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蛇(マムシ)咬症

 

<蛇(マムシ)咬傷>
・マムシの特徴
三角形の頭、銭形の文様
典型的には二つの歯牙痕(約1cmの間隔)

 

参照:http://hospi.sakura.ne.jp/wp/wp-content/themes/generalist/img/medical/jhn-cq-gotochuoh-191107.pdf

 

【マムシの毒の作用】

出血作用、腫脹作用
壊死作用
血小板凝集作用
血小板凝集阻止作用
トロンビン様作用
血液凝固阻止作用
線溶作用、溶血作用
末梢血管拡張作用
毛細血管透過性亢進作用
神経毒作用(→複視を訴えるのがマムシ咬傷の特徴)

【症状】

• 激しい疼痛、腫脹(20分~30分)、出血、皮下出血、水疱形成、
•リンパ節の腫脹と圧痛(1~2時間)
• 循環器系:重症では、体液減少性ショック、血圧低下
• 神経系:発熱、めまい、意識混濁
• 消化器系:まれに悪心、嘔吐、腹痛、下痢
• 腎系:急性腎不全による乏尿、無尿、蛋白尿、血尿(3~9日後)
• DIC
• 腫脹部に筋懐死を生じることあり
重症例では、眼筋麻痺による霧視・複視・視力低下
腫脹は受傷24時間~3日後にピークに達してほぼ72時間前後より消退していき、
約2週間で消える。

【重症度Grade 分類】
(崎尾秀彦,横山孝一,内田朝彦:当院におけるマムシ咬傷について.臨外 40:1295-1297,1985)

Grade Ⅰ :咬まれた局所の腫脹
Grade Ⅱ :手関節、足関節までの腫脹
Grade Ⅲ :肘・膝関節までの腫脹
Grade Ⅳ :1肢全体に及ぶ腫脹
Grade Ⅴ :体幹に及ぶ腫脹、または全身症状(嘔気、嘔吐、脱力、血圧低下、複視、霧視など)を
伴うもの

【初期対応】
強く縛り過ぎないこと!
・中枢側を皮下静脈が浮く程度に軽く縛る。
・強く縛るのは無意味、むしろ局所虚血により有害
切開はエビデンスなし
※ 2002年のNEJM毒蛇咬傷総説では、駆血帯、切開、吸引は厳禁(strongly discouraged).

【治療】

▼輸液路確保
マムシ毒による血管透過性亢進のために、細胞外液が減少して急性腎不全に陥ることがあるため、1500~2000ml/日の輸液を行う。
※ 駆血はルート確保後解除

 

▼感染予防
・抗生物質の投与(第1世代セフェムなど)

・破傷風トキソイドの投与(マムシ抗毒素添付文書より)

 咬傷局所からの破傷風菌の混合感染の危険性が考慮される場合には,次の処置をとることが望ましい。
 ① 破傷風基礎免疫完了者:沈降破傷風トキソイドの追加接種
 ② 破傷風基礎免疫未完了者:抗破傷風人免疫グロブリン250~500IU投与,同時に反対
側へ沈降破傷風トキソイドを接種
▼セファランチン 注 1A(10㎎)静注
・ツヅラフジ科のタマサキツヅラフジ抽出されたアルカロイド
・抗血清のように直接的な解毒作用はない
・細胞膜の安定化、抗炎症作用、心血管機能回復作用など
・マウスでマムシ毒に対する致死抑制作用あるが、人間への治療効果については様々な意見あり
・副作用はほとんどない

 

▼ステロイド:ヒドロコルチゾン300㎎、メチルプレドニゾロン125㎎
・強力な抗炎症作用が腫脹の改善に効果的であったとの報告もある。

・重症例ではパルス療法を施行することもある。

 

▼抗マムシ血清静注:→GradeⅢ以上で考慮

<注意点>
・マムシ毒で免疫したウマの血清を精製処理して得たマムシ抗毒素を凍結乾燥したものである(ウマ免疫グロブリン)
 ⇒ウマ由来の製剤使用歴があれば、アレルギーのリスクがある

 ⇒原則生涯1度のみ使用可能

・マムシ毒に対する中和作用がある。⇒中和するまで追加投与が必要な場合がある

・アナフィラキシーの発現率が3-5%ある。
・血清病(数日から数週間後に発症する腎炎や関節炎が特徴)の発現率が10-20%ある。
・ショックは5~10分の間に発現することが多い
・投与中は勿論,さらに30分後まで血圧を測定する。
・抗毒素血清投与前にアドレナリン0.3㎎筋注にてアナフィラキシーを1/4に減少できる(Dr.林)
・著しい血圧降下がおこったら,直ちにエピネフリンの注射等,適切な処置を行う。
※過去の判例で,マムシ咬傷で抗マムシ血清を投与せず死亡した症例に対して,医師側が敗訴している。(1990,鳥取地裁)
◆投与前の注意
血清テスト開始
皮内試験法:10倍希釈液0.1mLを皮内に注射して,30分間全身症状の有無及び注射局所の反応を観察し,下記の判定基準により判定する。
<陽性>
高度の過敏症:著しい血圧の降下,顔面蒼白,冷汗,虚脱,四肢末端の冷感,呼吸困難などの全身症状の発現
軽度の過敏症:直径10mm程度の紅斑,発赤又は膨疹
<陰性>
上記の判定基準未満
反応陰性あるいは軽微の場合は,本剤の1mLを皮下に注射して30分間反応を観察し,異常のない場合には,所要量を全量静脈内にゆっくり注射する。

<投与法>
抗マムシ血清6,000U(1バイアル) 点滴静注。症状進行時は追加投与も考慮)
:小児、妊婦でも同量
・本剤を生理食塩液等で10~20倍に希釈して、1分間1~2mL位の速さで注射し,血圧測定そ

の他の観察を続けること(皮下、筋注では効果なし)

 

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