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DOAC(direct oral anticoagulant)使い分け

「弁膜症性」と「非弁膜症性」心房細動

弁膜症性→ワルファリンの適応

・機械弁置換術後

・中等度以上の僧帽弁狭窄症を合併

 

非弁膜症性→DOACの適応

・上記以外

・生体弁置換術後

・弁形成術後

 

HAS-BLEDスコア

出血のリスク評価

3点以上は高出血リスク

→3点以上でも抗凝固療法を控えるのではなく、修正可能なリスクに介入する

H:Hypertension,Uncontrolled, >160 mmHg systolic:1点
(コントロール不良の高血圧)
収縮期血圧>160mmHg
A:abnormal Renal / Liver function:各1点
(腎機能障害または肝機能障害)
:維持透析中、腎移植後、 Cr >2.26 mg/dL
:肝硬変など、ビリルビン >正常上限×2、AST/ALT/AP >正常上限×3
S:Stroke history:1点
(出血性脳卒中の既往)
B:bleeding:1点
(大出血の既往)
入院や輸血が必要な出血、Hb低下>2g/dL
L:Labile INR:1点
(不安定なINR値)
ワルファリン療法中のINR値が不安定(治療域にある期間(time in therapeutic range)の割合が60%未満の場合と定義される)
E:elderly:1点
高齢者)
65歳以上
D:drugs/alcohol:各1点
(薬剤または飲酒)
薬剤使用(非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)または抗血小板薬の併用)
過度な飲酒(アルコール依存、アルコール>20g/日

 

DOACの概要

・トロンビン(Ⅱa)とⅩaを直接阻害できる経口抗凝固薬

※ 「トロンビン阻害」はダビガトラン(プラザキサ®)のみ、他はⅩa阻害

※ ダビガトラン(プラザキサ®)には「静脈血栓症」の適応はない

※ 各DOACを直接比較した試験はなく、適応の範囲内でどのDOACを選択してもよい 

※半減期はほぼ半日程度

 

CHADS₂ score、CHA₂DS₂-VASc score

CHADS₂(チャッズ・ツー)スコア

・CHADS₂スコアは非弁膜症性心房細動の、脳梗塞発症リスクを簡便に計算するツールである。

・うっ血性心不全(C)、高血圧(H)、年齢(A: 75歳以上)、糖尿病(D)、脳卒中/一過性脳虚血発作の既往(S: Stroke/TIA)の頭文字を取ったもので、それぞれの該当する項目に点数(Stroke/TIAは2点、他は各1点)をつけ、合計点でリスクを層別化する。

※「非弁膜症性心房細動」とは、リウマチ性僧帽弁疾患、人工弁および僧帽弁修復術の既往を有さない心房細動を指す。

 

※ 1点以上でDOAC推奨、ワーファリン考慮可(年齢によらずPT-INR1.6~2.6)

・congestive heart failure(うっ血性心不全) 1点
・hypertension(高血圧症) 1点
・age≧75y(75歳以上) 1点
・diabetes melllitus(糖尿病) 1点
・stroke/TIA(既往) 2点

 

脳梗塞年間発症率

0点:1.9%

1点:2.8%

2点:4.0%

3点:5.9%

4点:8.5%

5点:12.5%

6点:18.2%

参照:http://www.stop-afstroke.jp/risk/index02.html

CHA₂DS₂-VAScスコア

CHA₂DS₂-VAScスコアとは:

・非弁膜性心房細動による脳梗塞発症の危険因子として、CHADS2スコアで用いられる危険因子以外にも「心筋症」「年齢(65-74歳)」「心筋梗塞の既往」「大動脈プラーク」「血管疾患」「性別(女性)」等が報告されている

・CHADS2スコアよりもさらに細かく評価することで、CHADS2スコアにおける1点以下の群から脳梗塞の高リスク群や極めて低リスク群を抽出することが可能となる

・CHA₂DS₂-VAScスコアは低リスク群の確実な同定に優れていると評価されています.

