毛の構造
毛包(または「毛嚢」):
毛穴を中心に皮膚に「埋め込まれた」ような小さな円筒形の構造物全体をいう。
毛隆起(バルジ);
立毛筋の結合部に位置
毛包幹細胞と色素幹細胞の2種類の幹細胞が存在し、毛包全体に新たな細胞を供給する部位
皮膚の表面からの深さは1~1.5mm
毛球(バルブ):
毛包の下端の少し膨隆している部位。
毛包に包まれるように、「毛乳頭」と呼ばれる部位がある。毛乳頭は主として結合組織と毛細血管ループからなる。
毛乳頭を囲むように「毛母細胞」という毛のもとになる細胞がある
毛母細胞が毛乳頭からの働きかけによって細胞分裂することで毛が成長する。
皮膚表面からの深さは3~7mm
レーザー脱毛について
永久脱毛を達成するための条件
・毛の成長の源である毛包幹細胞やメラノサイトの幹細胞(色素幹細胞)はパルジ領域にあり、ここから幹細胞が乳頭部に移行し、上行する毛乳頭細胞と合流して新しい毛が作られる。
・そのため永久脱毛では、パルジ領域(毛隆起)とともに毛乳頭を熱変性させることが必要になる
・永久脱毛のためには、毛隆起と毛球の幹細胞を破壊する必要がある
レーザー脱毛の原理
・レーザー光は特定の色に吸収され、熱を発生する。医療脱毛に使用するレーザーは黒いものに吸収されるものを使用する。
・毛の毛乳頭と毛隆起をターゲットとし、黒色のメラニン色素に熱が発生し、選択的に破損し、毛の発生を途絶・抑制する。
・例えるなら、皮膚表面にできるだけ影響を与えずに毛を生産している工場に火事(熱のこと)を起こさせて生産中止に追い込む、ということである。
・成長期の毛はメラニンを豊富に含みますので、レーザー脱毛を行うことにより減毛の効果が期待できる
パルス幅
・レーザーが流れる時間
・パルス幅が短いと、毛だけが焼けて幹細胞は残存するのでまた生えてくる
・しかしパルス幅が長すぎると、火傷の危険性が高くなる
・そのため、毛が焼けて毛隆起と毛球までが破壊される程度まで熱が拡散する時間を絶妙に設定する必要がある。
医療レーザー脱毛の問題点
・医療レーザー脱毛はエステの光脱毛よりもかなり強いエネルギーを照射し、その一発の照射で毛包組織を破壊しようとするため、強いエネルギーを照射する。
・2ヶ月ごとに繰り返し治療する必要はあるが、エステ脱毛よりも圧倒的に短時間で終わる
(女性の薄い腋毛であれば5~6回ぐらいやればもうほとんど生えなくなるということが多い)
・医療脱毛のレーザー脱毛は非常に強いエネルギーで照射するので痛みがある。特に毛が濃いほうが痛みがある。例えば、男性の濃いヒゲでは、バシッと「輪ゴムで弾かれるような痛み」がある。
・男性の濃い太い毛は、それなりに強いエネルギーを当てないと脱毛できない。逆にエステでの光脱毛とはだと、男性の濃いヒゲは何回照射を行ってもほとんど変わらないということがあるので、やるだけ無駄ということもある。
・レーザー治療は痛みがあるので、麻酔クリームや麻酔シールを張ってからやるっていう施設がほとんどである。
・医療脱毛は強いエネルギーを照射するので、当てた後皮膚の表面の発赤、毛が破壊されたところに炎症が起きるため、毛穴に沿って毛嚢炎が起こる(ただしほとんどの場合、1週間ぐらいで治る(個人差はあり)
・火傷のリスクも多少ある。特に日焼けした茶色い皮膚にレーザー脱毛を当てると、皮膚の表面のメラニン色素にまでレーザーが反応して、皮膚の発赤や軽い火傷になったりすることがある
(だだし1週間~2週間ぐらいで治る)
・強いエネルギーを当て毛包組織が破壊されると、組織を修復しようとするため、皮膚の新陳代謝が盛んになり、表皮がポロポロ白い垢がはがれることもある(1~2週間でほとんど治る)
「永久脱毛」とは?(永久減耗との違い)
現在の脱毛技術では、ムダ毛を一生一本たりとも生えないようにすること(世間一般でいう「永久脱毛」)は難しい。
(ただし「永久脱毛」に近い状態を達することは可能といわれている)
永久脱毛の定義
日本における永久脱毛の定義:
日本において永久脱毛の明確な定義はなされていない。
一般的には、
「施術後に生える毛の本数が減り、その状態を長期間維持されている」
ことを指していると考えられる
アメリカ食品医薬品局(FDA)の永久脱毛の定義:
レーザー3回照射後、6ヶ月経過した時点で67%以上の毛が減っている状態
アメリカ米国電気脱毛協会(American Electrology Association:AEA)の定義:
最終脱毛から1ヶ月後に毛の再生率が20%以下である状態
※ 逆に言えば、施術から1か月後に「全体の5分の1」の量のムダ毛が生えてきても、それは「永久脱毛だ」ということ。永久脱毛の言葉は想像以上に緩い基準であるとわかる。
永久減毛とは?
