」であるという情報も、治療の見通しをつける意味で重要である。
血液培養が陽性になるまでの時間(TTP:time to positive)
・一般に、コンタミネーションでは菌量が少ないためTTPは長い(平均20.6時間)
・一方、真の菌血症では菌量が多いため、TTPは短い(平均12.7時間)
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