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高K血症(高カリウム血症)の鑑別、緊急性、治療 

高カリウム血症の原因 

腎機能障害

・腎機能障害のみではGFR<15~30mL/min程度まで低下しないと高カリウムは生じないとされる

→ GFR>15~30の場合は腎障害以外の原因も考えること

 

薬剤性

ACE阻害薬

ARB

抗アルドステロン薬

NSAIDs

β遮断薬

ジギタリス

ST合剤など

 

アシデミア

アシデミアの時、細胞外液に増えたH+が細胞内に流入するため、代わりに細胞内からカリウムが流出し、高カリウムとなる

(アルカレミアでは逆に低カリウム血症になる)

 

偽性高カリウム血症

採血手技による溶血など

 

緊急を要する高カリウム血症

・血清K≧6.5mEq/L

・症状がある時(筋肉の脱力症状、心電図変化や不整脈)

・血清K≧5.5mEq/Lで重篤な腎障害がある時や、さらに高カリウムが悪化することが予想される場合(横紋筋融解、腫瘍崩壊症候群など)

 

心電図変化

K6.0:T波増高、テント状T波(尖鋭化した左右対称性T波)

K6.5:QRS幅拡大

K7.0以上:P波減高、PR延長、P波消失、徐脈

K8.0以上:VF、心停止

K10.0:サインカーブ状波形、心静止

(「仮テントで長く暮す北京」)

 

テント状T波

・胸部誘導(特にV2~4)において1.0mV(10㎜)以上、四肢誘導において0.5mV(0.5㎜)以上の左右対称性なT波増高

鑑別:hyperacute T wave(急性心筋梗塞の超急性期におけるT波増高)

・左右非対称

・上行傾斜型ST低下に続く直線的(または上に凸)なT波の上行脚

・QRSより高いT波

・幅広く尖ったT波

・虚血領域に一致したT波の増高(高カリウムでは全領域の変化)

 

治療

※ 心電図変化がなくても、血清K≧6.5mEq/Lの時は治療開始!

高K血症の治療は3段階の緊急度を覚える

1.ショック(SBP<80)、P波消失
→緊急:まず①、②、その後③、④を考慮

 

2.低血圧(100~80)、P波あり
→準緊急:まず②、その後③、④を考慮

 

3.バイタルサインOK(SBP>100)、P波あり
→救急ではない:心電図モニターとバイタルサインの観察

 

緊急性のある場合の治療

① グルコン酸カルシウム(カルチコール8.5%®)

・10ml 1Aを3~6分以上かけてゆっくり静注

・5分後再評価、心電図異常が改善しない場合は再投与(合計2Aまで)

・作用機序とポイント:Kとの拮抗作用で心筋興奮性を抑制。

・ジゴキシン過量投与時にはジギタリスの心毒性を悪化させるために注意が必要

 

② グルコース・インスリン療法

50%ブドウ糖40ml+レギュラーインスリン10単位(ブドウ糖2~2.5gにインスリン1単位)
・作用機序とポイント:Kの細胞内シフトを促す

・効果発現に10分を要するが効果大。効果は2~4時間持続

・ベースラインの血糖が100未満ではブドウ糖50g、100~200ではブドウ糖25g、200以上ではインスリンのみ

 

③ 炭酸水素ナトリウム(メイロン7%®20ml/A)60mlを5分以上かけて静注

・アシドーシスがある時、細胞外液に増えたH+が細胞内に流入するため、細胞内からカリウムが流出し、高カリウムとなるため)

・作用機序とポイント:アルカリ化により、Kの細胞内シフトを促す

・効果発現は早いが、アシドーシスがなければ効果なし

 

④ β刺激薬吸入 ※単独使用や心疾患患者には避ける

・サルブタモール(ベネトリン®、サルタノール®:5㎎/1ml)20㎎(気管支喘息用の4~8倍)を生食に溶いて、20分以上かけて吸入

・作用機序とポイント:カテコラミンはβ2受容体を介してNa/K-ATPaseを活性化し、Kの細胞内にシフトさせる。

 

⑤ 利尿薬

・Kの腎排泄を促す

・ラシックス40㎎静注または経口

 

 

緊急性のない高カリウム血症の治療

・K制限食

・利尿剤(体液過剰の場合)

・ジルコニウム̪シクロケイ酸(ロケルマ®)

近年本邦での現在カリウム吸着薬の第1選択

 

 

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