・「永久脱毛」は美容電気脱毛における効果として定義された概念である。
しかしその後に医療レーザー脱毛の開発と同時に登場した新しい概念が「永久減毛」である。
・永久減毛とは、
「レーザー照射後6か月間期間をおいても、67%以上の毛が減少した状態を維持できていること」と定義される
・この定義によると、医療レーザーによってムダ毛が無くなるまで脱毛した後、長期間毛が少ない状態のまま維持できればそれは「永久減毛」と言えることになる。
「永久脱毛」は達成困難なのか!?
・FDAの定義では「レーザーを3回照射した後6ヶ月経過した時点で67%以上の毛が減っている状態」となっており、「では33%は生えて来るのか!?」という疑問も残る。
・実際のところは、医療機関でレーザー脱毛を行った方の再生率は非常に低く、個人差こそあれ、ほぼ再生しないと言われている。
・一方、脱毛サロンで使用する光脱毛は、毛や毛根を焼くことが出来るため、一時的な減毛感は感じられる。しかし、毛根幹細胞を破壊することは出来ないため、数年後、早い人では数ヶ月後に生えて来てしまう可能性が非常に高い。
美容脱毛(エステ脱毛)とのちがい
光脱毛で永久脱毛を謳うことは「医師法違反」である
・エステでは「光脱毛」が大部分
・「光脱毛」は照射エネルギーが弱いため、一時的に毛が生えなくなっても毛隆起までは破壊されにくく、また生えてくる可能性がある。そのため、照射回数が増えてしまうのが光脱毛の欠点である。
・またエステでは法律的に「永久脱毛」を謳ってはいけない(医師法違反になる)
永久脱毛をするためには毛乳頭や毛隆起といわれている幹細胞が豊富な部位を破壊しないと永久脱毛にはならない。
毛乳頭、毛包隆起を破壊するためには相当強いエネルギーを加えないと破壊されない。しかしそのためには相当強いエネルギーを加えないと破壊できず、医療行為となる。
もし永久脱毛を達する位、強いエネルギーを当てるとなると皮膚発赤、疼痛、その後毛嚢炎になるなどの障害が普通に起こりうる。
光脱毛の効果
・ただしエステの光脱毛でも、繰り返し繰り返し当てることで僅かに永久脱毛の効果はある
・エステ脱毛のエネルギーは弱い光を照射するため痛みは軽い。ちょっとピリッとするぐらい。
・レーザー脱毛と違って エネルギーがが弱い分、発赤や毛嚢炎はほとんどない(もし起こってしまったら、医療行為ぐらいの強いことをやっていることになり、逆に問題である)。
・毛周期がありエステ脱毛でも医療脱毛でも、2ヶ月ぐらい間隔をあけて繰り返し照射する。
・2カ月よりも間隔が短いと効果がないので、2ヶ月くらいは開けて照射するのが効率がいいので2か月以上あけてやるっていうのが原則
・エステの光脱毛とかで全然生えなくするためには、2ヶ月以上間隔をあけて、相当な回数をを当てなといけない。
・個人差はあるが、20回~30回照射してやっと毛が生えなくなる。それまではやれば少しずつ薄くなるが、完全になくすためには相当な回数を当てないといけない。
・エステ脱毛はかなり時間と回数がかかる
・エステ脱毛は1回あたりの料金が安いが、多く回数が多くなるため、結果的には医療脱毛でやる時よりトータルの料金は掛かってしまう。効果も不十分。何よりも時間がすごく長くかかってしまう。
多くの人がエステ脱毛を選んでしまうのか?
・脱毛法には「エステ脱毛」と「医療脱毛」の2種類があることを、世間一般の人はあまり知らない。あるいは同じようなものだと思っている人もいる。
・エステの方が美容クリニックよりも規模が大きい、エステのほうが美容医療よりもハードルが低い印象が強い。
・全国にたくさん支店があるエステもあり、広告費もトータルで見ると美容医療よりもエステの方がたくさん使われているので一般の人が目にする機会も多い。
・エステの場合、有名な芸能人とかモデルとかアイドルとかを使って宣伝する
※美容整形だと、一流芸能人は美容整形のCM のイメージキャラクターになるのは NG ということが多い(美容整形のイメージキャラクターになると「美容整形」のイメージがついてしまうのでそのタレントの商品価値が落ちてしまうため)。
エステの場合は そのようなことはなくOKということが多い。
・そのため、何も知識がない一般の人はエステの脱毛方法を選んでしまう人が多い。
結論
エステ脱毛より医療脱毛の方が効果は確実。
しかも通院回数も少なくて済み、トータルの料金も少なく済む。
永久脱毛したいなら、らわざわざエステではなく医療脱毛をやるのがいい。
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