・男性でスコア0点、女性でスコア1点(これは女性という性別因子のみ加点された状態)が「真の低リスク」とされます。このレベルでは脳梗塞リスクが非常に低いため、抗凝固療法は不要とされるのが一般的です。

・それ以上のスコア(男性1点以上、女性2点以上)になると抗凝固療法の検討・推奨対象となります。

・日本人において、「血管疾患(Vascular disease)」「年齢(Age:65~74歳)「「女性(Sex category)」の因子は有意な危険因子ではないこと、CHADS2スコアより優れたリスクスコアが創出されていないといったことから、『「不整脈薬物治療ガイドライン」では、CHADS2スコアを基本とすることが適切』としている。

 

 

注) 

・非弁膜性心房細動がcommon diseaseであることを考慮すると、不整脈専門外の医師が抗凝固療法に携わることが必須であり、複雑な指標は実際には使用困難である。

・したがって、より簡便なCHADS2スコアを用いながら、CHA2DS2-VAScスコアを補完的に使用することが実地診療では現実的と思われる。

 

 

HAS-BLEDスコア

出血のリスク評価

3点以上は高出血リスク

→3点以上でも抗凝固療法を控えるのではなく、修正可能なリスクに介入する

H:Hypertension,Uncontrolled, >160 mmHg systolic:1点
(コントロール不良の高血圧)
収縮期血圧>160mmHg
A:abnormal Renal / Liver function:各1点
(腎機能障害または肝機能障害)
:維持透析中、腎移植後、 Cr >2.26 mg/dL
:肝硬変など、ビリルビン >正常上限×2、AST/ALT/AP >正常上限×3
S:Stroke history:1点
(出血性脳卒中の既往)
B:bleeding:1点
(大出血の既往)
入院や輸血が必要な出血、Hb低下>2g/dL
L:Labile INR:1点
(不安定なINR値)
ワルファリン療法中のINR値が不安定(治療域にある期間(time in therapeutic range)の割合が60%未満の場合と定義される)
E:elderly:1点
高齢者)
65歳以上
D:drugs/alcohol:各1点
(薬剤または飲酒)
薬剤使用(非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)または抗血小板薬の併用)
過度な飲酒(アルコール依存、アルコール>20g/日

 

DOAC各論

エドキサバン(リクシアナ® 15㎎、30㎎、60㎎錠)

・唯一の国産DOAC

1日1回(どうしても1日2回内服できない時に選択)

・あらゆる患者群で出血イベントがワルファリンより有意に少ない

・通常量60㎎ 1日1回

・体重60㎏以下、Ccr50ml/min以下、P糖蛋白阻害薬併用時のいずれかがある場合は1日1回30㎎に減量する

・「出血性リスクの高い高齢者(主に80歳以上)」では、年齢、患者の状態に応じて1日1回15mgに減量できる(2021年8月~)

Ccr15ml/min未満の場合は投与禁忌

 

アピキサバン(エリキュース® 2.5㎎、5mg錠)

・あらゆる患者群で出血イベントがワルファリンより有意に少ない。

・アピキサバン(エリキュース®)には体重(体重60kg以下)、年齢(80歳以上)、腎機能(血清クレアチニン1.5mg/dL以上)による減量規定がある。

高齢(80歳以上)、低体重(60kg以下)、腎機能障害(Cr≧1.5)など、出血リスクが高い患者であっても投与可能

 

用量:

<非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制>

通常:

1回 5mg 1日2回

80歳以上、60㎏以下、Cr1.5㎎/dL以上のいずれか2つ以上に該当する場合:

1回 2.5㎎ 1日2回に減量

 

<静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>

通常1回10mgを1日2回、7日間経口投与した後、1回5mgを1日2回経口投与する。

 

禁忌:

高齢(80歳以上)、低体重(60kg以下)、腎機能障害(Cr≧1.5)の3つとも該当する場合

「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」では
Ccr15mL/min未満の場合

・「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制」では

CLcr30mL/min未満の場合

 

ダビガトラン(プラザキサ®75㎎、110㎎カプセル)

・第Ⅱa因子(トロンビン)直接阻害薬

・脳卒中、全身塞栓症予防効果は抗凝固薬中最高、一方大出血頻度はワーファリンと同等

→比較的若年者(70歳未満)で腎機能が良ければ第一選択

・通常 110㎎×2回/日で

・腎排泄率が高いため、Ccr <50ml/分では避けたほうが良い(30未満では禁忌)

 

拮抗薬

・ダビガトラン(プラザキサ®)

→イダルシズマブ(プリズバインド®静注液)

 

・Ⅹa阻害薬(アピキサバン、リバーロキサバン、エドキサバン)

→アンデキサネットアルファ(オンデキサ®静注用)

 

・DOAC全般

→プロトロンビン複合体製剤、遺伝子組み換え活性型第VII因子製剤投与

 

 

 

(参照:)

 

 

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