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皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症(CADASIL)

概要

・皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症(Cerebral Autosomal Dominant Arteriopathy with Subcortical Infarct and Leukoencephalopathy:CADASIL)は、常染色体優性遺伝形式を示し、若年期から前兆を伴う片頭痛が先行、CT・MRIで同定される大脳白質病変が徐々に進行、中年期から脳卒中危険因子がなくても皮質下白質にラクナ梗塞を繰り返し発症し、うつ症状、脳血管性認知症に至る。NOTCH3遺伝子変異を認め、病理学的に脳小血管の平滑筋の変性と、電顕でオスミウムに濃染する顆粒(GOM)の蓄積を特徴とし、遺伝子診断又は病理診断で確定診断する。

 

参照(このサイトより引用):https://www.ncvc.go.jp/pr/release/pr_42296/

 

原因

Notch3遺伝子に、主としてシステイン残基に関連する180種類近くの点変異、欠失を認める。

CADASILでは、遺伝子変異によりアミノ酸が置き換わることで変異したNOTCH3タンパク質 注2)が主に径の小さな血管(小血管)の壁に蓄積し、血管の伸縮性が失われることで、ラクナ梗塞や側頭葉を中心とした白質病変などの虚血性病変が引き起こされます

 

症状

初発症状は前兆を伴う片頭痛発作で20から30歳頃に発症することが多い。脳卒中発作は純粋運動型、運動失調片麻痺型、純粋感覚型又は感覚運動型の典型的なラクナ症候群の頻度が高く、一過性脳虚血発作の場合もある。反復する脳卒中発作により、錐体路徴候、仮性球麻痺、歩行障害、尿失禁など血管性パーキンソン症候群を示す。それとともに鬱状態や,無気力などの精神症状が進行し、階段状に皮質下性認知症が悪化する。10%では認知症は単独で進行すること、双極性気分障害と診断されることもある。局所性又は全身性痙攣発作、末梢神経障害、難聴、めまい発作を生じることもある。

・MRI/CTで、側頭極を含む大脳白質病変を認める

 

4.治療法
従来の脳卒中の再発予防として用いられる抗血小板剤の効果はなく、抗認知症効果を認める薬剤もないため、治療法が確立していない

予後
脳梗塞を繰り返すと60歳前後で寝たきりとなり、男性は65歳前後、女性70歳前後で死亡する。

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