参考:
小葉とは:
・結合組織隔壁によって囲まれる肺構造の最小のものである。
・ある程度の数の肺胞が集まった、肺の構成単位。大体1辺が1cm程度の多面体(CTで見ると多角形)で、中心部に終末細気管支と伴走する肺動脈がある。
・周囲は小葉間隔壁と呼ばれる薄い壁で境されており、隔壁内に肺静脈やリンパ管を含んでいる。
・小葉には細気管支の端っこと、その細気管支が支配するひとかたまりの肺胞が含まれている。
参考(このサイトより引用):https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/20819
・小葉の1辺は1cm程度で、細気管支の端っこは、径が0.5mm、そして肺胞は大きさ0.2mm
・気管支にはずっと肺動脈が伴走。そして、径は気管支と同じ、故に肺動脈の端っこは0.5mm。
・肺動脈は小葉の中心部で終わっている。というか、そこから周りの肺胞(周囲の毛細血管)に静脈血が散らばっていきます。肺胞周囲の毛細血管を通過する過程で、静脈血は空気と触れてガス交換を行い、酸素化されて動脈血になるのです。その後、小葉を囲う隔壁(小葉の辺縁部)内にある肺静脈に還っていくのです。
・小葉構造がナゼ大事かといいますと、粒状影が小葉構造のどこに乗っているか、それによって、どの構造物がやられているかが推測できるからです。
【小葉構造のどこに粒状影が乗っているかによって、大きく3つのパターンに分類される】
●小葉中心性分布
・小葉の中心部に存在する:細気管支に関連する陰影
・肺結核、非結核性抗酸菌症、気管支肺炎(マイコプラズマ、インフルエンザ桿菌、ウイルス感染症、ニューモシスチス肺炎など)、びまん性汎細気管支炎
●小葉中心性分布
・小葉の中心部に存在する:細気管支に関連する陰影
・肺結核、非結核性抗酸菌症、気管支肺炎(マイコプラズマ、インフルエンザ桿菌、ウイルス感染症、ニューモシスチス肺炎など)、びまん性汎細気管支炎
参考(このサイトより引用):https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/20819
●リンパ路性分布
・小葉の中心部、ならびに辺縁部に存在する:リンパ管・広義間質に関連する陰影
・サルコイドーシス、癌性リンパ管症、
・胸膜面に結節が接している
・小葉の中心部、ならびに辺縁部に存在する:リンパ管・広義間質に関連する陰影
・サルコイドーシス、癌性リンパ管症、
・胸膜面に結節が接している
●ランダム分布
・小葉とは無関係に存在する:毛細)血管に関連する陰影
・粟粒結核、癌の血行性転移
・粟粒結核、癌の血行性転移
ですから、HRCT(高分解能CT)で、粒状影が小葉のどの辺に存在するかを確認できれば、肺内構造物の何と関連する病変であるかがわかる、という寸法になります。
小葉中心性粒状影の代表例として良く挙げられるのは、びまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis:DPB)という疾患です。細気管支のあるところ=肺の端から数mm離れたところですから、肺の1番外縁部から数mm離れたところに、飛び飛びの白い陰影(粒状影)が生じます。
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