参照:褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドライン2018
疾患
・副腎髄質細胞や交感神経節細胞などクロム親和性細胞から発生する腫瘍で、カテコラミンを多量に産生、分泌することにより、高血圧や代謝亢進をきたす疾患。
・主に副腎髄質から発生するが、まれに副腎外(頸部・胸部・膀胱付近などの傍神経節)に発生することもあり、これらはパラガングリオーマ(副腎外褐色細胞腫)と呼ばれる(約10%)。
症状
5H:
高血圧
代謝亢進
高血糖
頭痛
発汗過多(hyperhidrosis)
他の所見
・腹部触診や体を捻った際に腫瘍が圧迫され、カテコーラミン分泌が促進され、高血圧緊急症をきたすことがある
・炎症反応陽性、血小板増多(多血症)をきたす場合もある
・高コレステロール血症(カテコラミンの脂質合成亢進作用による)
検査所見
※ 空腹時で、少なくとも20分以上の安静臥床後に採血する
検査項目
・血中カテコールアミン分画(アドレナリン、ノルアドレナリン)
正常上限の3倍以上、またはアドレナリンとノルアドレナリンの和≧2000pg/mL
・随時尿中メタネフリン分画(メタネフリン、ノルメタネフリン)
正常上限の3倍以上、または500ng/mg・Cr以上
・24時間尿中カテコールアミン
正常上限の2倍以上
・24時間尿中総メタネフリン分画
正常上限の3倍以上
※ノルアドレナリンは副腎でのみアドレナリンに代謝されるため、「両者がともに高値の場合は副腎原発」、「ノルアドレナリンのみ高値の場合は副腎外原発」が示唆される
※メタネフリンはアドレナリン、ノルメタネフリンはノルアドレナリンの代謝産物で、神経終末や標的細胞内においてカテコール-O-メチル転換酵素(COMT)の作用によりメチル化を受け生成される。
画像検査
※血管造影や造影CTは、ヨード造影剤の副作用による高血圧発作やショックを誘発することあがあるため禁忌
MRI
単純CT
シンチグラフィー(123 I-MIBG)
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