CcrとGFRの違い
・
eGFR(mL/min/1.73 ㎡)が標準体形に補正してある意義
・1.73m²とは、標準的な体型(170cm、63kg)における体表面積。
・小柄な体格の方は体格なりの小さな GFR で十分なのに、体表面積補正をすると、腎機能を過大評価してしまう。
・CKDの重症度分類では、「体表面積補正eGFR(L/分/1.73m2)」が採用されている。
もし体表面積未補正 eGFR(mL/min)を CKD の診断指標に用いると、小柄な体格の方は体格なりの小さな GFR で十分なのに、CKD と診断されてしまうことになるためである。
例
女性アイドル歌手のBさん:145cm、39kg、30 歳、血清 Cr 値 0.7mg/dL
・A さんの eGFR 補正値は 73.1mL/min/1.73m² であり、eGFR 未補正値は 100.4mL/min 。
・B さんの eGFR 補正値は 79.8mL/min/1.73m²であり、eGFR 未補正値は 58.0mL/min 。
・では、B さんの eGFR 未補正値は 58.0mL/min になり、60mL/min<GFR となるため B さんは 30歳という若さでありながら CKD でしょうか?
・答えは「否」です。B さんは小柄な大人であるため、腎機能が 60mL/min 未満であっても体格なりの機能はあり、病気とは考えられません。
・ただし薬物の排泄機能は低いため、体が小さい分、腎排泄性薬物の投与量は減量する必要があります。
・したがって、CKD の診断指標には 「体表面積補正したeGFR 補正値(mL/min/1.73m²)」を用い、薬物投与設計には「体表面積未補正のeGFR 未補正値(mL/min)またはCCr(mL/min)」を用いる必要がある。
・痩せた高齢者で筋肉量が少ないため 、eGFR が高く推算される場合には、正確に腎機能を評価するには「実測 CCr×0.715」 あるいは「シスタチン C による体表面積未補正 eGFR(mL/min)」を用いるとよい。
参照:
http://jsnp.kenkyuukai.jp/images/sys%5Cinformation%5C20120308120001-1550BE9B16BDDC6D0A7BAF4B1FC4855F19ADBDFDE50D1153A773AE15D1DA8F9F.pdf
CCr計算式(Cockcroft-Gault 式)
※ 「性別」「年齢」「血清Cr値」「体重」が必要
女性:0.85 x 男性の値
計算式
eGFR計算式(体表面積補正)
計算式
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