手順
検体を耳かきひとすくい程度、または爪楊枝ごく少量とる
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検体を膜状、または樹枝状に薄く広げる
(尿や髄液はスライドガラスに一滴直接たらしてそのまま広げない)
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スライドガラスをドライヤーの熱風で乾かす
30㎝程度離して、裏面からでも可
(バーナーでの火炎固定は省略できる)
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バーナーの上を軽く2回通過させる(火炎固定)
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クリスタルバイオレット液(青)をかけてて10~30秒
その後背面から洗浄
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ルゴール液(茶)で30秒
その後洗浄
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アルコールで脱色10~20秒
その後洗浄
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サフラニン液(赤)を30秒
その後洗浄
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ペーパータオルで表裏の水滴をそっととる
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ドライヤーで乾燥
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検鏡(肉眼、100倍1000倍)
1)グラム陽性球菌(GPC)
・ブドウ球菌、連鎖球菌、グラム陽性双球菌(腸球菌または肺炎球菌)の3タイプに分類
・球菌が4つかたまった「田んぼの田」が複数あれば「ブドウ球菌」
・6連鎖以上あれば「連鎖球菌」
・2連鎖または長くて4連鎖の短い菌は「腸球菌か肺炎球菌」
・腸球菌は横隔膜より足側由来の検体、肺炎球菌は横隔膜より頭側検体由来が多い
・肺炎球菌は周囲に白い莢膜がある
2)グラム陰性球菌(GNC)
・モラクセラ、淋菌、髄膜炎菌の3タイプ
・いずれもソラマメ型をした双球菌で見た目からは鑑別できないが、検体で鑑別できる
・肺炎、気管支炎の喀痰や副鼻腔炎の鼻汁では「モラクセラ」
・尿道炎の尿分泌物なら淋菌
・髄液なら髄膜炎菌
3)グラム陰性桿菌(GNR)
・「大腸菌、クレブシエラやその類縁」「インフルエンザ桿菌」「緑膿菌やその類縁」の3タイプに分類
・縦横比が1:2~3のソーセージ型なら大腸菌タイプ
・大腸菌より少し大きくて莢膜があればクレブシエラ
・球菌と間違えそうなくらい、大腸菌よりかなり小さい陰性桿菌はインフルエンザ桿菌
・大腸菌よりかなり細い陰性桿菌は緑膿菌タイプ
3)多種多様、複数菌種が見える場合
・嫌気性菌の関与やそれによる膿瘍形成など、「嫌気性菌を含む混合感染」を考える
・喀痰であれば誤嚥性肺炎や肺膿瘍を考える
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