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「フレイル」「 ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」「サルコペニア」との相違点

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高年齢労働者に発生する休業4日以上の労働災害の特徴

・災害の 発生率(千人率)では、若年層と高年齢労働者で高くなる傾向がみられる。

・60 歳以上の男女別の労働災害発生率(死傷年千人率)を 30 代と比較すると、男性は約2倍、女性は約5倍となっている。

・千人率は女性では65~69 歳で最大となり、男性では75~79 歳で最大となっている

・事故の型別では、転倒災害、墜落・転落災害の発生率が若年者より高い傾向があり、特に女性でその傾向が顕著である。

・年齢別の休業見込期間では、それぞれの年齢層の災害発生件数を100 として、その休業見込期間を比較すると、年齢が高くなるほど休業見込期間が長くなる傾向がみられる。

・労働者千人当たりの熱中症の発生率を年齢別にみると、特に男性で年齢が上がるとともに発生率が高くなっている。

 

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「フレイル」、「 ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」、「サルコペニア」との相違点

フレイル

・「フレイル」とは、日本老年医学会が2014年に提唱した概念で、虚弱(Frailty)に由来する。健康な状態と介護が必要となる状態の中間である。

・要介護に移行するリスクが高い一方、適切なケアによって健常な状態へと戻ることが可能だといわれている。

・運動機能の低下だけではなく、加齢に伴い心身が衰え疲れやすくなり、家に閉じこもりがちになるなど、年齢を重ねたことで生じやすい衰え全般を指す。

改訂日本版フレイル基準(J-CHS基準)

以下の5項目の内3項目以上が該当する場合をフレイルとし、1又は2項目が該当する場合をプレフレイル(フレイルの前段階)とする。
● 体重減少(6か月で、2㎏以上の(意図しない)体重減少)
● 筋力(握力)の低下(男性<28㎏、女性<18㎏)
● 主観的疲労感((ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする)
● 身体能力(歩行速度)の低下(通常歩行速度<1.0m/秒)
● 日常生活の身体活動量の減少(週に1度も①軽い運動・体操、②定期的な運動・スポーツをしていない。)

ロコモティブシンドローム

・ロコモティブシンドロームとは、2007年に日本整形外科学会が提唱した概念で、加齢による筋力の低下や、関節や脊椎などの病気の発症により、運動器の機能が低下した状態である。進行すると日常生活にも支障が生じてくる。

 

サルコペニア

・サルコペニア(sarcopenia)とは加齢性の筋肉量および筋力の低下であり、その語源はギリシャ語 sarx(flesh:肉)と penia(loss:失う)からなる。

・ヒトでは、30 歳を過ぎると 10 年毎に約 5%前後の割合で筋量が減少し、60 歳を超えるとその減少率は加速することが報告されている

・サルコペニアとは、加齢による筋肉量の減少および筋力の低下のことを指す。

 

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加齢に伴う身体・精神機能の状況

1.視覚

・加齢に伴う主な視覚機能の変化として挙げられるのが遠視(老眼)、いわゆる近くのものが見えにくくなる状態(近方視困難)である。これは水晶体の硬化と水晶体を支える毛様体筋の収縮力低下によって生じる眼調整力の低下である。この状態は40歳台以降からはじまるとされる。

・また、加齢によって、動体視力の低下、色視力・コンストラクト視力・夜間視力なども低下する

・高齢になるにしたがって、白内障、緑内障、黄斑部変性、網膜血管硬化症などの眼疾患により、さらに視力低下が進むことも多い。

・外眼部では加齢性流涙症(鼻涙管閉塞など)、角結膜乾燥症(涙腺分泌低下、ドライアイなど)、眼瞼皮膚弛緩(皮膚や皮下脂肪のたるみ)、眼瞼内反・外反(瞼板のめくれ込み)などがみられ、視覚に影響する。

聴力

・聴覚機能における生理的老化として、40 歳代以降から高音域の聴力低下がはじまり、年齢が進むと低音域の聴力低下も進行するが、高音域の聴力低下が加速的に進行する

・。難聴有病率は 60 ~ 64 歳台までは徐々に増加し、65 歳以上で急速に増加する。国立長寿医療センターの調査による難病有病率は、60 ~ 70 歳台では男性 43.7 %、女性 27.7 %、 80 歳以上では男性 84.3 %、女性 73.3 %であることが報告されている。

 

筋力

・サルコペニア(sarcopenia)とは加齢性の筋肉量および筋力の低下であり、その語源はギリシャ語 sarx(flesh:肉)と penia(loss:失う)からなる。ヒトでは、30 歳を過ぎると 10 年毎に約 5%前後の割合で筋量が減少し、60 歳を超えるとその減少率は加速することが報告されている

知的能力の加齢に伴う変化

・『情報処理のスピード』は、50歳中頃までは少し向上するのですが、その後は急激な低下を示しました。

・しかしながら、『知識力』は、40歳から70歳を過ぎる頃まで、ぐんぐん向上していきます。その後、緩やかな低下を示していますが、90歳を目の前にしても、40歳よりも高得点なのです。

・訓練によって得た知識・技能の維持は「結晶性知能」と呼ばれるものに含まれる。結晶性知能は 60 歳を超えると緩やかに低下するが、その低下は 80 歳代の前半まで非常に緩やかである。

 

身体・精神機能の個人差

・個々人の生理機能や体力には個人差がある。加齢にも個人差がある。しかし、個々人のデータを追っていくと、変動はしつつも緩やかに低下していることは明らかである.

・握力,垂直跳びなど5項目の体力から主成分分析により体力老化指数(FAS)を定め、7年間での FAS の低下の傾きを計算すると、FAS の傾きは高齢者ほど大きく、女性よりも男性に大きいことが指摘されている。また、FAS の傾きの大きなグループほど死亡率が増大することが報告されている。

・実行機能と関連する神経心理学的検査の所要時間において、加齢による個人差拡大が特に顕著にみられた。

・身体・精神機能は 30 歳代程度から低下する傾向があるが、個人差が大きく、かつ高齢化するほど個人差は広まってゆく。後期高齢者でも、機能の種類によっては若年齢者と同じようなレベルにある者もいれば、若年齢者でも老化が見られる者もいる。

・身体機能が低下している個人では、精神機能も低下している傾向がある。

 

 

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